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勉強しました その4

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神族だから当たり前。

これは、この先の神族の一族のなかで生活していくだろう兎獣人の私がしっかりと覚えなければいけない事なのです。
ぜん様の奥さんが、神族の事を知るように言ったのもこの当たり前の事を私に覚えさせる為なのでしょうから。


組織図みたいな一族の役割図については前世である一般的な会社員の経験があった為、大まかな仕事の役割は何とか把握できました。
確認するごとに理解しては学さんが撫でて、褒めてくれました。ニッコリ。

簡単に云えば、全体を管理する総務と商業、工業、農業の産業系と土地やお金を管理する財政系の3つが神族の各家族ごとに細かく枝分かれされており、細かな役割も説明されたけど、(前世にもあったなぁ)と思い出すのでまぁ、問題はないようですね…。
学さんも細かな所は必要な時に覚えればよいと確認した時に話していましたし…。

で、肝心な「生きてるの?」発言ですが…

神族って寿命が長いどころか無いに等しい種族らしい…。

一族図の全様ぜんさまより上の方達は生きるのに飽きたから「寝ている」という…寝続けていつの間にか天寿を迎えるらしい…。「らしい」というのもまだ、全様と学さんも天寿を迎えた方を視たことが無いそうで…その説明を聞いて凄いぜ神族!寝ながら天寿なんて羨ましい!と騒がなかった私を褒めてください。

驚いて立ち上がった耳の後ろを撫でながら説明してくれた学さんが

「獣人族の寿命はだいたい80年ぐらいで血縁が三代、顔を会わせれば長生きらしいからなぁ…。」

照美お姉ちゃんと、海お兄ちゃんと、大地お兄ちゃんも

「えー、そうなんだ~。」

「僕たち、神族は獣人族からみたら長生きどころじゃないんですね~。」

「驚くことなんだな。」

というかですね…たぶん、別種族の方達も知らなかった事じゃないかと思うのですよ…その事を伝えると

「・・・・・・・・・・・・・。」

「え~っ、そうなの?じゃあ、同じ人なのに『はじめまして』?」

「まぬけだね。」

「まぬけだな。」

アララ、学さんが頭を抱えてしまいました…。

(そうだったのか…云われてみれば…と、いうことは…)

膝に乗せてもらっているため、頭を抱えた学さんがぶつぶつ言い始めて…よ~く、聞こえます。

(他種族とのつながりが数年ごとに潰れるのは…此が原因だったのか…?全兄に伝えねば…。)






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