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3章 異世界交流
30話 新たなスキル
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ペロチュールの試食会終了後、私たちはアマンガムさんの馬車に乗せてもらい、リットを定食屋ガブリで下ろした後、ベイツさんの家へ送ってもらった。その後、ルウリは急用ができたようで、何処かへ飛び去っていった。
そして現在、私はベイツさんの家のリビングのテーブルにて、アマンガムさんから言われた言葉にショックを受け打ちひしがれています。
私の求めるものは、アクリルやガラスを用いた透明な板で猫専用散歩道【キャットウォーク】を作ること。猫が天井近くの散歩道や壁伝いを優雅に歩いているところを、お客さんはテーブルやソファーでくつろぎながら、顔を上へ傾け、滅多に見られない猫の可愛いお腹や肉球を見て癒されほっこりする。普段の視点とは、真逆の位置から猫を拝めるので、かなり好奇心もくすぐられる。これがあるとないとで、客足もかなり変わってくると思う。
試食会終了後、私たちは彼の馬車に乗り、帰り道の道中で私の望むキャットウォークを作れない原因を聞いた。
まさか、あんな理由で作れないなんて、夢にも思わなかった。
【アクリルのような軽量で頑丈かつ安価な材質が、この世に存在しない】
【ガラスだと強度的に問題あるらしく、こちらも却下】
材料自体が存在しない以上、透明な【キャットウォーク】に関しては諦めるしかない。木材で代用すれば、猫たちの満足するものは作れるからいいんだけど、それだと私が納得できない。
「咲耶、そこまでガッカリする必要はありませんよ。別に透明でなくとも、我々は遊べるのですから」
「フリードたち猫側はそれでいいかもだけど、人間側の私としては納得できないの」
背丈の関係上、どうしても人は猫を見下ろしてしまう。だから、この世界の人たちは見上げた視点から見える猫を殆ど見たことがないはずだ。
「咲耶、下から猫を見る行為ができないだけだろ? それだけで、ショックを受けることはないんじゃないか?」
ユウキが言ったように、リットも馬車の中で同じことを言ったわ。一見、それがどうしたと思うことかもしれないけれど、私自身が経験しているからわかるのよ。人が見上げた時に見える猫たちの風景、視点が違うだけで、こうも印象が変わるのかと感動したもの。
「こればっかりは、完成したものを見てもらわないと、この世界の誰にも理解してもらえないと思う」
材料がない以上、作り出すしかないのだけど、私にはそんな能力がないし、専門知識を持つ人への伝手もない。
う~、諦めるしかないのかな~。
「え?」
私がテーブルに項垂れていると、突然目の前にステータス画面が出現した。
「咲耶、どうした?」
「急に、ステータス画面が出現したの。私、何もしていないのに、なんでだろ?」
「もしかしたら、新たなスキルを入手したのかもしれない。魔法と違い、スキルはその時の経験で、突然目覚めたりするんだ。私の[同調]が、そうだな」
新しいスキル?
どんなものを入手したのかな?
早速、確認してみよう。
スキル【異世界交流】
相手が何処にいようとも、交信が可能となる。
ただし、交信相手は異世界にいる1人のみ。
タブレットを使い、相手を選択後、メッセージと写真の送受信が可能となる。
なお、一度相手を指名すると、変更はできないので注意すること。
「ええ!?」
「どうしたんだ、そんな大きな声を出して?」
とんでもないスキルのせいで、大声を出してしまった
「そうですよ。どんなスキルを入手したのです?」
ここにいるのはユウキとフリードだけだから、今見た内容を説明しよう。
「入手したのはスキル[異世界交流]、異世界にいる1人だけと交流を図れることが可能みたい。異世界交流のレベルが上がれば、文字だけでなく、写真とかも送れるんだって」
あまりの驚きで、ユウキもフリードも絶句しているわ。
「いやはや、驚きですよ。スキルというものは、自身の技術、経験、素質から生まれるのですが、咲耶のこれまでの経験を踏まえれば納得ですよ」
これって、転生してから異世界でもある地球に行けた経験が活きているのかな? でも、異世界にいる1人だけの交流となると、誰を指名するかが問題だよ。
「異世界の誰かとなると、やっぱり咲耶の家族の誰かだろ? やっぱり、ここは両親を指名するのが良いんじゃないか?」
う~ん、ユウキの言う様に、普通なら両親だけど、指名できるのは1人だけだから、そんな安易に決められない。
・お父さんはゲーム会社で働いているので、通信できるのは夜以降。
・お母さんは家にいるけど、小説家として活動しているから、頻繁にパソコンを弄っているけど、家の掃除とかを考えると、私のメールが届いても気付くのが遅れると思う。
・悠太は高校3年生、大学受験とバイトで超忙しい日々を送っている。私の一番の理解者でもあるから、弟と交流を図れば、彼は忙しい状態であっても、私に返信してくれると思う。でも、裕太の場合、自分のことより私のことを第一に考えそうで怖い。
・光希は小学1年生、家族の中で最も自由時間が多く、異世界のことをよく理解していないけど、幼稚園で5歳の頃からタブレットPCを習っているので、異世界関係の小説を読んでくれていれば、話も合うと思う。
