鬼の宴

さかばんばすぴす

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鬼の宴

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~●◯●~Sideきのすけ

「…っな!なにこれ!!キモッ!!」
「知らねえな…っあ゛~、弱点あんのか…?」

ライは黒い人型を破壊しながら、こっちにノールックで何かを投げられる。
それは、雪坊主を倒した刀だった。

「それあげるから加勢しろ!」
「え…あっ了解!」

投げられた刀を間一髪で掴み、よってたかってきたやつの胸にぶっ刺す。
喉が裏返ったようなうめき声が近くから聞こえた。

瞬間、声が、響いた。
前から、そう、ボクが刺したあいつが、
目を合わせる。

『ちゃんとしないと。』

『息ができるように。』

『足並み揃えて。』

『笑っていないと。』

刺したやつの、頭が増えて、声が聞こえる。

『羽目は外さず。』

『みな等しく接し。』

『欲ない人生。』

顎が外れんばかりに大口開けて。
奴らは満たされた笑顔をやってきた。
頬を強引に引き上げられる。

『こっちにおいでよ、』

煩い、

『こっちがいいよ。』

『みんっな!みい~んな!!しあわせだから!!!!』

首に何かが巻かれる。
糸だ、まるで、蜘蛛のような、細くて、硬い糸。
もし、そんな世界があれば。

そんな世界は。
「退屈で仕方がない。よなあ?」
どこからか、声がする。
心の中の自制心という糸が、ぶつり、と、切れる音がする。

愛想とか、損とか、自制とか、
俺のためとか、他人のためとか、
無関心の美徳とか、なにもかもが壊れる音がする。

うるせぇよ、俺は

「人間様なんて知らねぇよ!!どいつもこいつも地獄に落ちちまえ!!」

力任せに、刺したとこから袈裟斬りをした。
そっかあ…ざんねん、ざんねん…
コーラスのように(こんなコーラスは嫌だ。)反響する彼の、いや、彼らの声。
前のやつの切ったことろが強引に再生された。
まじかっ…!そんな気はしたけど!!
そいつを振り切り、後ろへ戻る。

胸はダメ、手も刀になりふり構わず使ってたから違うだろう。
隣を見ると、鬼たちが『何か』を粉砕している。

「…っはっ!こいつら再生しすぎ!!」
「再生を遅くするしかねえな…!」

一人は燃やしつくし、もうひとりは巨大化した骨で粉々に…
それでも数十秒で同じ形に戻り襲いかかってくる。 
粉々…俺にはできないからなあ…弱点を見つけるしか…
人型のそいつを凝視してみる。
自分には、自分にできることを!!

セピアの世界に浸水する。
黒色の、さっきと同じような炎が、その身体から…

でてない?!

「なあ?!こいつらおかしい!!」

焦ってライに告げると文脈を理解したのか、正解を答える。。

「まさか…妖力がない?」

首を縦にふる。だからか、と、ライが呟く。

「俺らの仲間じゃねえってことだな…」
「は?どういうことだ?」
「俺等、いや、この世界には、3つの境界がある。」
「1つ目が人の境界、2つ目が鬼の境界、そして、3つ目が…仏の境界。」

「俺等鬼は仏に手が出せない、俺等の対抗手段、妖力が通じないんだ。」

ライの後ろで蹴り飛ばされたやつが回復し、飛びかかってくる。
すかさず後ろへ回り、その拳を受け止める。

「…ツクソが、きりがねーよ!!」

つまり、これは仏、ということか?
私の知ってる神様とは違う形に困惑する。
…いまは、そんなことしてる場合じゃない。
考えるんだ…考え…かん…
いや、考えてもなんにもできんくね?
ボクが切っても復活するってことは、人間でも致命傷が与えられないのか?
瞬間、草むらから音がする。
やば、今まで乱雑に放置してたくとのほうからだ。
あそこならいいと思ったけど、だめだったか??
すぐに走ってたすけ……

千鳥足で、くとは、いや、彼女は、敵の前までくる。
「イ…ナサ…ルユ」
「?ルテ…シニ…ナニンジン…オンガ…ワ」
意味のわからない言葉の羅列、敵たちは、手を、動かせなかった。
いや、手、だけではない
息も、足も、声も、その中にあるはずの臓器でさえ動くことが赦されない。
そんな緊迫感が、彼らから伝わってきた。



コン。

狐の小窓を作りながら、死刑宣告のように。彼女は言った。
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