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第一章 赤色の追憶

（８）

～❀☆❀～sideくと
「って、ことは、その花陽ってひとは、」

驚きと希望のせいで、額に汗が浮かぶ、もしかしたら、いや、きっと、そういうことだ。
声を出そうとした瞬間、何かが落ちる音がする。

これは、刹那の方からだ、

「刹那！！」
「…いかないと。」

そばに置いてあった愛刀をしっかり握って、立ち上がる。
瞳は、どこかをしっかりと見つめていた。

「ちょっ刹、ｎっってはっや！！！！どこ行くの！！！！」

空いていた窓から、風が吹き込む…のではなく風が出てゆく。
カーテンが一瞬外に引きずり出されて、また、戻った。
急いで窓を見る、ここ、四階なんですけど、まあ、基地で見慣れているし、大丈夫か…
もう見えなくなった刹那の行動を予想する、この方角には…あった！あそこ！！

『ちょ、へんなおとしたけどだいじょうｂ「ごめんスピカ！また後で」は？ちょっとｍ』

受話器を叩くように置いて、あとでその音を直で聞いたスピカの鼓膜を労わろうとか考えている暇もなく、私は窓から飛び降りた。