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15話 カード戦士、ガチャカードの代償を知る
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俺は、スキル《カードガチャ》とこれまでに使用した《痛い上の針カード》と《使役カード》についてフィリアナに話していくと……呆れ果てたような表情へと変化していく。
「なんじゃ、その理不尽な効果は!? 妾自身、生き返ったのじゃから理解できるものの、其方自身は少量の魔力しか使用しないのであろう? じゃったら、人を生き返らせる程の力の根源は、何処からきているのじゃ?」
【力の根源】、あの女神が十中八九関係しているのは間違いない。だが、あの体験をフィリアナに話して良いのか悩む。聖獣だから、話自体は信じてくれるかもしれないが、問題は女神側の方だ。あのゆる~い話し方、どうにも胡散臭い。俺が話したことで、フィリアナの身に何か起きる可能性もある。
それに、一ヶ月以内に学園の騒動が発端となって、王都が半壊するとも言っていた。どこまで信じて良いのか微妙なところだ。フィリアナの身も考慮したら、今話すのは早計なんじゃないか?
「俺に問われても困る。この職業を授かってまだ二日目、俺自身だって何もわからないんだ」
そもそも、あの女性は俺の質問に対し、《ノーコメント》と言って解答しなかった。
つまり、女神かどうかすら怪しい。
フィリアナには悪いけど、今は黙っておこう。
「現状わかっているのは、ノーマルスキルを何一つ授からなかったことだね。おそらく、その力がカードガチャに注がれたと考えられる。だけど、フリーゼ様の加護で取得したはずの耐性スキルも、ノーマルスキルの欄に表示されていないんだ」
カードの効果が強力すぎることは事実、代償…ハッキリ言って、嫌な予感がする。
どうか、俺の仮説が当たりませんように。
「母上の加護があるのに、それがスキルに反映されておらんとはのう。なるほど、それが【代償】じゃな。妾の場合、攻撃力を代償に《回復特化型》となった。フィックスは今後取得予定のノーマルスキル全てを代償に、《カード特化型》となったんじゃ」
やはりか!
《カード特化型》って…全然嬉しくないんだけど。
「じゃが、そう悲観することはない。スキル補整は精々1.5倍程度、それが付かなくとも、スキル自体はお前さんの身体に刻み込まれておる」
あはは、リダさんと同じ慰め方だ。
今後、一生ノーマルスキルを取得できないとは。
身体に刻み込まれるとはいえ、出来れば自分自身の強さを知るためにも、補整とか関係なく、ステータスに表示されて欲しいよ。
「他に、どんなカードを持っているんじゃ?」
初めのガチャで引いたカードの中で残っているのは、六枚ある。
武器系 イーグルソードカード
防具系 リードフルアーマー灼熱型カード
補助系 三三七拍子カード
料理系 フワフワトロトロオムライスカード
天罰系 うんちカード
攻撃系 ぶっ飛べカード
これらのカードには、その名に相応しい絵柄と効果が描かれている。現状、今すぐ効果の審議を試せるものは、三三七拍子とオムライスだ。
「ふうむ、必ずしも役立つカードばかりとは限らんのか。それにしても、攻撃系・補助系・天罰系の効果が凄まじいの。王都の入口付近で《うんちカード》だけ聞いた時はまさかとは思ったが、これらの効果は気にいったぞ!くふふふふふ」
不気味な笑いだ。
何を考えているんだ?
「フィクス、《うんち》を使っていいかの?」
女の子なのに、言い難い言葉を平然と言ってのけるな。
「やはり、使う気なのか?」
「無論、妾が死ぬキッカケとなった【あの女】に使うに決まっておろう!」
やっぱりか。
《フィリアナの死》、直接的な原因は火魔法による暴走だが、あの女がフィリアナに不信感を抱かせたせいで、彼女は大火傷を負ったまま魔法を使い、逃走の道を選んでしまった。それが原因で、体力が尽きて死んだ。あの女にも、それ相応の報いを受けて貰わないといけないが、【うんちカード】を使ってしまうと、多分人生が激変するかもしれない。
《うんちカード》 人数:一人 持続期間:一週間~一ヶ月 弱点:なし
レア度8:★★★★★★★★
効果:
指定した者に使用すると、《ドラゴン最強種エンシェントドラゴンのうんち》が頭にこびり付く。一週間、全ての生物から嫌悪され、誰も近寄ってこない。うんちが消えても、その効果は徐々に薄れていくため、元の状態に戻るまで一ヶ月の期間を要する。……
「妾はあの女のせいで、一度死んだ! フィックスと母上が助けてくれたおかげで生き返ったが、あの女への怒りだけは、どうにも収まらんのじゃ!」
まあ、当然か。
あの女に、《フィリアナを間接的に殺した自覚》があるのかはわからない。
だが、何らかの罰を与えたいのは俺も同じ気持ちだ。
「うんちカードなら、奴の人生を狂わせることができる!」
「フィリアナ、とりあえず学園に行って、あの女の様子を観察しないか?」
彼女自身があの事件に対して、どれ程反省しているのか、一度この目で確認しておきたい。反省の色がないのなら、【うんちカード】を使おう。
「じゃが、妾もフィックスは学園生でないから、敷地内に入れんぞ?無断侵入したら、監獄行きじゃ」
その辺りのことは、ちゃんと考えているさ。
「普通なら無理だね。だけど、稀に学園生や職員が冒険者ギルドに依頼を出している時があるんだ。それを受理できれば、合法的に学園内へ入れるんだよ。俺は二等星だから、ランクに対応する依頼があるかわからないけど、近日中にギルドへ行ってみよう」
俺がフィリアナの復讐に賛成し、積極的に動いているからか、彼女の機嫌も良い。
「おお。それは楽しみじゃ! あ、その前に妾と模擬戦しないか? 母上の加護には身体能力の向上効果があったはずじゃ。フィックス自身の強さも把握しておきたい」
その意見は、俺としてもありがたい。丁度、彼女の強さを把握し、俺自身も身体能力がどうなっているかのかを知りたいと思っていたんだ。
○○○
翌朝、俺はスラム街の小さな広場で、フィリアナと模擬戦を行っている。始めは互いに手加減していたのだけど段々と楽しくなってきたことで、四回目の試合になると互いに全力で手合わせするようになった。彼女の戦闘方法は、体術と聖爪術とを組み合わせた徒手格闘のようだ。手合わせしてわかったが、聖爪術とは自分の爪を聖属性の魔力で硬化させ、鉤爪のように変形させる技のようだ。しかも、爪の長さが自在に変化するものだから、始めは少し苦戦した。
「なんじゃフィックス、御主結構やるではないか」
フィリアナの攻撃一つ一つが、俺の目から見ても軽い。だからこそ、手数を増やし、戦闘スタイルに聖爪術を加えることで意外性を付与させている。俺には、彼女程の敏捷や意外性もないが、偵察任務などで鍛えられた感知能力や動体視力、反応速度を持っている。
「そういうフィリアナもね」
戦ってわかったけど、俺の身体能力が明らかに向上している。動体視力・筋力・反応速度・敏捷・魔力制御・適応力といったあらゆる面で向上しているから、スキル以外の特典は、きちんと反映しているようだ。この特典があるからこそ、百歳を超えるフィリアナと互角で戦えているのだと思う。
加護のおかげで身体能力だけでなく、魔力量も大幅に向上しているから、新たな魔法を習得していいかもしれない。資金を貯めて、魔法屋で販売されている中級スクロールを購入するのもアリだな。魔法を習得する場合、二つの方法がある。
1) 欲しい魔法を一から勉強する。習得するまでに時間がかかるものの、詠唱・イメージ・制御面が脳内に深く刻み込まれるので、魔力暴走が滅多に起きない。
2) スクロール(巻物)を読む。読むだけで魔法を習得するものの、詠唱・イメージ・制御面を一切練習していないため、魔力暴走が起きやすい。ただ、そう言った危険を承知の上で訓練していけば、短期間のうちに制御が可能となる。
俺の魔力属性は風・土・水と、新たに加わった《光》の四つだ。
加護を貰う前、あまり器用ではないこともあって、フェイントや目眩し用の初級魔法しか使えなかったが、今なら中級魔法に挑戦していいかもしれない。まずは、増加した魔力量に慣れないといけないな。それに合わせた魔力操作を実行できるようになったら、スクロールを購入して中級魔法を取得してみよう。
「妾とフィックス、相性がいいのかもしれんの?」
「そうだね。互いの強さも近いようだし、これなら連携とかも上手くいきそうだ」
模擬戦を終え周囲を見ると、大人や子供達がいつの間にか集まっていた。昨日まではフィリアナを訝しんでいたけど、俺と楽しく模擬戦を行ったことで、すっかり皆から不信感が払拭されている。
「ふう、良い運動じゃった。これならフィックスも早い時期に三等星へ昇れるじゃろう。そういえば、其方は三人の役に立つため、偵察任務やスパイ任務に何度も取り組んだと言っていたな?」
「ああ、そうだけど?」
フィリアナが、何か考え込んでいるがどうしたのだろう?
「そもそも、そういった任務はギルドからの依頼で実施しておったのか?」
「いや、当初は少しでも依頼案件を達成させやすくするよう、自分がロゼスト達に提案したのさ。高ランク冒険者なら、名も貴族や悪党共に知れ渡っているけど、低ランクの冒険者は顔すら知られていないからね」
綱渡り状態で《偵察》や《スパイ》任務をいくつかこなしていくうちに、ギルドの職員からも認められるようになって、二等星へと昇進した。ギルド側から直接言われたことも何度かあったな。そういった功績をフィリアナに言うと、ますます考え込んでしまった。
「任務の成功率は、如何程じゃ?」
「これまで受けた任務は三十六件、味方の助けもあって、成効率は100%、殆ど軽傷で生還している」
勿論、危うい時は何度もあったけど、周囲からの手助けもあって、俺はこれまで生き延びることに成功している。
「100%で、殆どが軽傷で済んでいるじゃと!? ……フィックス、今日のガチャはもうやったのか?」
「いや、まだだけど?」
何を考え込んでいるんだ?
任務達成率とガチャに、何らかの関連性があるとでも言いたいのか?
「じゃったら、ガチャをやってから冒険者ギルドへ行こう」
「構わないけど、それで何かわかるのか?」
「いんや、現状何もわからん。ただ、冒険者ギルド内で何か変化があるかもしれん」
どういう意味だ?
まあ、試しにやってみるか。
「なんじゃ、その理不尽な効果は!? 妾自身、生き返ったのじゃから理解できるものの、其方自身は少量の魔力しか使用しないのであろう? じゃったら、人を生き返らせる程の力の根源は、何処からきているのじゃ?」
【力の根源】、あの女神が十中八九関係しているのは間違いない。だが、あの体験をフィリアナに話して良いのか悩む。聖獣だから、話自体は信じてくれるかもしれないが、問題は女神側の方だ。あのゆる~い話し方、どうにも胡散臭い。俺が話したことで、フィリアナの身に何か起きる可能性もある。
それに、一ヶ月以内に学園の騒動が発端となって、王都が半壊するとも言っていた。どこまで信じて良いのか微妙なところだ。フィリアナの身も考慮したら、今話すのは早計なんじゃないか?
「俺に問われても困る。この職業を授かってまだ二日目、俺自身だって何もわからないんだ」
そもそも、あの女性は俺の質問に対し、《ノーコメント》と言って解答しなかった。
つまり、女神かどうかすら怪しい。
フィリアナには悪いけど、今は黙っておこう。
「現状わかっているのは、ノーマルスキルを何一つ授からなかったことだね。おそらく、その力がカードガチャに注がれたと考えられる。だけど、フリーゼ様の加護で取得したはずの耐性スキルも、ノーマルスキルの欄に表示されていないんだ」
カードの効果が強力すぎることは事実、代償…ハッキリ言って、嫌な予感がする。
どうか、俺の仮説が当たりませんように。
「母上の加護があるのに、それがスキルに反映されておらんとはのう。なるほど、それが【代償】じゃな。妾の場合、攻撃力を代償に《回復特化型》となった。フィックスは今後取得予定のノーマルスキル全てを代償に、《カード特化型》となったんじゃ」
やはりか!
《カード特化型》って…全然嬉しくないんだけど。
「じゃが、そう悲観することはない。スキル補整は精々1.5倍程度、それが付かなくとも、スキル自体はお前さんの身体に刻み込まれておる」
あはは、リダさんと同じ慰め方だ。
今後、一生ノーマルスキルを取得できないとは。
身体に刻み込まれるとはいえ、出来れば自分自身の強さを知るためにも、補整とか関係なく、ステータスに表示されて欲しいよ。
「他に、どんなカードを持っているんじゃ?」
初めのガチャで引いたカードの中で残っているのは、六枚ある。
武器系 イーグルソードカード
防具系 リードフルアーマー灼熱型カード
補助系 三三七拍子カード
料理系 フワフワトロトロオムライスカード
天罰系 うんちカード
攻撃系 ぶっ飛べカード
これらのカードには、その名に相応しい絵柄と効果が描かれている。現状、今すぐ効果の審議を試せるものは、三三七拍子とオムライスだ。
「ふうむ、必ずしも役立つカードばかりとは限らんのか。それにしても、攻撃系・補助系・天罰系の効果が凄まじいの。王都の入口付近で《うんちカード》だけ聞いた時はまさかとは思ったが、これらの効果は気にいったぞ!くふふふふふ」
不気味な笑いだ。
何を考えているんだ?
「フィクス、《うんち》を使っていいかの?」
女の子なのに、言い難い言葉を平然と言ってのけるな。
「やはり、使う気なのか?」
「無論、妾が死ぬキッカケとなった【あの女】に使うに決まっておろう!」
やっぱりか。
《フィリアナの死》、直接的な原因は火魔法による暴走だが、あの女がフィリアナに不信感を抱かせたせいで、彼女は大火傷を負ったまま魔法を使い、逃走の道を選んでしまった。それが原因で、体力が尽きて死んだ。あの女にも、それ相応の報いを受けて貰わないといけないが、【うんちカード】を使ってしまうと、多分人生が激変するかもしれない。
《うんちカード》 人数:一人 持続期間:一週間~一ヶ月 弱点:なし
レア度8:★★★★★★★★
効果:
指定した者に使用すると、《ドラゴン最強種エンシェントドラゴンのうんち》が頭にこびり付く。一週間、全ての生物から嫌悪され、誰も近寄ってこない。うんちが消えても、その効果は徐々に薄れていくため、元の状態に戻るまで一ヶ月の期間を要する。……
「妾はあの女のせいで、一度死んだ! フィックスと母上が助けてくれたおかげで生き返ったが、あの女への怒りだけは、どうにも収まらんのじゃ!」
まあ、当然か。
あの女に、《フィリアナを間接的に殺した自覚》があるのかはわからない。
だが、何らかの罰を与えたいのは俺も同じ気持ちだ。
「うんちカードなら、奴の人生を狂わせることができる!」
「フィリアナ、とりあえず学園に行って、あの女の様子を観察しないか?」
彼女自身があの事件に対して、どれ程反省しているのか、一度この目で確認しておきたい。反省の色がないのなら、【うんちカード】を使おう。
「じゃが、妾もフィックスは学園生でないから、敷地内に入れんぞ?無断侵入したら、監獄行きじゃ」
その辺りのことは、ちゃんと考えているさ。
「普通なら無理だね。だけど、稀に学園生や職員が冒険者ギルドに依頼を出している時があるんだ。それを受理できれば、合法的に学園内へ入れるんだよ。俺は二等星だから、ランクに対応する依頼があるかわからないけど、近日中にギルドへ行ってみよう」
俺がフィリアナの復讐に賛成し、積極的に動いているからか、彼女の機嫌も良い。
「おお。それは楽しみじゃ! あ、その前に妾と模擬戦しないか? 母上の加護には身体能力の向上効果があったはずじゃ。フィックス自身の強さも把握しておきたい」
その意見は、俺としてもありがたい。丁度、彼女の強さを把握し、俺自身も身体能力がどうなっているかのかを知りたいと思っていたんだ。
○○○
翌朝、俺はスラム街の小さな広場で、フィリアナと模擬戦を行っている。始めは互いに手加減していたのだけど段々と楽しくなってきたことで、四回目の試合になると互いに全力で手合わせするようになった。彼女の戦闘方法は、体術と聖爪術とを組み合わせた徒手格闘のようだ。手合わせしてわかったが、聖爪術とは自分の爪を聖属性の魔力で硬化させ、鉤爪のように変形させる技のようだ。しかも、爪の長さが自在に変化するものだから、始めは少し苦戦した。
「なんじゃフィックス、御主結構やるではないか」
フィリアナの攻撃一つ一つが、俺の目から見ても軽い。だからこそ、手数を増やし、戦闘スタイルに聖爪術を加えることで意外性を付与させている。俺には、彼女程の敏捷や意外性もないが、偵察任務などで鍛えられた感知能力や動体視力、反応速度を持っている。
「そういうフィリアナもね」
戦ってわかったけど、俺の身体能力が明らかに向上している。動体視力・筋力・反応速度・敏捷・魔力制御・適応力といったあらゆる面で向上しているから、スキル以外の特典は、きちんと反映しているようだ。この特典があるからこそ、百歳を超えるフィリアナと互角で戦えているのだと思う。
加護のおかげで身体能力だけでなく、魔力量も大幅に向上しているから、新たな魔法を習得していいかもしれない。資金を貯めて、魔法屋で販売されている中級スクロールを購入するのもアリだな。魔法を習得する場合、二つの方法がある。
1) 欲しい魔法を一から勉強する。習得するまでに時間がかかるものの、詠唱・イメージ・制御面が脳内に深く刻み込まれるので、魔力暴走が滅多に起きない。
2) スクロール(巻物)を読む。読むだけで魔法を習得するものの、詠唱・イメージ・制御面を一切練習していないため、魔力暴走が起きやすい。ただ、そう言った危険を承知の上で訓練していけば、短期間のうちに制御が可能となる。
俺の魔力属性は風・土・水と、新たに加わった《光》の四つだ。
加護を貰う前、あまり器用ではないこともあって、フェイントや目眩し用の初級魔法しか使えなかったが、今なら中級魔法に挑戦していいかもしれない。まずは、増加した魔力量に慣れないといけないな。それに合わせた魔力操作を実行できるようになったら、スクロールを購入して中級魔法を取得してみよう。
「妾とフィックス、相性がいいのかもしれんの?」
「そうだね。互いの強さも近いようだし、これなら連携とかも上手くいきそうだ」
模擬戦を終え周囲を見ると、大人や子供達がいつの間にか集まっていた。昨日まではフィリアナを訝しんでいたけど、俺と楽しく模擬戦を行ったことで、すっかり皆から不信感が払拭されている。
「ふう、良い運動じゃった。これならフィックスも早い時期に三等星へ昇れるじゃろう。そういえば、其方は三人の役に立つため、偵察任務やスパイ任務に何度も取り組んだと言っていたな?」
「ああ、そうだけど?」
フィリアナが、何か考え込んでいるがどうしたのだろう?
「そもそも、そういった任務はギルドからの依頼で実施しておったのか?」
「いや、当初は少しでも依頼案件を達成させやすくするよう、自分がロゼスト達に提案したのさ。高ランク冒険者なら、名も貴族や悪党共に知れ渡っているけど、低ランクの冒険者は顔すら知られていないからね」
綱渡り状態で《偵察》や《スパイ》任務をいくつかこなしていくうちに、ギルドの職員からも認められるようになって、二等星へと昇進した。ギルド側から直接言われたことも何度かあったな。そういった功績をフィリアナに言うと、ますます考え込んでしまった。
「任務の成功率は、如何程じゃ?」
「これまで受けた任務は三十六件、味方の助けもあって、成効率は100%、殆ど軽傷で生還している」
勿論、危うい時は何度もあったけど、周囲からの手助けもあって、俺はこれまで生き延びることに成功している。
「100%で、殆どが軽傷で済んでいるじゃと!? ……フィックス、今日のガチャはもうやったのか?」
「いや、まだだけど?」
何を考え込んでいるんだ?
任務達成率とガチャに、何らかの関連性があるとでも言いたいのか?
「じゃったら、ガチャをやってから冒険者ギルドへ行こう」
「構わないけど、それで何かわかるのか?」
「いんや、現状何もわからん。ただ、冒険者ギルド内で何か変化があるかもしれん」
どういう意味だ?
まあ、試しにやってみるか。
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