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10歳〜アストレカ大陸編【旅芸人と負の遺産】
発端はあの神ですか!?
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ネルマを治療した時間帯が夕方ということもあり、私達はクディッチス家本邸で宿泊することになった。学校側には、事前に通達しているので問題ない。崩壊したネルマの部屋に関しては、後日修繕が施されるため、お不釣り合いな応急処置のせいもあって、当面の間本邸全体が目立ってしまうだろう。社交界などでは格好のネタとして騒がれるけど、私とフレヤが絡んでいるため、他の貴族達も執拗に追求してこないと思う。ダナンザ様とロザレーヌ様が上手く撒いてくれるんじゃないかな。
クディッチス本邸には、4人部屋の客室が1部屋あるらしく、私・フレヤ・ネルマの3人がその部屋で寝泊まりすることになる。
……ここはその客室である。
夕食の用意が整うまで、私とフレヤは15分程寛いでいたのだけど、ここへと近づく少し乱暴な足音を聞きつけたことで、安寧が終わることを察知した。
そして、足跡の主人でもあるネルマがノックもなく部屋内へと侵入し、ソファーで寛ぐ私をロックオンした瞬間、いきなり私の胸に抱きついてきた。
「シャーロット様~たずげて~~~。お母様が子爵令嬢としての教育を再開するって~~~」
あ、やっぱり言われたのね。
「それは仕方ないことだよ。私だって、ハーモニック大陸から帰還して以降、ず~っと公爵令嬢としての再教育を施されてきたから」
「そんな窮屈な生活、楽しくないです! 私も我慢して、ず~っとお淑やかさを演じてきましたけど我慢できません!」
アーバンから聞いていた性格全てが演技だったのね。病気になったことで、演技すること自体を放棄したのか。
「ネルマ、そこは使い分ければいいよ」
「へ? どういうことですか?」
私の言葉に、ネルマがキョトンとする。私自身、素の性格と公爵令嬢としての自分に結構悩んだ時期もあったから、彼女の気持ちもわかる。
「公式の場では子爵令嬢としてのネルマ、家族や親しい友人の場では本来の自分を出せばいい。ただし、家族や友人の場であってもある程度の礼節を重んじないとダメ。私も学園では使い分けているからね。お父様やお母様とも、きちんと話し合ったことで最終的には許してくれたよ。ネルマも、まずはきちんと自分の気持ちを家族に伝えること。これも遊びだと思って行動すれば、結構面白いよ」
私の言葉が響いたのか、ネルマの目が輝き出す。
「なるほど! そう考えて行動すれば面白いですよね! 早速、話し合ってきます!」
「あ」
行ってしまった。行動力があり過ぎる。
「シャーロット、そんな軽はずみな発言をしていいの?」
フレヤも、あの行動力を見てか心配している。
「あの子、私と少し似ているの。貴族としての解決方法は逆効果で、本当に病んでしまうかもしれない。まずは、本来の自分を家族に見てもらうことが大事。そこから先は、家族で相談していけばいい」
軽はずみな発言だと思われがちだけど、本来の自分を閉じ込めたまま、月日が経過してしまうと、余計拗れてしまう。開放された今のうちに、話し合っておくべき案件だ。
「あの子の感情を下手に抑えこもうとせず、本当の自分を家族に話し相談し合う……か。私もそうしておけば、違った未来があったかもしれない」
フレヤは昔を思い出したのか、少し遠い目をしている。
「今のフレヤなら、あの子の抱える悩みもわかるでしょ?」
「ええ、わかるわ。シャーロットの意見が正解なことも」
1時間程経過してから、再びネルマがやってきたのだけど、先程の顔色とは違い、自分の悩みを全て打ち明けたからなのか、爽快な表情をしていた。話を聞くと、私の意見を参考に入れ、子爵令嬢としての再教育が施されるようになったとのこと。ダナンザ様もロザレーヌ様も、自分の娘の抱えているものに気づいてくれたんだね。
その後、私達はクディッチス一家と夕食を食べ、ネルマの今後のことで話し合う。フレヤとネルマと一緒にお風呂に入り、楽しく談笑しながら日頃の疲れを癒し就寝することとなった。
…………あれ?
