Tril"if"e

さかばんばすぴす

文字の大きさ
25 / 35
第一章 赤色の追憶

File5流転輪廻{るてんりんね}のその先で、また。

しおりを挟む
~❀☆❀~sideきの
湧いてくる狂信者共を蹴散らす。
うん、文字どおり、けってゆく。
ぼくは今、殺さずの誓いを無理やり立てさせられているからだ。
なんやかんや、やはり大量虐殺はいけないらしく、使うことができるのは
麻酔銃とナイフの切れない方と閃光弾ぐらい。
いや、閃光弾は味方も巻き添え食らうし、やんないんだけどね。

最後の一人は、

「あっ!この!取りやがった!最後の一人!!!!」
「助けてやったんだよ、礼を言え。」

ということでくるるの銃弾に倒された。ちぇ、あと少し早く動ければやれたのに…

「終わったってことで、あとは。」

ライがソイツに近づく。

「こんにちは、ここのボスの要さん?」

ニコニコしながら言う、うわ、めっちゃ楽しそう。
ボクの使っていた銃の替えを要の額に押し当てて、ライは、一つ、と声を震わす。

「一つ、数日前に我々の国に海賊が現れ、幹部を誘拐した、それはお前らの仕業だな。」
「…っええ。」

獲物を狩っている時の鷹の目だ。
高貴で、崇高で、プライドとそれに見合う才能を持つその瞳は、
逃すものかと敵を射止める。

「二つ、お前らの後ろに誰がいる?」
『え?』

ボクと要の声が重なる。

「っちょ、知らなかったのかよ…ほら、賊と槍の武器、やけに新しかっただろ。」

くるるが小声で話してくる。そんなのでわかるかよクソ。

「客間が整備されているってことはちょこちょこ位の高い人がくるって所とか、こいつらの目標は刹那奪還なのに俺らも収容されたとことかでこいつら以外の意思が混ざっていることぐらいわかるよね?」

ライも追い打ちをかけてくる。そっちの方が分からない。

「ってことで教えてくれるかな?か、な、め君?」
「あの言い方ウザイな。今度使おう。」
「今後くるるの口から出たら腹より先に鳥肌が立つ。」

くとらへんは爆笑してそう、
そう思っていると、

「っい、いわない、」

急に体を震わせて、彼は言う。
ライは、額の銃で要を押し倒し、次はにこりとも笑わずに畳みかける。

「教えろ。お前の後ろには誰がいる?別の宗教団体?俺らの国の反政府組織?
老いぼれ、落ちこぼれたイフ国以前の貴族?間引いた肥えた商人ども?それか…他の国?」

ライが押し倒したのには意味があるのかもしれない。要の手首に押し当てられた親指は
心拍の増減を測っている。

そういうところ怖いよな、本当に味方でよかった。

「いっ、言わない。」
「へえ、それで、他の国から何を指図された?」

息をのむ声が聞こえる。
どうしてわかったのかというように。目が宙に舞う。

瞬間。

其の目が、一つの場所を見つめる。

「…だめだ、だめだ、だめだ!!!!」
「っは?」

自分から恐怖の対象が変わったことを疑問に思ったライが、目を釘付けにする方を見る。
あれは…スナイパーの特有の反射が、わかる人にしかわからない程度に見える。

「っライ!!スナイパー!」

声しか、出なかった。
知覚してから、神経をたどり、筋肉が動かされるのには0.5秒ほど必要らしい。
そんな時間などなかった、声が出ただけほめてほしいぐらいだ。

スローモーションで銃弾がライの脳みそを狙う。

自然の摂理に従って、空気を斬り、迫る凶器。

刹那、

摂理をぶち壊すように、彗星が通り過ぎた。


ー裏話ー
ライが弱すぎて、こんなんじゃないとねるねるねるねしていたところ、
予約投稿を忘れたバカです、すみません。とりあえず土下座しとく。
一章につきメイン主人公サブ主人公で進んでゆくから、
どうしてもメインが強いとサブが弱くなる。助けなきゃだから。
ああああ…実は強いんですよ、ライさん。
リーチの問題を抜いたら戦闘力は刹那と互角ぐらいですよ…
こいつ、メンタル鬼なので刺されても殴られても突き進むんです…
恐怖すぎだよ、たまに高笑いするのも怖いんだよ(妄想)
ご本人共だとライの方が足速いんだよなあ…
この話では刹那の方が速いです☆彡
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

私は逃げ出すことにした

頭フェアリータイプ
ファンタジー
天涯孤独の身の上の少女は嫌いな男から逃げ出した。

政略結婚の意味、理解してますか。

章槻雅希
ファンタジー
エスタファドル伯爵家の令嬢マグノリアは王命でオルガサン侯爵家嫡男ペルデルと結婚する。ダメな貴族の見本のようなオルガサン侯爵家立て直しが表向きの理由である。しかし、命を下した国王の狙いはオルガサン家の取り潰しだった。 マグノリアは仄かな恋心を封印し、政略結婚をする。裏のある結婚生活に楽しみを見出しながら。 全21話完結・予約投稿済み。 『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『pixiv』・自サイトに重複投稿。

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?

行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。 貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。 元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。 これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。 ※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑) ※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。 ※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...