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4話 カード戦士、隠れ家へ帰る
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ここは…スラム街にある俺の隠れ家か。
もう…朝なのか?
ロゼストからパーティー追放を宣言された後、俺はどうしたんだっけ?
え~と…荒ぶる心を落ち着かせてからゲストルームを出て一階へ下りた。そこには冒険者達で賑わういつもと変わらない光景があった…はずのだが、追放された影響からか、俺は妙に周囲の視線が気になり、その場に留まることが居た堪れなくなって、すぐに冒険者ギルドを出たんだ。
《もしかしたら、ロゼスト達が俺のことを言いふらしているのでは?》
《皆、心の中では俺を馬鹿にして嘲笑しているのでは?》
俺の思い過ごしだと思うけど、どうしてもそう邪推してしまう。
そして、もう一つ驚いたのが、俺達《フェンリルの牙》の拠点となる寝ぐらだ。スラム街の東地区にある誰も使用されていない建物を利用しているのだが、元々廃墟だったこともあり、ゴミ捨て場から廃棄用の家具類や食器類やドアなどを勝手に拝借して、俺達四人は各自の部屋を作った。
あいつらの部屋をどうしようかと思い立ち寄ってみると、三人の部屋が綺麗に掃除されていたんだ。食器類の一部も無くなっていたが、家具類は健在であるため、そのまま誰かが住むことも可能だ。事前に、あいつらはここを出る計画を立てていたようだ。俺だけ知らされていなかったから、余計ショックを受けたんだよ。
その後、俺はスラムの子供達に、三人が去ったことを伝えると、どうやら全員が既に知っていたようで、泣く者はいなかった。ロゼストとミゼラガの二人は職業をもらって以降、子供達への態度に尊大さを示していたようで、かなり嫌われていたようだ。唯一、バウスだけは謙虚さを保っていたこともあり、子供達も少し悲しがっていた。皆が追放された俺を慰めてくれたのだけど、内心複雑だった。色々な意味で疲れた事もあり、そのまま寝ぐらへとかえったのだが、そこから記憶がない。どうやら、精神的に疲れてしまい寝入った…てところか?
「頭がぼ~っとする。時間は…早朝の七時か。十六時間近く眠れば、そりゃあぼ~っとするわな」
自分の故郷とも言えるスラム街に一日中いたことで、俺の心はいつの間にか平穏を取り戻している。追放宣言時、ロゼストとミゼラガは、人を小馬鹿にしたような表情を俺に向けていた。あれは、俺を完全に見下している目だ。
俺の力は三人と違い、特に秀でたものはなく、全てが平凡だ。だから、皆の役に立てるよう、死亡する危険性の高い《偵察》《陽動》といった任務を自分から志願して、これまで生きてきた。かなりの数をこなしたはずなのに、得られたスキルは、全く無関係の《カード化》と《カードガチャ》。
この二つのスキルをまだ検証していないものの、女神様(多分)が授けてくれたのだから、効果は本物だろう。ただ、剣術などのスキルを何一つ貰えなかったという事象は、俺にとってかなりショックだ。『あなたには、そういった才能はありません』と、女神様から宣言されているように感じてしまう。
まあ、いつまでもグチグチと考えていても仕方ない。
俺も自分の将来を見据え、次の行動に移そう。
俺はスキルの説明欄を再度確認しようと思い、ステータス画面を開く。
「あれ? 《カードガチャ》が赤く点滅しているぞ?」
妙に気になるので、点滅箇所をタップすると、何やら説明欄が表示された。
《カードガチャ》
本日分が更新されました。
初回特典も合わせて合計六回、ガチャが使用可能です。
使用しますか? はい/いいえ
ガチャって、雑貨店などで見かける小型器具の取手を右に回すと出てくるカプセルしか思い浮かばないんだが? カプセル内に紙が入っていて、何らかの商品が記載されており、その紙を店の店員に渡せば、商品自体を貰える仕組みだったはず。銀貨一枚、銀貨三枚、金貨一枚の三タイプあって、【銀三ガチャ】ともなると、ミスリル製の武器防具などが記載されている《大当たり》が入っていることもあるとか。
これも、そういった類なのか? 昨日見た限り、初回特典が五回分あったから、今日の分と合わせて六回分ということか。
「そういえば、このカードガチャは、どういったタイプのガチャなんだ? ここまでの説明欄には、何も書かれていなかったな。ここなら誰もいないし、試しにやってみるか」
俺が《はい》をタップすると、新たな文章が現れる。
『ガチャのタイプを選んでください』
「タイプ? うお、なんか出てきた!」
1) 武器・防具系カード 【スロット】
2) 料理系カード 【くじ引き】
3) 補助・移動系カード 【カードデル(ルーレット付:当たりが出たらもう一回)】
4) 魔法系・天罰系カード 【神経衰弱(十二枚):チャンスは二回】
5) 攻撃系・防御系カード 【ガラガラ】
部屋の床に、五種類の《ガチャ》が現れたぞ!?
《スロット》《くじ引き》《神経衰弱》《ガラガラ》なら俺もわかるけど、《カードデル》って何だ?
長方形の中身の見えない箱、側面には丸いレバーらしきものがあり、正面には円形の絵が描かれている。中心に時計の長針のようなものが設置され、円周部にはハズレとアタリが交互に刻まれている。
「あの丸いレバーを回したら、カードが出てくるってことかな?」
系統の異なるカード、異なるタイプのガチャ、なんか面白そうだな。
あいつらのことなんか一刻も早く忘れたいところだし、気晴らしにやってみるか。
もう…朝なのか?
