Tril"if"e

さかばんばすぴす

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第一章 赤色の追憶

File1 面忘れ(1)

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~❀☆❀~side くと 
鶏の代わりに剣を交える音で起きる。

現在午前 6:30。

 朝はまだ季節的に肌寒くてやっぱ少し苦手。
 羽毛布団からはみ出した顔だけが冷気にさらされている。
このまま暖かい布団と結婚したい、5度寝したい・・・ 
まあ、駄々をこねてても何もならないので布団を剥がす。

 さっっっむ。

もうこれは冬だよ・・・暖炉誰か焚いてくれてるかな。 
そんな浅はかな願いを込めながら自分の軍服に着替える。 

比較的ここは服装の規制はないが、
国の女王たるものすこしはフォーマルではないといけない。

そう、こんなもこもこのパジャマじゃ歩けないのだ。
もう起きている部下たちにも示しがつかない、
そう、がまんがまん。

 リーダーをじゃんけんで決めたあの頃の私を恨みながら廊下に出る。 
朝ごはんの為に食堂に行く、その道で4人ほどの部下に『お疲れ様です』と声を掛けられる。
『そっちこそお疲れ、』そう返すと、元気そうに廊下を歩いて行った。 
それ以外にも部下たちとあいさつをしながら食堂に入る。
 
 今日は A 定食のトーストセットにした。
ちなみに B 定食は東方にある国の料理 。
C定食はめっちゃでっかいカツが乗ったかつ丼だった。
 何故か私のほしい定食はすぐ売り切れてしまうらしいので急いで買う。
 私の選ぶのはすべて人気のモノなのだろうか。
 食堂の二階に上がり、見晴らしの良い場所で友人たちを探す。
どうやら今日はライとスピカがいるみたいだ。 
端の方で黙々と食べるスピカと、部下と一緒に食べているライ、
正反対だがライの近くにスピカがいることを見て、仲が悪いのではないのだろう。
一緒に食べるために階段を降り、そこまでポトフをこぼさずに注意しながら歩いてゆく、

 「おっはよー、二人とも」 「・・・おはよ」 「ういっす。」

 それぞれの挨拶の答えを聞きながら空いている席に座る。 
スピカは B 定食、ライはあんな細身なのに C 定食を食べている。
なんかもう半分食べているので尊敬する。

「みんなは?」 

素朴な疑問を口に出す。 

「もうくるるときのすけは来たよ。あとは刹那かな。」

 味噌汁をかき混ぜながらスピカが答える。

 「刹那が来ないのは久しぶりだね。」

 ライが部下との話の間で会話に入ってくる。

 「んー私より遅いのは珍しいかも」

いつも最後は朝が弱い私なのだ。
しかも刹那は朝練があるからと言い早寝早起きをしている。 

「おれ、部屋まで行ってくる」

 ライはそう言い, なんかあったらインカムで報告するわ, と付け足す。 
インカムが鳴らないように祈るばかりだった。
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