ここは? ガーランド様と会談する部屋だよね?
就寝したことで、ミスラテル様に呼ばれたのかな?
「シャーロット、その通りです。あなたの隣には、コウヤもいますよ」
ミスラテル様が私の対面に、コウヤ先生が私の左隣に唐突に現れた。
毎回こんな感じだから、もう慣れたよ。
「丁度良かったです。報告したいことがあったので」
「ネルマの件ですね。私も見ていたので、既にコウヤに伝えてあります」
おお、手間が省ける!
「あの【ミスマッチスキル】、負の遺産ですか?」
ミスラテル様が眉間に皺を寄せる。
もう、その反応だけでわかります。
「ええ、あれも神繋がりの【負の遺産】です」
神繋がり?
「私自身がネルマのステータスを確認しました。あの後、HP自動回復スキルを持つ他の所持者達を調査しましたが、あのミスマッチはネルマだけです」
どうして、あの事象がネルマだけに起きるの?
「コウヤ先生は、【ミスマッチスキル所持者】にお会いしたことはありますか?」
先生は、首を横に降る。
「いや、ない。私もミスラテル様に聞き、心底驚いている。そもそも、神が特定の人間に対して、そんなミスマッチスキルを与えること自体奇妙に思える」
そこだよ!
ガーランド様が、当時5歳のネルマ個人に恨みを持つとは考えにくい。
「現在、ミスマッチスキル所持者については精霊と共に急ピッチで捜索しており、これまでのところ、竜人族の男56歳、エルフの女性128歳、魔鬼族の女性21歳、計3名を発見しています。ミスマッチとして、【魔力感知】が槍術スキルの【乱れ突き】へ、【足捌き】が体術スキルの【パイルドライバー】へ、【気配察知】がツッコミスキルの【スリッパ】へと変質していました」
なによ、そのミスマッチ?
そもそも、特定の個人にあること自体がおかしい。
「何か手掛かりとなるものは見つかりましたか?」
私との問いに、ミスラテル様は静かに答えてくれた。
「1つだけ共通点があります。ネルマを含めた4名のミスマッチスキルの発生時期が、厄浄禍津金剛がガーランドのシステムにハッキングしていた時期と重なっています」
それ、どう考えても厄ちゃんが犯人だよね?
「ここまでの情報で、1つの仮説を考えました。厄浄禍津金剛がシステムを弄るたびに、何らかの小さなバグが発生した。システムがそういったものを完全に削除しきれなかったため、バグ自体がミスマッチスキルを誘発させた。厄浄禍津金剛討伐後、ガーランドがシステムの外部と内部を再調整したことで、現在バグ自体は残っていませんが、彼はこういったミスマッチスキルに気づかず、現在まで放置されてきた」
その仮説、当たっているかも!?
《スキルの名称と効果の異なるミスマッチ》、特定の個人だけに起きているから、ガーランド様でも気づけなかったんだ。
「ミスラテル様、私やシャーロットでは、世界中に散らばるミスマッチスキル所持者を見つけるのは困難でしょう。申し訳ありませんが、そちらに関しては引き続き捜索と対処をお願いしても宜しいでしょうか?」
コウヤ先生の言う通り、私達ではその場にいない限り対処できない。かなり大変な作業だけど、ミスラテル様と精霊様に頑張ってもらうしかない。
「ええ、【ミスマッチスキル】に関しては私と精霊で対処します。発見さえ出来れば、私でも対処可能ですから、シャーロットとコウヤは何も心配することはありません。また、新たに発見したミスマッチスキル所持者3名についても、既に正常なものへと変更していますし、お詫びとして《【魔力感知】と【乱れ突き】》、《【足捌き】と【パイルドライバー】》、《【気配察知】と【スリッパ】》を各個人に対し、レベル10で贈呈しています。ネルマに関しては、【遠隔手動射撃】もありますから【ライフドレインLv3】を与えています」
それを聞いて一安心だよ。
ただ……
ツッコミスキル【スリッパ】
1)【ハリセン】スキルと同じく、相手を叩くことで【鎮静効果】を示す。
使用するタイミングによって、怒りが激増するので要注意。
2)複数人と話し合っている際、ボケた相手に対しスリッパで身体の一部を叩くことで、【周囲への笑い度】が上昇し、険悪した雰囲気を緩和させることができる。
《スキルレベルが高くなる程、効果を発揮しやすい》
これって別にいらないよね?
