Tril"if"e

さかばんばすぴす

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第一章 赤色の追憶

(3)

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~❀☆❀~side スピカ

違和感。それは役に立たないわけじゃない。 
そこには経験・才能・・・いろいろなものが詰まっている。 
この国の幹部やトップはいろいろな分野のプロだ。 
プロの違和感は「言葉にできない何か」の道理が通っている。 

だったら、それを見つけるのが何もわからない私のすべきこと。 

「すみません、少し仕事から外れます。」 

一言いい眼鏡を外し双眼鏡を凝視する。 

何が違う?

いつもとは、何が? 

くとは人間の少しの違いに気づきやすい、 立ち振る舞い?体格?それとも 道具? 

あ、合致する音が脳内に流れる。 

おかしいことは、これだ。

「くるるさん、あの海賊、多分後ろに何かがついています。」 
「・・・ああ、続けろ。」 

「武器があまりにも新しい、旧型の船からして武器の新品を買うお金なんかないはず。」 

国か、組織かはたまたそれ以外か。

わからないがそこら辺の何かだろう。 
そんな強くないがコマとしては十分だ。考察的には道理に合っている。

「・・・形から見てカットラス。うちの国でも販売している大量生産品だな、
決して高いものではない。」 

ボソッとくるるが言う 

「だからこそどこの物かわからないようにしているのか。」 

偶然か、はたまた必然か。まったく、気が向いたとかがあるから人間はめんどくさい。 
推測がはかどろうとしたとき、隣から「うお、」と声が聞こえる。 

「どうしましたか?くるるさん。」 
「あーいや、海賊船につけてもらった盗聴器から大きな音が・・・」 

何か起こったのだろう。
くとに情報交換しないと。 通信機をつける。 

『もしもし?くと、そっちなんかあった?・・・・ああ、もしかしたらその方向にいるかも、ってくとー。』 
『・・・』 

聞こえないか、聞こえているが息をひそめないといけないのか。 

『--・ ・・- ・-・・ ・- 』 {リウカイ} 

モールスで程なくして帰ってくる。
よかった、くとまでいなくなったらもう無理だった。

「・・・スピカ。」 
「っはい!」 

となりから言葉が聞こえる。通信機を OFF にする。 

「くとの通信のとき、なぜか息切れしていたようなきがする。」 
「え・・っと。ということは、追われている・・・ではないだろうし。」 
「わからないが、気にしておいた方がいいかもしれない。」 

勘だが、そう付け加えて彼は業務へ戻った。
サイレンサー付きのスナイパーライフルから、ポス。という命が消える音がする。 

勘、つまり違和感、彼の違和感だ、気をつけた方がいい。 


・・・あの時の二の舞にならないように。
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