ロゼストからパーティー追放を宣言された後、俺はどうしたんだっけ?
え~と…荒ぶる心を落ち着かせてからゲストルームを出て一階へ下りた。そこには冒険者達で賑わういつもと変わらない光景があった…はずのだが、追放された影響からか、俺は妙に周囲の視線が気になり、その場に留まることが居た堪れなくなって、すぐに冒険者ギルドを出たんだ。
《もしかしたら、ロゼスト達が俺のことを言いふらしているのでは?》
《皆、心の中では俺を馬鹿にして嘲笑しているのでは?》
俺の思い過ごしだと思うけど、どうしてもそう邪推してしまう。
そして、もう一つ驚いたのが、俺達《フェンリルの牙》の拠点となる寝ぐらだ。スラム街の東地区にある誰も使用されていない建物を利用しているのだが、元々廃墟だったこともあり、ゴミ捨て場から廃棄用の家具類や食器類やドアなどを勝手に拝借して、俺達四人は各自の部屋を作った。
あいつらの部屋をどうしようかと思い立ち寄ってみると、三人の部屋が綺麗に掃除されていたんだ。食器類の一部も無くなっていたが、家具類は健在であるため、そのまま誰かが住むことも可能だ。事前に、あいつらはここを出る計画を立てていたようだ。俺だけ知らされていなかったから、余計ショックを受けたんだよ。
その後、俺はスラムの子供達に、三人が去ったことを伝えると、どうやら全員が既に知っていたようで、泣く者はいなかった。ロゼストとミゼラガの二人は職業をもらって以降、子供達への態度に尊大さを示していたようで、かなり嫌われていたようだ。唯一、バウスだけは謙虚さを保っていたこともあり、子供達も少し悲しがっていた。皆が追放された俺を慰めてくれたのだけど、内心複雑だった。色々な意味で疲れた事もあり、そのまま寝ぐらへとかえったのだが、そこから記憶がない。どうやら、精神的に疲れてしまい寝入った…てところか?
「頭がぼ~っとする。時間は…早朝の七時か。十六時間近く眠れば、そりゃあぼ~っとするわな」
自分の故郷とも言えるスラム街に一日中いたことで、俺の心はいつの間にか平穏を取り戻している。追放宣言時、ロゼストとミゼラガは、人を小馬鹿にしたような表情を俺に向けていた。あれは、俺を完全に見下している目だ。
俺の力は三人と違い、特に秀でたものはなく、全てが平凡だ。だから、皆の役に立てるよう、死亡する危険性の高い《偵察》《陽動》といった任務を自分から志願して、これまで生きてきた。かなりの数をこなしたはずなのに、得られたスキルは、全く無関係の《カード化》と《カードガチャ》。
この二つのスキルをまだ検証していないものの、女神様(多分)が授けてくれたのだから、効果は本物だろう。ただ、剣術などのスキルを何一つ貰えなかったという事象は、俺にとってかなりショックだ。『あなたには、そういった才能はありません』と、女神様から宣言されているように感じてしまう。
まあ、いつまでもグチグチと考えていても仕方ない。
俺も自分の将来を見据え、次の行動に移そう。
俺はスキルの説明欄を再度確認しようと思い、ステータス画面を開く。
「あれ? 《カードガチャ》が赤く点滅しているぞ?」
妙に気になるので、点滅箇所をタップすると、何やら説明欄が表示された。
《カードガチャ》
本日分が更新されました。
初回特典も合わせて合計六回、ガチャが使用可能です。
使用しますか? はい/いいえ
ガチャって、雑貨店などで見かける小型器具の取手を右に回すと出てくるカプセルしか思い浮かばないんだが? カプセル内に紙が入っていて、何らかの商品が記載されており、その紙を店の店員に渡せば、商品自体を貰える仕組みだったはず。銀貨一枚、銀貨三枚、金貨一枚の三タイプあって、【銀三ガチャ】ともなると、ミスリル製の武器防具などが記載されている《大当たり》が入っていることもあるとか。
これも、そういった類なのか? 昨日見た限り、初回特典が五回分あったから、今日の分と合わせて六回分ということか。
「そういえば、このカードガチャは、どういったタイプのガチャなんだ? ここまでの説明欄には、何も書かれていなかったな。ここなら誰もいないし、試しにやってみるか」
俺が《はい》をタップすると、新たな文章が現れる。
『ガチャのタイプを選んでください』
「タイプ? うお、なんか出てきた!」
1) 武器・防具系カード 【スロット】
2) 料理系カード 【くじ引き】
3) 補助・移動系カード 【カードデル(ルーレット付:当たりが出たらもう一回)】
4) 魔法系・天罰系カード 【神経衰弱(十二枚):チャンスは二回】
5) 攻撃系・防御系カード 【ガラガラ】
部屋の床に、五種類の《ガチャ》が現れたぞ!?
《スロット》《くじ引き》《神経衰弱》《ガラガラ》なら俺もわかるけど、《カードデル》って何だ?
長方形の中身の見えない箱、側面には丸いレバーらしきものがあり、正面には円形の絵が描かれている。中心に時計の長針のようなものが設置され、円周部にはハズレとアタリが交互に刻まれている。
「あの丸いレバーを回したら、カードが出てくるってことかな?」
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