ガーランド様がおふざけで制作したスキルだけど、ハリセン以外に存在していたのね。
【ミスマッチスキル】の原因は、間違いなく厄ちゃんのハッキングによるものだろう。神として存在を抹消されているにも関わらず、まだ私達に迷惑をかけるとは。
厄ちゃんが転生して2年か、現在2歳になるんだね。
私の罰で性格も変化しちゃっているから、きちんと生活できているかが心配かな。
厄ちゃんのことは忘れて、今出来ることをやろう。
「シャーロット、今回はオーキスの手柄です。あの子とアーバンが接触していなければ、この【ミスマッチスキル】を発見できなかったでしょう。この件についての善行度を、称号【勇者】に組み込んでおきました。後程、私からもオーキスに御礼を言っておきます」
アーバンは、私とフレヤに話すことを躊躇っていたもんね。オーキスも、この善行により【勇者】としてのレベルが上がったかもしれない。
とりあえず、【ミスマッチスキル】に関してはミスラテル様と精霊様に任せることになるから、ほぼ解決したと言ってもいいだろう。
「シャーロット、コウヤ、【春蘭祭】が終了するまで気を抜かないように。コウヤはあの件をもう知っていますが、王都近辺にて何かが蠢いているようです」
あの件?
「シャーロット、明日の午前中のうちに、フレヤとオーキスを連れて学園に戻って来なさい」
コウヤ先生、突然何を言うの?
あ、先生の顔が険しいものとなっている。
「学園内で、何か起きたんですか?」
何らかの事故が発生したのなら、急いで戻らないといけない。
数秒後、コウヤ先生がゆっくりと口を開く。
それは、私にとっても衝撃的内容だった。
「隣のクラスに在籍する獣人の《ミーシャ・マードック》が喫茶店で暴れたため、治安ギルドの騎士に拘束された」
え、あのミーシャが拘束!
あの子の身に何が起きたの!?
クディッチス本邸には、4人部屋の客室が1部屋あるらしく、私・フレヤ・ネルマの3人がその部屋で寝泊まりすることになる。
……ここはその客室である。
夕食の用意が整うまで、私とフレヤは15分程寛いでいたのだけど、ここへと近づく少し乱暴な足音を聞きつけたことで、安寧が終わることを察知した。
そして、足跡の主人でもあるネルマがノックもなく部屋内へと侵入し、ソファーで寛ぐ私をロックオンした瞬間、いきなり私の胸に抱きついてきた。
「シャーロット様~たずげて~~~。お母様が子爵令嬢としての教育を再開するって~~~」
あ、やっぱり言われたのね。
「それは仕方ないことだよ。私だって、ハーモニック大陸から帰還して以降、ず~っと公爵令嬢としての再教育を施されてきたから」
「そんな窮屈な生活、楽しくないです! 私も我慢して、ず~っとお淑やかさを演じてきましたけど我慢できません!」
アーバンから聞いていた性格全てが演技だったのね。病気になったことで、演技すること自体を放棄したのか。
「ネルマ、そこは使い分ければいいよ」
「へ? どういうことですか?」
私の言葉に、ネルマがキョトンとする。私自身、素の性格と公爵令嬢としての自分に結構悩んだ時期もあったから、彼女の気持ちもわかる。
「公式の場では子爵令嬢としてのネルマ、家族や親しい友人の場では本来の自分を出せばいい。ただし、家族や友人の場であってもある程度の礼節を重んじないとダメ。私も学園では使い分けているからね。お父様やお母様とも、きちんと話し合ったことで最終的には許してくれたよ。ネルマも、まずはきちんと自分の気持ちを家族に伝えること。これも遊びだと思って行動すれば、結構面白いよ」
私の言葉が響いたのか、ネルマの目が輝き出す。
「なるほど! そう考えて行動すれば面白いですよね! 早速、話し合ってきます!」
