Tril"if"e

さかばんばすぴす

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第一章 赤色の追憶

(2)

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 「おーい、刹那、開けんぞ。」 

三回ノックの後に扉を開ける。
そこには・・・刹那が起きていた。 

「おい、起きてんなら速く朝ごはんに来いよ。」

 気配がいつもとは違う、なぜだ? 

「ああ、行くよ、ちょっと待って。」

 声色は一緒だ。
まあ、気のせいだろう。 刹那に背を向ける。

と背中に激痛が走る。

 「・・・ッ!な・・・んで」

 背が暖かい。じわじわと赤が背を侵食する。 

「お前も一緒に来てもらう。」

 この声は、刹那ではない。それだけがわかる。 

インカムの非常ボタンに手を触れたところで。ゆっくりと意識がなくなった。


 ~❀☆❀~side くと
しばらくしてライと刹那が帰ってくる。 

「おーい、こっちこっち。」
「ん、ただ単に寝坊コイツがしただけ」
「ごめんごめん…少し遅く起きちゃって…」 

何にもなくってよかったよ、そういい、椅子に座る 2 人を見届ける。

 「あ、くと、資料できたから、見せる。」
 「・・・え、スピカ今?」

 問うと首を縦に振られる。

 「もう用事も終わったでしょ。早く、今日締め切りの資料私確認してないよ。」
 「え゛、嘘!!昨日持って行ったはずなのに・・・」
 
忘れていたなら、早く届けなくては、
じゃあね、と、二人に挨拶してから、スピカと一緒に廊下を歩く。 
不意にスピカが言葉を発す。

 「・・・今は、刹那とライには気を付けて。あと、資料の提出は、来週だから。」 

そういって、彼女の自室の方に戻っていった。
 どういう意味だったんだろうか、ライと刹那に気を付けることなんてないのに。 
…まあいいか!よかった!資料なかったぁ!! 
執務室のドアを開いた。
 私この時のはまだ資料がないという喜びに舞い上がっているだけだった。

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