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第一章 赤色の追憶
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~❀☆❀~sideせつ×くとのくと
「ここからさがすのかぁ…」
膨大な量の資料を見て二人で絶句する。
刹那がばれると色々やばいからということで派遣された所は民俗資料館。
ここでその宗教の事について色々調べろとのお達しだ。
足から自分の身長の2.3倍まである本棚、スピカだったら声の無い喜びに満ちていそうだが
苦痛でしかない、いや、本は好きだけど。
韋駄天…あ…い…いた…あ、あった。
六法全書には及ばないが、ポケット六法ぐらいの大きさの聖典みたいなのを見つける。
パラパラとめくって斜め読みを始める。
韋駄天…足が速い…メロス…う―――ん、まあ、刹那は足速いけど、決して太陽より速いスピードは出せないんだけどなあ。
そもそも、彼の努力を神の力と一掃しないでほしい。
才能もあるとおもうが、彼の力の99%を占める努力を、私は知っている。
ちょっとイラついてきたとき、ふと、目に留まる文字、
それは、12年前の火事の記録だった。
―――――――――――――――――
4月3日、未明。旧寺社ニテ、大火事ノ発生ヲ確認。
火元ハ弱小異教徒ノ手下デアル。
スグサマ消火活動ヲ行ウ、幸イ死者ナシ、シカシ刹那大明神様ガ神隠シニ遭ウ。
我々ヲ、大明神様ガ身ヲ捨テ、助ケテ下サッタノダ。
其ノ時カラ、魂ト成ッタ大明神様ノ為。偶像崇拝ヲ禁止ト定メル。
―――――――――――――――――
ここにいますけどね?その神とか言っている奴。
てか、文字で拒否反応を起こして寝ちゃってるんだけど、どうしようかコレ…
適当に本を投げ捨て、その、弱小異教徒を調べるために、新聞紙のバックナンバーを探した。
4月…みっか…いや、これよっかの方に書いてありそう。
本のように再編集された記事から、火事の話を探し始める。
あ、あった、これだ。書いてあることは…一緒かな?
夜に火が出て、逃げ惑ったけど死者がでなかった。
行方不明は二人、火元は台所。
行方不明か、そう事を片づけたのか、まあ、神隠しなんて言えないしね。
添付された写真には、微笑を抱えた刹那に瓜二つな少年がいて、
名を体で表す刹那主義的な彼とは違い。
全てを悟ったかのような遠く暗い未来を見ている目をしていた。
その隣の、もうひとりの行方不明者の写真を見る。
慈愛に満ちた目と、ヤマトナデシコと称されるような佇まい。
刹那と一緒、いや、それ以上の、あどけなさなど一つもない恐怖すら感じる微笑み。
その彼女の名は、“花陽”と記されていた。
ー追記ー
へ?三年前って書いてあった?
そんなわけないでしょ、なんなんたった三年まえ、15歳で少年って、うん、そんなわけ。
べつにライと会う時を間違えて火災の年代にしちゃったわけじゃないですよ、決してね!!!!
「ここからさがすのかぁ…」
膨大な量の資料を見て二人で絶句する。
刹那がばれると色々やばいからということで派遣された所は民俗資料館。
ここでその宗教の事について色々調べろとのお達しだ。
足から自分の身長の2.3倍まである本棚、スピカだったら声の無い喜びに満ちていそうだが
苦痛でしかない、いや、本は好きだけど。
韋駄天…あ…い…いた…あ、あった。
六法全書には及ばないが、ポケット六法ぐらいの大きさの聖典みたいなのを見つける。
パラパラとめくって斜め読みを始める。
韋駄天…足が速い…メロス…う―――ん、まあ、刹那は足速いけど、決して太陽より速いスピードは出せないんだけどなあ。
そもそも、彼の努力を神の力と一掃しないでほしい。
才能もあるとおもうが、彼の力の99%を占める努力を、私は知っている。
ちょっとイラついてきたとき、ふと、目に留まる文字、
それは、12年前の火事の記録だった。
―――――――――――――――――
4月3日、未明。旧寺社ニテ、大火事ノ発生ヲ確認。
火元ハ弱小異教徒ノ手下デアル。
スグサマ消火活動ヲ行ウ、幸イ死者ナシ、シカシ刹那大明神様ガ神隠シニ遭ウ。
我々ヲ、大明神様ガ身ヲ捨テ、助ケテ下サッタノダ。
其ノ時カラ、魂ト成ッタ大明神様ノ為。偶像崇拝ヲ禁止ト定メル。
―――――――――――――――――
ここにいますけどね?その神とか言っている奴。
てか、文字で拒否反応を起こして寝ちゃってるんだけど、どうしようかコレ…
適当に本を投げ捨て、その、弱小異教徒を調べるために、新聞紙のバックナンバーを探した。
4月…みっか…いや、これよっかの方に書いてありそう。
本のように再編集された記事から、火事の話を探し始める。
あ、あった、これだ。書いてあることは…一緒かな?
夜に火が出て、逃げ惑ったけど死者がでなかった。
行方不明は二人、火元は台所。
行方不明か、そう事を片づけたのか、まあ、神隠しなんて言えないしね。
添付された写真には、微笑を抱えた刹那に瓜二つな少年がいて、
名を体で表す刹那主義的な彼とは違い。
全てを悟ったかのような遠く暗い未来を見ている目をしていた。
その隣の、もうひとりの行方不明者の写真を見る。
慈愛に満ちた目と、ヤマトナデシコと称されるような佇まい。
刹那と一緒、いや、それ以上の、あどけなさなど一つもない恐怖すら感じる微笑み。
その彼女の名は、“花陽”と記されていた。
ー追記ー
へ?三年前って書いてあった?
そんなわけないでしょ、なんなんたった三年まえ、15歳で少年って、うん、そんなわけ。
べつにライと会う時を間違えて火災の年代にしちゃったわけじゃないですよ、決してね!!!!
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