カードガチャでリスタート‼︎〜パーティーを追放されたカード戦士は導き手となって最善ルートを突き進む〜

犬社護

文字の大きさ
4 / 30

4話 カード戦士、隠れ家へ帰る

しおりを挟む
ここは…スラム街にある俺の隠れ家か。
もう…朝なのか?

ロゼストからパーティー追放を宣言された後、俺はどうしたんだっけ?

え~と…荒ぶる心を落ち着かせてからゲストルームを出て一階へ下りた。そこには冒険者達で賑わういつもと変わらない光景があった…はずのだが、追放された影響からか、俺は妙に周囲の視線が気になり、その場に留まることが居た堪れなくなって、すぐに冒険者ギルドを出たんだ。

《もしかしたら、ロゼスト達が俺のことを言いふらしているのでは?》
《皆、心の中では俺を馬鹿にして嘲笑しているのでは?》

俺の思い過ごしだと思うけど、どうしてもそう邪推してしまう。

そして、もう一つ驚いたのが、俺達《フェンリルの牙》の拠点となる寝ぐらだ。スラム街の東地区にある誰も使用されていない建物を利用しているのだが、元々廃墟だったこともあり、ゴミ捨て場から廃棄用の家具類や食器類やドアなどを勝手に拝借して、俺達四人は各自の部屋を作った。

あいつらの部屋をどうしようかと思い立ち寄ってみると、三人の部屋が綺麗に掃除されていたんだ。食器類の一部も無くなっていたが、家具類は健在であるため、そのまま誰かが住むことも可能だ。事前に、あいつらはここを出る計画を立てていたようだ。俺だけ知らされていなかったから、余計ショックを受けたんだよ。

その後、俺はスラムの子供達に、三人が去ったことを伝えると、どうやら全員が既に知っていたようで、泣く者はいなかった。ロゼストとミゼラガの二人は職業をもらって以降、子供達への態度に尊大さを示していたようで、かなり嫌われていたようだ。唯一、バウスだけは謙虚さを保っていたこともあり、子供達も少し悲しがっていた。皆が追放された俺を慰めてくれたのだけど、内心複雑だった。色々な意味で疲れた事もあり、そのまま寝ぐらへとかえったのだが、そこから記憶がない。どうやら、精神的に疲れてしまい寝入った…てところか?

「頭がぼ~っとする。時間は…早朝の七時か。十六時間近く眠れば、そりゃあぼ~っとするわな」

自分の故郷とも言えるスラム街に一日中いたことで、俺の心はいつの間にか平穏を取り戻している。追放宣言時、ロゼストとミゼラガは、人を小馬鹿にしたような表情を俺に向けていた。あれは、俺を完全に見下している目だ。
 
俺の力は三人と違い、特に秀でたものはなく、全てが平凡だ。だから、皆の役に立てるよう、死亡する危険性の高い《偵察》《陽動》といった任務を自分から志願して、これまで生きてきた。かなりの数をこなしたはずなのに、得られたスキルは、全く無関係の《カード化》と《カードガチャ》。

この二つのスキルをまだ検証していないものの、女神様(多分)が授けてくれたのだから、効果は本物だろう。ただ、剣術などのスキルを何一つ貰えなかったという事象は、俺にとってかなりショックだ。『あなたには、そういった才能はありません』と、女神様から宣言されているように感じてしまう。

まあ、いつまでもグチグチと考えていても仕方ない。
俺も自分の将来を見据え、次の行動に移そう。

俺はスキルの説明欄を再度確認しようと思い、ステータス画面を開く。

「あれ? 《カードガチャ》が赤く点滅しているぞ?」

妙に気になるので、点滅箇所をタップすると、何やら説明欄が表示された。

《カードガチャ》
本日分が更新されました。
初回特典も合わせて合計六回、ガチャが使用可能です。
使用しますか? はい/いいえ

ガチャって、雑貨店などで見かける小型器具の取手を右に回すと出てくるカプセルしか思い浮かばないんだが? カプセル内に紙が入っていて、何らかの商品が記載されており、その紙を店の店員に渡せば、商品自体を貰える仕組みだったはず。銀貨一枚、銀貨三枚、金貨一枚の三タイプあって、【銀三ガチャ】ともなると、ミスリル製の武器防具などが記載されている《大当たり》が入っていることもあるとか。

これも、そういった類なのか? 昨日見た限り、初回特典が五回分あったから、今日の分と合わせて六回分ということか。

「そういえば、このカードガチャは、どういったタイプのガチャなんだ? ここまでの説明欄には、何も書かれていなかったな。ここなら誰もいないし、試しにやってみるか」

俺が《はい》をタップすると、新たな文章が現れる。

『ガチャのタイプを選んでください』
「タイプ? うお、なんか出てきた!」

1) 武器・防具系カード  【スロット】
2) 料理系カード     【くじ引き】
3) 補助・移動系カード  【カードデル(ルーレット付:当たりが出たらもう一回)】
4) 魔法系・天罰系カード 【神経衰弱(十二枚):チャンスは二回】
5) 攻撃系・防御系カード 【ガラガラ】

部屋の床に、五種類の《ガチャ》が現れたぞ!?

《スロット》《くじ引き》《神経衰弱》《ガラガラ》なら俺もわかるけど、《カードデル》って何だ?

長方形の中身の見えない箱、側面には丸いレバーらしきものがあり、正面には円形の絵が描かれている。中心に時計の長針のようなものが設置され、円周部にはハズレとアタリが交互に刻まれている。

「あの丸いレバーを回したら、カードが出てくるってことかな?」

系統の異なるカード、異なるタイプのガチャ、なんか面白そうだな。
あいつらのことなんか一刻も早く忘れたいところだし、気晴らしにやってみるか。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~

香木陽灯
恋愛
 「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」  実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。  「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」  「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」  二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。 ※ふんわり設定です。 ※他サイトにも掲載中です。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

処理中です...