Tril"if"e

さかばんばすぴす

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第一章 赤色の追憶

(2)

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~side国に残ったスピカ~

小鳥のさえずりが、意識を浮上させる。
どうやら寝ていたみたいだ。肩がきしんでいる。
カーテンを開ける。暗っ
どうやら今は夜…よる?
小鳥じゃねーじゃん!
急いで窓を開けて窓際にいた彼を部屋に連れ込んだ。

「ごめん…閉め出してたわ。」

『あいつ』との連絡用の鳥、詳細にいえば梟が私をにらむようにつついた。
足にメモが付いている。そこには一行私の隠れ家の住所。

「えーと、ああ、来てたなら言ってほしかったんだけど…」

どうやら資料が多すぎて運んでくれたようだ。
郵送は、あいつの国からはできないしな。
手間をかけてしまった…いや、あいつならいいか。
一段落してから行こう…ひと…だんらく。

「すっっつs…あと何時間かかるんだ…」

…しょうがない、貰った資料も仕事の一環の物だ。ウン!!
窓をまたぐ、さよなら資料。燃えちまえクソ。
もう一つの足を窓枠にかけた。

途端

轟音

「っぇえ!!?」

部屋に強制的に後戻りする。つまり、派手にこけた。
轟音の正体は、FAXだった。
一枚印刷して、静寂を作り出すソイツ。
それを、掴む。

「なにしてんじゃ、こいつら。」

画質の悪いぼけぼけの写真。それに油性ペンで『お団子なう♡』と書いてある。

よし、かえってきたら、資料のデスマーチを奏でさせてやろう。
心に決めて、窓を閉めて。資料のタワーをまとめて彼らの部屋に届けさせた。


※小ネタ
FAX:古代遺物を直したもの、地下に合金で作られた洞窟がたまに出現。
    そこにあった劣化が少ないものを修理して作られたのが始まり。
    各国に中継所がありそこにログが残るから情報戦には不向き。

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