「あ」
行ってしまった。行動力があり過ぎる。
「シャーロット、そんな軽はずみな発言をしていいの?」
フレヤも、あの行動力を見てか心配している。
「あの子、私と少し似ているの。貴族としての解決方法は逆効果で、本当に病んでしまうかもしれない。まずは、本来の自分を家族に見てもらうことが大事。そこから先は、家族で相談していけばいい」
軽はずみな発言だと思われがちだけど、本来の自分を閉じ込めたまま、月日が経過してしまうと、余計拗れてしまう。開放された今のうちに、話し合っておくべき案件だ。
「あの子の感情を下手に抑えこもうとせず、本当の自分を家族に話し相談し合う……か。私もそうしておけば、違った未来があったかもしれない」
フレヤは昔を思い出したのか、少し遠い目をしている。
「今のフレヤなら、あの子の抱える悩みもわかるでしょ?」
「ええ、わかるわ。シャーロットの意見が正解なことも」
1時間程経過してから、再びネルマがやってきたのだけど、先程の顔色とは違い、自分の悩みを全て打ち明けたからなのか、爽快な表情をしていた。話を聞くと、私の意見を参考に入れ、子爵令嬢としての再教育が施されるようになったとのこと。ダナンザ様もロザレーヌ様も、自分の娘の抱えているものに気づいてくれたんだね。
その後、私達はクディッチス一家と夕食を食べ、ネルマの今後のことで話し合う。フレヤとネルマと一緒にお風呂に入り、楽しく談笑しながら日頃の疲れを癒し就寝することとなった。
…………あれ?
ここは? ガーランド様と会談する部屋だよね?
就寝したことで、ミスラテル様に呼ばれたのかな?
「シャーロット、その通りです。あなたの隣には、コウヤもいますよ」
ミスラテル様が私の対面に、コウヤ先生が私の左隣に唐突に現れた。
毎回こんな感じだから、もう慣れたよ。
「丁度良かったです。報告したいことがあったので」
「ネルマの件ですね。私も見ていたので、既にコウヤに伝えてあります」
おお、手間が省ける!
「あの【ミスマッチスキル】、負の遺産ですか?」
ミスラテル様が眉間に皺を寄せる。
もう、その反応だけでわかります。
「ええ、あれも神繋がりの【負の遺産】です」
神繋がり?
「私自身がネルマのステータスを確認しました。あの後、HP自動回復スキルを持つ他の所持者達を調査しましたが、あのミスマッチはネルマだけです」
どうして、あの事象がネルマだけに起きるの?
「コウヤ先生は、【ミスマッチスキル所持者】にお会いしたことはありますか?」
先生は、首を横に降る。
「いや、ない。私もミスラテル様に聞き、心底驚いている。そもそも、神が特定の人間に対して、そんなミスマッチスキルを与えること自体奇妙に思える」
そこだよ!
ガーランド様が、当時5歳のネルマ個人に恨みを持つとは考えにくい。
「現在、ミスマッチスキル所持者については精霊と共に急ピッチで捜索しており、これまでのところ、竜人族の男56歳、エルフの女性128歳、魔鬼族の女性21歳、計3名を発見しています。ミスマッチとして、【魔力感知】が槍術スキルの【乱れ突き】へ、【足捌き】が体術スキルの【パイルドライバー】へ、【気配察知】がツッコミスキルの【スリッパ】へと変質していました」
なによ、そのミスマッチ?
そもそも、特定の個人にあること自体がおかしい。
「何か手掛かりとなるものは見つかりましたか?」
私との問いに、ミスラテル様は静かに答えてくれた。
「1つだけ共通点があります。ネルマを含めた4名のミスマッチスキルの発生時期が、厄浄禍津金剛がガーランドのシステムにハッキングしていた時期と重なっています」
それ、どう考えても厄ちゃんが犯人だよね?
