18 / 29
第18話: 「封印の内部」
しおりを挟む
扉を抜けた先は一面に広がる闇だった。空間全体が静まり返り、足音すら吸い込まれるように響かない。薄暗い光が空間を淡く照らし、周囲には無数の古代文字が浮かび上がっていた。それらの文字は不規則に動き、まるで何かを訴えかけているように見える。
「気味悪いな……ここが封印された場所なのか?」
俺が呟くと、エリスが慎重に進みながら答えた。
「ここに封印の力が眠っているはずです。ただ、これほど強い異質な空間だとは……」
その声にも微かに緊張が滲んでいた。騎士たちは剣を構え、周囲を警戒しているが、異様な静寂が逆に不安を掻き立てる。「とにかく慎重に進もう」俺がそう言いながら足を踏み出すと、遠くから低い振動音が響いてきた。
音が次第に大きくなり、地面が微かに揺れる。周囲の古代文字が一層強く輝き始めた。
「気をつけて……何か来ます!」
エリスが鋭く叫ぶと同時に、空間の奥から巨大な影が現れた。それは漆黒の鎧をまとった人型の魔物だった。その体からは冷気が漂い、目には青白い光が灯っている。
「……また面倒な奴が出てきたな」俺は剣を握りしめながら前に出た。
「勇者様、あれはおそらくこの封印を守る守護者です。手強い相手になるでしょう!」
エリスの言葉に、俺は頷きながら魔物を睨む。
「守護者かどうか知らねぇが、やるしかないんだろ!」
魔物は無言のまま巨剣を振り上げ、一撃を繰り出してきた。その力は凄まじく、地面が砕け、衝撃波が空間全体に響き渡る。俺はギリギリでその攻撃をかわし、剣を振るって反撃するが、相手の鎧は硬く、一撃では傷つかない。
「くそっ、簡単にはいかないか……」
俺が苛立ちながら剣を握り直すと、エリスが後方から魔法を放った。彼女の光の矢が魔物の背中に命中し、その動きが一瞬鈍る。
「今です! 勇者様!」
エリスの声を聞いて、俺は全力で突進し、魔物の腕を狙って剣を振り下ろした。鋭い刃が鎧を貫き、魔物が苦しげな声を上げる。だが、それでも立ち上がり、さらに激しい攻撃を仕掛けてきた。
騎士たちも加勢し、懸命に攻撃を続けるが、魔物の動きはますます凶暴になっていく。
「このままじゃ押し切られる……!」
俺は焦りを感じながらも、剣聖の力をどこまで解放するかを迷っていた。この場で全力を出せば確実に勝てるかもしれないが、その力を見せれば自分の秘密が露見する可能性が高い。
「……くそ、やるしかないか!」
意を決して剣聖の力を解放する。俺の剣が眩い光を放ち、周囲の空間全体を照らし出した。「行くぞ……!」俺は全力で魔物に突進し、その胸元を正確に貫いた。
剣が深々と突き刺さると、魔物の動きが止まり、青白い光が消えていく。「これで……終わりか?」俺が剣を引き抜くと、魔物の体が崩れ落ち、黒い霧となって消えていった。その場に残ったのは静寂と、一つの小さな宝玉だった。
「これは……」エリスが宝玉を拾い上げ、その光をじっと見つめる。
「封印の核ですね。この宝玉が封印の力の源となっているのです」
彼女がそう説明する間、俺はふと背後に気配を感じた。振り返ると、そこには黒装束の男が立っていた。「またお前か……!」剣を構える俺に、男は冷ややかな笑みを浮かべた。
「さすがです、勇者様。あなたがその力を使えば、やはり封印を破ることも可能だと証明されました」
「ふざけるな! 封印を破る気なんてない!」
俺が怒鳴ると、男は薄く笑って首を振った。
「それはどうかな。あなたが何を望もうと、力を使うたびにこの世界は変わっていく。そしてその先に待つのは……」
男が言葉を続けようとした瞬間、突然空間全体が揺れ始めた。
「な、何だ!?」エリスが驚いて叫ぶ中、男は静かに後退しながら言った。
「その答えは、また次の機会にお会いしましょう」
黒装束の男が霧とともに消え去り、揺れが収まった後、俺たちは静寂の中に取り残された。
「一体……どうなっているんだ?」
俺が呟くと、エリスが真剣な表情で答えた。
「今は分かりません。ただ、封印の力と黒装束の者たちの狙いを放置してはいけません。この宝玉を持ち帰り、詳しく調べましょう」
俺は頷きながら、再び剣を握り直した。封印を守りながらも、俺自身が鍵として利用される危険性が日に日に高まっていることを痛感していた。
「気味悪いな……ここが封印された場所なのか?」
俺が呟くと、エリスが慎重に進みながら答えた。
「ここに封印の力が眠っているはずです。ただ、これほど強い異質な空間だとは……」
その声にも微かに緊張が滲んでいた。騎士たちは剣を構え、周囲を警戒しているが、異様な静寂が逆に不安を掻き立てる。「とにかく慎重に進もう」俺がそう言いながら足を踏み出すと、遠くから低い振動音が響いてきた。
音が次第に大きくなり、地面が微かに揺れる。周囲の古代文字が一層強く輝き始めた。
「気をつけて……何か来ます!」