「決めた!!」
今後、ず~~~っと連絡できる相手で、異世界の良き理解者になってもらう人、それは……。
私が名を告げると、ユウキもフリードも驚き、反対の声があがった。
そして現在、私はベイツさんの家のリビングのテーブルにて、アマンガムさんから言われた言葉にショックを受け打ちひしがれています。
私の求めるものは、アクリルやガラスを用いた透明な板で猫専用散歩道【キャットウォーク】を作ること。猫が天井近くの散歩道や壁伝いを優雅に歩いているところを、お客さんはテーブルやソファーでくつろぎながら、顔を上へ傾け、滅多に見られない猫の可愛いお腹や肉球を見て癒されほっこりする。普段の視点とは、真逆の位置から猫を拝めるので、かなり好奇心もくすぐられる。これがあるとないとで、客足もかなり変わってくると思う。
試食会終了後、私たちは彼の馬車に乗り、帰り道の道中で私の望むキャットウォークを作れない原因を聞いた。
まさか、あんな理由で作れないなんて、夢にも思わなかった。
【アクリルのような軽量で頑丈かつ安価な材質が、この世に存在しない】
【ガラスだと強度的に問題あるらしく、こちらも却下】
材料自体が存在しない以上、透明な【キャットウォーク】に関しては諦めるしかない。木材で代用すれば、猫たちの満足するものは作れるからいいんだけど、それだと私が納得できない。
「咲耶、そこまでガッカリする必要はありませんよ。別に透明でなくとも、我々は遊べるのですから」
「フリードたち猫側はそれでいいかもだけど、人間側の私としては納得できないの」
背丈の関係上、どうしても人は猫を見下ろしてしまう。だから、この世界の人たちは見上げた視点から見える猫を殆ど見たことがないはずだ。
「咲耶、下から猫を見る行為ができないだけだろ? それだけで、ショックを受けることはないんじゃないか?」
ユウキが言ったように、リットも馬車の中で同じことを言ったわ。一見、それがどうしたと思うことかもしれないけれど、私自身が経験しているからわかるのよ。人が見上げた時に見える猫たちの風景、視点が違うだけで、こうも印象が変わるのかと感動したもの。
「こればっかりは、完成したものを見てもらわないと、この世界の誰にも理解してもらえないと思う」
材料がない以上、作り出すしかないのだけど、私にはそんな能力がないし、専門知識を持つ人への伝手もない。
う~、諦めるしかないのかな~。
「え?」
私がテーブルに項垂れていると、突然目の前にステータス画面が出現した。
「咲耶、どうした?」
「急に、ステータス画面が出現したの。私、何もしていないのに、なんでだろ?」
「もしかしたら、新たなスキルを入手したのかもしれない。魔法と違い、スキルはその時の経験で、突然目覚めたりするんだ。私の[同調]が、そうだな」
新しいスキル?
どんなものを入手したのかな?
早速、確認してみよう。
スキル【異世界交流】
相手が何処にいようとも、交信が可能となる。
ただし、交信相手は異世界にいる1人のみ。
タブレットを使い、相手を選択後、メッセージと写真の送受信が可能となる。
なお、一度相手を指名すると、変更はできないので注意すること。
「ええ!?」
「どうしたんだ、そんな大きな声を出して?」
とんでもないスキルのせいで、大声を出してしまった
「そうですよ。どんなスキルを入手したのです?」
ここにいるのはユウキとフリードだけだから、今見た内容を説明しよう。
「入手したのはスキル[異世界交流]、異世界にいる1人だけと交流を図れることが可能みたい。異世界交流のレベルが上がれば、文字だけでなく、写真とかも送れるんだって」
あまりの驚きで、ユウキもフリードも絶句しているわ。
「いやはや、驚きですよ。スキルというものは、自身の技術、経験、素質から生まれるのですが、咲耶のこれまでの経験を踏まえれば納得ですよ」
これって、転生してから異世界でもある地球に行けた経験が活きているのかな? でも、異世界にいる1人だけの交流となると、誰を指名するかが問題だよ。
「異世界の誰かとなると、やっぱり咲耶の家族の誰かだろ? やっぱり、ここは両親を指名するのが良いんじゃないか?」
う~ん、ユウキの言う様に、普通なら両親だけど、指名できるのは1人だけだから、そんな安易に決められない。
・お父さんはゲーム会社で働いているので、通信できるのは夜以降。
・お母さんは家にいるけど、小説家として活動しているから、頻繁にパソコンを弄っているけど、家の掃除とかを考えると、私のメールが届いても気付くのが遅れると思う。
・悠太は高校3年生、大学受験とバイトで超忙しい日々を送っている。私の一番の理解者でもあるから、弟と交流を図れば、彼は忙しい状態であっても、私に返信してくれると思う。でも、裕太の場合、自分のことより私のことを第一に考えそうで怖い。
・光希は小学1年生、家族の中で最も自由時間が多く、異世界のことをよく理解していないけど、幼稚園で5歳の頃からタブレットPCを習っているので、異世界関係の小説を読んでくれていれば、話も合うと思う。
「決めた!!」
今後、ず~~~っと連絡できる相手で、異世界の良き理解者になってもらう人、それは……。
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