「ここまでの情報で、1つの仮説を考えました。厄浄禍津金剛がシステムを弄るたびに、何らかの小さなバグが発生した。システムがそういったものを完全に削除しきれなかったため、バグ自体がミスマッチスキルを誘発させた。厄浄禍津金剛討伐後、ガーランドがシステムの外部と内部を再調整したことで、現在バグ自体は残っていませんが、彼はこういったミスマッチスキルに気づかず、現在まで放置されてきた」
その仮説、当たっているかも!?
《スキルの名称と効果の異なるミスマッチ》、特定の個人だけに起きているから、ガーランド様でも気づけなかったんだ。
「ミスラテル様、私やシャーロットでは、世界中に散らばるミスマッチスキル所持者を見つけるのは困難でしょう。申し訳ありませんが、そちらに関しては引き続き捜索と対処をお願いしても宜しいでしょうか?」
コウヤ先生の言う通り、私達ではその場にいない限り対処できない。かなり大変な作業だけど、ミスラテル様と精霊様に頑張ってもらうしかない。
「ええ、【ミスマッチスキル】に関しては私と精霊で対処します。発見さえ出来れば、私でも対処可能ですから、シャーロットとコウヤは何も心配することはありません。また、新たに発見したミスマッチスキル所持者3名についても、既に正常なものへと変更していますし、お詫びとして《【魔力感知】と【乱れ突き】》、《【足捌き】と【パイルドライバー】》、《【気配察知】と【スリッパ】》を各個人に対し、レベル10で贈呈しています。ネルマに関しては、【遠隔手動射撃】もありますから【ライフドレインLv3】を与えています」
それを聞いて一安心だよ。
ただ……
ツッコミスキル【スリッパ】
1)【ハリセン】スキルと同じく、相手を叩くことで【鎮静効果】を示す。
使用するタイミングによって、怒りが激増するので要注意。
2)複数人と話し合っている際、ボケた相手に対しスリッパで身体の一部を叩くことで、【周囲への笑い度】が上昇し、険悪した雰囲気を緩和させることができる。
《スキルレベルが高くなる程、効果を発揮しやすい》
これって別にいらないよね?
ガーランド様がおふざけで制作したスキルだけど、ハリセン以外に存在していたのね。
【ミスマッチスキル】の原因は、間違いなく厄ちゃんのハッキングによるものだろう。神として存在を抹消されているにも関わらず、まだ私達に迷惑をかけるとは。
厄ちゃんが転生して2年か、現在2歳になるんだね。
私の罰で性格も変化しちゃっているから、きちんと生活できているかが心配かな。
厄ちゃんのことは忘れて、今出来ることをやろう。
「シャーロット、今回はオーキスの手柄です。あの子とアーバンが接触していなければ、この【ミスマッチスキル】を発見できなかったでしょう。この件についての善行度を、称号【勇者】に組み込んでおきました。後程、私からもオーキスに御礼を言っておきます」
アーバンは、私とフレヤに話すことを躊躇っていたもんね。オーキスも、この善行により【勇者】としてのレベルが上がったかもしれない。
とりあえず、【ミスマッチスキル】に関してはミスラテル様と精霊様に任せることになるから、ほぼ解決したと言ってもいいだろう。
「シャーロット、コウヤ、【春蘭祭】が終了するまで気を抜かないように。コウヤはあの件をもう知っていますが、王都近辺にて何かが蠢いているようです」
あの件?
「シャーロット、明日の午前中のうちに、フレヤとオーキスを連れて学園に戻って来なさい」
コウヤ先生、突然何を言うの?
あ、先生の顔が険しいものとなっている。
「学園内で、何か起きたんですか?」
何らかの事故が発生したのなら、急いで戻らないといけない。
数秒後、コウヤ先生がゆっくりと口を開く。
それは、私にとっても衝撃的内容だった。
「隣のクラスに在籍する獣人の《ミーシャ・マードック》が喫茶店で暴れたため、治安ギルドの騎士に拘束された」
え、あのミーシャが拘束!
あの子の身に何が起きたの!?
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