エリスが鋭く叫ぶと同時に、空間の奥から巨大な影が現れた。それは漆黒の鎧をまとった人型の魔物だった。その体からは冷気が漂い、目には青白い光が灯っている。
「……また面倒な奴が出てきたな」俺は剣を握りしめながら前に出た。
「勇者様、あれはおそらくこの封印を守る守護者です。手強い相手になるでしょう!」
エリスの言葉に、俺は頷きながら魔物を睨む。
「守護者かどうか知らねぇが、やるしかないんだろ!」
魔物は無言のまま巨剣を振り上げ、一撃を繰り出してきた。その力は凄まじく、地面が砕け、衝撃波が空間全体に響き渡る。俺はギリギリでその攻撃をかわし、剣を振るって反撃するが、相手の鎧は硬く、一撃では傷つかない。
「くそっ、簡単にはいかないか……」
俺が苛立ちながら剣を握り直すと、エリスが後方から魔法を放った。彼女の光の矢が魔物の背中に命中し、その動きが一瞬鈍る。
「今です! 勇者様!」
エリスの声を聞いて、俺は全力で突進し、魔物の腕を狙って剣を振り下ろした。鋭い刃が鎧を貫き、魔物が苦しげな声を上げる。だが、それでも立ち上がり、さらに激しい攻撃を仕掛けてきた。
騎士たちも加勢し、懸命に攻撃を続けるが、魔物の動きはますます凶暴になっていく。
「このままじゃ押し切られる……!」
俺は焦りを感じながらも、剣聖の力をどこまで解放するかを迷っていた。この場で全力を出せば確実に勝てるかもしれないが、その力を見せれば自分の秘密が露見する可能性が高い。
「……くそ、やるしかないか!」
意を決して剣聖の力を解放する。俺の剣が眩い光を放ち、周囲の空間全体を照らし出した。「行くぞ……!」俺は全力で魔物に突進し、その胸元を正確に貫いた。
剣が深々と突き刺さると、魔物の動きが止まり、青白い光が消えていく。「これで……終わりか?」俺が剣を引き抜くと、魔物の体が崩れ落ち、黒い霧となって消えていった。その場に残ったのは静寂と、一つの小さな宝玉だった。
「これは……」エリスが宝玉を拾い上げ、その光をじっと見つめる。
「封印の核ですね。この宝玉が封印の力の源となっているのです」
彼女がそう説明する間、俺はふと背後に気配を感じた。振り返ると、そこには黒装束の男が立っていた。「またお前か……!」剣を構える俺に、男は冷ややかな笑みを浮かべた。
「さすがです、勇者様。あなたがその力を使えば、やはり封印を破ることも可能だと証明されました」
「ふざけるな! 封印を破る気なんてない!」
俺が怒鳴ると、男は薄く笑って首を振った。
「それはどうかな。あなたが何を望もうと、力を使うたびにこの世界は変わっていく。そしてその先に待つのは……」
男が言葉を続けようとした瞬間、突然空間全体が揺れ始めた。
「な、何だ!?」エリスが驚いて叫ぶ中、男は静かに後退しながら言った。
「その答えは、また次の機会にお会いしましょう」
黒装束の男が霧とともに消え去り、揺れが収まった後、俺たちは静寂の中に取り残された。
「一体……どうなっているんだ?」
俺が呟くと、エリスが真剣な表情で答えた。
「今は分かりません。ただ、封印の力と黒装束の者たちの狙いを放置してはいけません。この宝玉を持ち帰り、詳しく調べましょう」
俺は頷きながら、再び剣を握り直した。封印を守りながらも、俺自身が鍵として利用される危険性が日に日に高まっていることを痛感していた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
帰還勇者の盲愛生活〜異世界で失った仲間たちが現代で蘇り、俺を甘やかしてくる~
キョウキョウ
ファンタジー
普通の会社員だった佐藤隼人(さとうはやと)は、ある日突然異世界に招かれる。
異世界で勇者として10年間を旅して過ごしながら魔王との戦いに決着をつけた隼人。
役目を終えて、彼は異世界に旅立った直後の現代に戻ってきた。
隼人の意識では10年間という月日が流れていたが、こちらでは一瞬の出来事だった。
戻ってきたと実感した直後、彼の体に激痛が走る。
異世界での経験と成長が現代の体に統合される過程で、隼人は1ヶ月間寝込むことに。
まるで生まれ変わるかのような激しい体の変化が続き、思うように動けなくなった。
ようやく落ち着いた頃には無断欠勤により会社をクビになり、それを知った恋人から別れを告げられる。
それでも隼人は現代に戻ってきて、生きられることに感謝する。
次の仕事を見つけて、新しい生活を始めようと前向きになった矢先、とある人物が部屋を訪ねてくる。
その人物とは、異世界で戦友だった者の名を口にする女子高生だった。
「ハヤト様。私たちの世界を救ってくれて、本当にありがとう。今度は、私たちがあなたのことを幸せにします!」
※カクヨムにも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる