18 / 149
1章 テルミア王国 王都編
旅立ち、目指すはスフィアート
しおりを挟む
ギルドを出て時間を確認すると、まだ15時30分だった。夕食まで時間がある。図書館に行って、軽く調べてみよう。
「フィン、夕食まで時間があるから、図書館に行って女神について調べてみるわ。」
「女神スフィア様のことをですか?スフィア様に関しては、私も結構勉強しているので、お教えできると思います。」
「本当助かるわ。私が知りたいのは、この世界の歴史よ。女神スフィア、邪王そして邪神についてね。」
「邪神?リッチの時も言ってましたよね。邪神ているんですか?」
「いるわ。リッチも認めていたでしょ。私が邪神を知っていたこともあって、簡単に掌握出来たと思う。図書館に4000年前の出来事が載っている文献があればいいんだけどね。」
実際は、私自身が邪神だから、リッチを簡単に掌握出来たんでしょうね。
ただ、邪神の言っていた4000年が、こちらでは何年なのかがわからないのよね。
「4000年前!そんな古い文献ありませんよ。私が王国で習ったのは1000年前の邪王発生の時からです。なんでも、それ以前のものは、その時の戦いで焼失したそうです。どの王国も同じで、王宮に保管されている最古の文献は1000年前の物です。私の知っている限り、邪神という言葉はありませんでした。」
1000年前までの文献しかないか。それで邪神という言葉が出てこない。そうなると、本当に4000年になるのかな?まあいいか、1つ言えるのは、いきなり手掛かりがなくなったことだ。文献が手に入らないとなると、あとは----------遺跡か。
「そうなると、後は世界各地の遺跡を調べていくしかないわね。一応、図書館に行きましょう。念のため調べておきたいわ。」
結局、邪神や女神サリアに繋がる手掛かりとなる文献はなかった。でも、女神スフィアや邪王については、いくつかわかったわ。
1) この異世界スフィアタリアを創ったのが女神スフィアである。
2) 人間、獣人、ドワーフ、エルフ、魔族、計5つの種族を創った神がスフィアである。
3) 初めてスフィアが下界に降り立った場所がスフィアートで、スフィア教の本部がある。
4) 1000年前に邪王と邪族が発生。原因は、上記5種族による戦争。
大まかに分けると、こんな感じか。
こうなってくると、邪神に関してはリッチに聞こう。
女神サリアに関しては保留ね。一体何者なの?
ただ、今回調べたおかげで、1つわかったことがある。ステータスやスキルのシステムを創ったのは、女神スフィアだ。おそらく、女神サリアは、そのシステムに介入して、碌に調べもせず、あの「無能」を与えたんだ。邪心薬にしても、元々は邪族ウルブスが創ったけど、それをサリアが入手して、どんな作用があるのか、きちんと調査せず、そのまま私に使用した。なんか、思い返すと腹が立ってきた。
遺跡に関しては、王都周辺にはなく、南のスフィアートに行けば、古い遺跡が2ヶ所あるらしい。まあ、まずはこの2つを調査ね。さて、そろそろ時間ね。宿屋に戻って、今後の予定を立ててから夕食を食べましょう。
ひょっとこ屋に到着し、一旦部屋に戻った。
「フィン、今後の予定だけど、まずは南のスフィアートに行きましょう。そこで行うのは2つ。1つ目はDクラスのダンジョンでフィンを強化すること、2つ目は遺跡の調査。さっき調べた限り、どうも遺跡もダンジョン化しているらしくて、2つの遺跡のうち、1つはCクラス、もう1つはDクラスとなっているわ。だから、フィンの強化を最優先に行う。」
「うう、完全に足手まといになってますね、すいません。」
「何言ってるのよ。それは今だけよ。今後、どんどん強くしていきますからね。」
「はい、頑張ります。あ、7日後のオークションはどうするんですか?」
「ああ、オークションには参加しないけど、10日程したら1度ここに戻るわ。私は転移魔法が使えるから問題ないしね。ただし、一度行ったことがある場所に限られるけど。」
「ふぇ~~転移魔法!伝説の魔法じゃないですか。文献に載ってるだけで、どうやって修得するか未だ不明の魔法ですよ。」
転移魔法、伝説レベルなの!あ、時空魔法の存在を知らないからだ。
「あ~、それね、フィンは上位魔法を知っているわよね。」
「はい、炎、氷、震、雷、嵐、聖の6つですよね。」
「それ以外にもあるのよ。空間の上位に時空があるのよ。空間魔法をレベル10にすれば時空魔法を修得出来るはずよ。」
「無理ですよ~。空間魔法自体扱える人が非常に少ないんです。しかも空間魔法はスキルレベルが凄く上がりにくいんです。10なんて、まず無理です!」
ええ、そうなの!人前で転移魔法を使わないようにしよう。
「わ、わかったわ。あなたがそこまで言うなんてよっぽどなのね。」
「はい、でも時空魔法の入手方法は覚えておきます。」
まあ、ここまで色々とあったけど、やっと王都から脱出出来るんだね。野営の準備も出来たし、後は明日ギルドに行って、クロードさんと騎士団の人、多分マーカスさんだと思うけど、説得出来るかどうかだね。王宮なんかに行ったら、どうせ周りの貴族達が騒ぎ出して、フィンが拉致される可能性がある。出来れば、王宮に顔を出さずに脱出したいところだわ。説得の有無次第で、今後の行動が変わるわね。
翌朝、私達は冒険者ギルドに向かい、クロードさんに会いに行った。
部屋に入ると、クロードさんは、予想通りマーカスさんと話し込んでいた。
「お、来たか。こっちは、王宮騎士団団長のマーカスだ。昔は一緒に冒険者として苦楽を共にした仲間だったんだ。」
「騎士団団長のマーカスだ。」
「サーシャと言います。フィンの件についてですか。」
よし、偽装が効いてる。全くわかってないわね。
「クロードさんから、ある程度聞いていると思いますが、今回の件は裏で邪族が絡んでいます。王宮にいけば、周りの貴族達が色々と聞いてくるでしょうし、邪族に情報が漏れる可能性もあります。そうなると、今後様々な連中がフィンを殺しにやってきますので、フィンは私が預かります。」
私の言っている言葉が本気である事をわからせるために、マーカスさんとクロードさんがギリギリ耐えられる【威圧】を放ってやった。
「ぐ、おい、サーシャ、わかったから威圧を解いてくれ。マーカス、これでサーシャの強さがわかっただろ。下手に王宮に置いておくより、サーシャが護ってくれた方が安全だ。」
「はあ、はあ、威圧だけでこれ程とは、仕方がないか。サーシャ、せめて私が納得出来る説明をしてくれ。王にも報告しないといけない。」
当然ね。現状、知っている事を教えてあげよう。私は、クロードさんとマーカスさんにフィンに関する全ての事を話した。
今回の件は、邪族が絡んでいること。
邪族の目的は、神獣の加護を持つフィンを殺害すること。
加護持ちのため、迂闊に近づけないことから、ソフィア・アレンシャルを利用した。
貧民街の獣人達を生贄にリッチを召喚し、ステータス異常を起こした。
念のため、ガルム一味に依頼し、フィンを誘拐させ王都から引き離した。
邪族は、フィンがガルム一味に殺されたと思っている。
私がガルム一味を討伐しフィンを助けた。
私がリッチを掌握し、フィンを呪いから解放した。
ちなみに、これまでフィンが見つからなかったのは、変装の魔導具で姿が変わっていたから。
こんなところかな。
レーデンブルクには、もうリッチが伝えているでしょう。今、混乱しているだろうな。
隠れている邪族を炙り出すためには、フィンが生きている事を伝えるしかない。もしフィンを見つけて私を操ろうとしたら、即抹殺じゃなくて拷問してから抹殺しよう。
「おい、クロード、これは誰にも話すなよ。」
「当たり前だ。こんな大事話せるか!」
「サーシャ納得したよ。クロードから聞いていると思うが、半年程前に貧民街の大量行方不明者、フィン王女の行方不明とステータス異常の件がレーデンブルク王国から世界各国に伝わっていてね。邪族が関わっている事は間違いないため、注意喚起と捜索願いが出ていたんだ。まさか、自分達は一切手を出さず、ソフィア・アレンシャルの恋心を利用して、フィン王女を始末する計画だったとはな。よくあのリッチを掌握できたな。相手はS級だぞ。」
「まあ、極力戦闘は避けたかったので、威圧で脅しました。」
「-----はは、---威圧でか。サーシャ、君は一体何者なんだい?急に現れて、レーデンブルクの事件をほぼ解決に導いている。」
ごめんね、マーカスさん、本当の事は言えないんだ。
「私は、ただの冒険者ですよ。フィンと出会えたのも、単なる偶然なんですから。」
マーカスさんは目を瞑り、じっと考えていた。そして---、
「わかった、そういう事にしておこう。王には、今回の事を伝えておくよ。会って間もないが、君なら信頼出来そうだ。おそらく、周りの貴族がうるさいだろうが、俺とクロードで抑える。これからどこに向かうんだい?」
「スフィアートです。そこで、フィンを鍛えようと思います。ここのDクラスのダンジョンは、なぜか立入禁止になっているので。最終目的地は、レーデンブルクです。」
「そうか、ここからレーデンブルクは、かなり遠いから道中気を付けてな。ただ、邪王の封印が弱まってきている今だからこそ、邪族は活発に動いてくるはずだ。充分に注意して、旅に出てくれ。」
相変わらず、仲間想いだね、マーカスさん。
「はい、ありがとうございます。」
よし、無理矢理だけど、2人の説得に成功した。
この後、クロードさんにもお礼を言い、冒険者ギルドを出て行った。
そうそう、レインさんにもお礼を言いたかったけど、依頼遂行中のため王都にいなかった。まあ、10日から2週間程で戻ってくるから、その時に言えばいいかな。
ひょっとこ屋に戻り、カイルとゲイルさんに今日でお別れであることを伝えた。
「スフィアートか、また急だな。」
「そんなフィンも行くの?」
ここでの目的を果たせたこと、スフィアートに遺跡があるので調査に行く事を伝えた。
「そうか、寂しくなるな。サーシャの創った新作料理は俺達に任せろ。絶対に王都に広めてやるからな。特にプリンは女性の支持が凄い。」
料理、広まればいいけどね。
「7日後にオークションがあるので、そうですね、2週間くらいしたら一度戻ってきます。」
「馬車で4日程かかるぞ。6日間しか滞在出来ないじゃないか。」
「それに関しては大丈夫です。考えがありますので。」
カイルもフィンとのお別れの挨拶は済んだみたいね。
「それじゃあ、ゲイルさん、カイル、短い間でしたがお世話になりました。」
「ああ、サーシャなら大丈夫だろう。とはいえ、気を付けて行けよ。」
「フィン、王都に戻ってきたら、またここに泊まってね。」
「うん、ここは凄く落ち着くもん。王都に戻ってきたら、また来るから、じゃあね。」
さあて、いよいよ王都とお別れね。目指すはスフィアート。
「フィン、夕食まで時間があるから、図書館に行って女神について調べてみるわ。」
「女神スフィア様のことをですか?スフィア様に関しては、私も結構勉強しているので、お教えできると思います。」
「本当助かるわ。私が知りたいのは、この世界の歴史よ。女神スフィア、邪王そして邪神についてね。」
「邪神?リッチの時も言ってましたよね。邪神ているんですか?」
「いるわ。リッチも認めていたでしょ。私が邪神を知っていたこともあって、簡単に掌握出来たと思う。図書館に4000年前の出来事が載っている文献があればいいんだけどね。」
実際は、私自身が邪神だから、リッチを簡単に掌握出来たんでしょうね。
ただ、邪神の言っていた4000年が、こちらでは何年なのかがわからないのよね。
「4000年前!そんな古い文献ありませんよ。私が王国で習ったのは1000年前の邪王発生の時からです。なんでも、それ以前のものは、その時の戦いで焼失したそうです。どの王国も同じで、王宮に保管されている最古の文献は1000年前の物です。私の知っている限り、邪神という言葉はありませんでした。」
1000年前までの文献しかないか。それで邪神という言葉が出てこない。そうなると、本当に4000年になるのかな?まあいいか、1つ言えるのは、いきなり手掛かりがなくなったことだ。文献が手に入らないとなると、あとは----------遺跡か。
「そうなると、後は世界各地の遺跡を調べていくしかないわね。一応、図書館に行きましょう。念のため調べておきたいわ。」
結局、邪神や女神サリアに繋がる手掛かりとなる文献はなかった。でも、女神スフィアや邪王については、いくつかわかったわ。
1) この異世界スフィアタリアを創ったのが女神スフィアである。
2) 人間、獣人、ドワーフ、エルフ、魔族、計5つの種族を創った神がスフィアである。
3) 初めてスフィアが下界に降り立った場所がスフィアートで、スフィア教の本部がある。
4) 1000年前に邪王と邪族が発生。原因は、上記5種族による戦争。
大まかに分けると、こんな感じか。
こうなってくると、邪神に関してはリッチに聞こう。
女神サリアに関しては保留ね。一体何者なの?
ただ、今回調べたおかげで、1つわかったことがある。ステータスやスキルのシステムを創ったのは、女神スフィアだ。おそらく、女神サリアは、そのシステムに介入して、碌に調べもせず、あの「無能」を与えたんだ。邪心薬にしても、元々は邪族ウルブスが創ったけど、それをサリアが入手して、どんな作用があるのか、きちんと調査せず、そのまま私に使用した。なんか、思い返すと腹が立ってきた。
遺跡に関しては、王都周辺にはなく、南のスフィアートに行けば、古い遺跡が2ヶ所あるらしい。まあ、まずはこの2つを調査ね。さて、そろそろ時間ね。宿屋に戻って、今後の予定を立ててから夕食を食べましょう。
ひょっとこ屋に到着し、一旦部屋に戻った。
「フィン、今後の予定だけど、まずは南のスフィアートに行きましょう。そこで行うのは2つ。1つ目はDクラスのダンジョンでフィンを強化すること、2つ目は遺跡の調査。さっき調べた限り、どうも遺跡もダンジョン化しているらしくて、2つの遺跡のうち、1つはCクラス、もう1つはDクラスとなっているわ。だから、フィンの強化を最優先に行う。」
「うう、完全に足手まといになってますね、すいません。」
「何言ってるのよ。それは今だけよ。今後、どんどん強くしていきますからね。」
「はい、頑張ります。あ、7日後のオークションはどうするんですか?」
「ああ、オークションには参加しないけど、10日程したら1度ここに戻るわ。私は転移魔法が使えるから問題ないしね。ただし、一度行ったことがある場所に限られるけど。」
「ふぇ~~転移魔法!伝説の魔法じゃないですか。文献に載ってるだけで、どうやって修得するか未だ不明の魔法ですよ。」
転移魔法、伝説レベルなの!あ、時空魔法の存在を知らないからだ。
「あ~、それね、フィンは上位魔法を知っているわよね。」
「はい、炎、氷、震、雷、嵐、聖の6つですよね。」
「それ以外にもあるのよ。空間の上位に時空があるのよ。空間魔法をレベル10にすれば時空魔法を修得出来るはずよ。」
「無理ですよ~。空間魔法自体扱える人が非常に少ないんです。しかも空間魔法はスキルレベルが凄く上がりにくいんです。10なんて、まず無理です!」
ええ、そうなの!人前で転移魔法を使わないようにしよう。
「わ、わかったわ。あなたがそこまで言うなんてよっぽどなのね。」
「はい、でも時空魔法の入手方法は覚えておきます。」
まあ、ここまで色々とあったけど、やっと王都から脱出出来るんだね。野営の準備も出来たし、後は明日ギルドに行って、クロードさんと騎士団の人、多分マーカスさんだと思うけど、説得出来るかどうかだね。王宮なんかに行ったら、どうせ周りの貴族達が騒ぎ出して、フィンが拉致される可能性がある。出来れば、王宮に顔を出さずに脱出したいところだわ。説得の有無次第で、今後の行動が変わるわね。
翌朝、私達は冒険者ギルドに向かい、クロードさんに会いに行った。
部屋に入ると、クロードさんは、予想通りマーカスさんと話し込んでいた。
「お、来たか。こっちは、王宮騎士団団長のマーカスだ。昔は一緒に冒険者として苦楽を共にした仲間だったんだ。」
「騎士団団長のマーカスだ。」
「サーシャと言います。フィンの件についてですか。」
よし、偽装が効いてる。全くわかってないわね。
「クロードさんから、ある程度聞いていると思いますが、今回の件は裏で邪族が絡んでいます。王宮にいけば、周りの貴族達が色々と聞いてくるでしょうし、邪族に情報が漏れる可能性もあります。そうなると、今後様々な連中がフィンを殺しにやってきますので、フィンは私が預かります。」
私の言っている言葉が本気である事をわからせるために、マーカスさんとクロードさんがギリギリ耐えられる【威圧】を放ってやった。
「ぐ、おい、サーシャ、わかったから威圧を解いてくれ。マーカス、これでサーシャの強さがわかっただろ。下手に王宮に置いておくより、サーシャが護ってくれた方が安全だ。」
「はあ、はあ、威圧だけでこれ程とは、仕方がないか。サーシャ、せめて私が納得出来る説明をしてくれ。王にも報告しないといけない。」
当然ね。現状、知っている事を教えてあげよう。私は、クロードさんとマーカスさんにフィンに関する全ての事を話した。
今回の件は、邪族が絡んでいること。
邪族の目的は、神獣の加護を持つフィンを殺害すること。
加護持ちのため、迂闊に近づけないことから、ソフィア・アレンシャルを利用した。
貧民街の獣人達を生贄にリッチを召喚し、ステータス異常を起こした。
念のため、ガルム一味に依頼し、フィンを誘拐させ王都から引き離した。
邪族は、フィンがガルム一味に殺されたと思っている。
私がガルム一味を討伐しフィンを助けた。
私がリッチを掌握し、フィンを呪いから解放した。
ちなみに、これまでフィンが見つからなかったのは、変装の魔導具で姿が変わっていたから。
こんなところかな。
レーデンブルクには、もうリッチが伝えているでしょう。今、混乱しているだろうな。
隠れている邪族を炙り出すためには、フィンが生きている事を伝えるしかない。もしフィンを見つけて私を操ろうとしたら、即抹殺じゃなくて拷問してから抹殺しよう。
「おい、クロード、これは誰にも話すなよ。」
「当たり前だ。こんな大事話せるか!」
「サーシャ納得したよ。クロードから聞いていると思うが、半年程前に貧民街の大量行方不明者、フィン王女の行方不明とステータス異常の件がレーデンブルク王国から世界各国に伝わっていてね。邪族が関わっている事は間違いないため、注意喚起と捜索願いが出ていたんだ。まさか、自分達は一切手を出さず、ソフィア・アレンシャルの恋心を利用して、フィン王女を始末する計画だったとはな。よくあのリッチを掌握できたな。相手はS級だぞ。」
「まあ、極力戦闘は避けたかったので、威圧で脅しました。」
「-----はは、---威圧でか。サーシャ、君は一体何者なんだい?急に現れて、レーデンブルクの事件をほぼ解決に導いている。」
ごめんね、マーカスさん、本当の事は言えないんだ。
「私は、ただの冒険者ですよ。フィンと出会えたのも、単なる偶然なんですから。」
マーカスさんは目を瞑り、じっと考えていた。そして---、
「わかった、そういう事にしておこう。王には、今回の事を伝えておくよ。会って間もないが、君なら信頼出来そうだ。おそらく、周りの貴族がうるさいだろうが、俺とクロードで抑える。これからどこに向かうんだい?」
「スフィアートです。そこで、フィンを鍛えようと思います。ここのDクラスのダンジョンは、なぜか立入禁止になっているので。最終目的地は、レーデンブルクです。」
「そうか、ここからレーデンブルクは、かなり遠いから道中気を付けてな。ただ、邪王の封印が弱まってきている今だからこそ、邪族は活発に動いてくるはずだ。充分に注意して、旅に出てくれ。」
相変わらず、仲間想いだね、マーカスさん。
「はい、ありがとうございます。」
よし、無理矢理だけど、2人の説得に成功した。
この後、クロードさんにもお礼を言い、冒険者ギルドを出て行った。
そうそう、レインさんにもお礼を言いたかったけど、依頼遂行中のため王都にいなかった。まあ、10日から2週間程で戻ってくるから、その時に言えばいいかな。
ひょっとこ屋に戻り、カイルとゲイルさんに今日でお別れであることを伝えた。
「スフィアートか、また急だな。」
「そんなフィンも行くの?」
ここでの目的を果たせたこと、スフィアートに遺跡があるので調査に行く事を伝えた。
「そうか、寂しくなるな。サーシャの創った新作料理は俺達に任せろ。絶対に王都に広めてやるからな。特にプリンは女性の支持が凄い。」
料理、広まればいいけどね。
「7日後にオークションがあるので、そうですね、2週間くらいしたら一度戻ってきます。」
「馬車で4日程かかるぞ。6日間しか滞在出来ないじゃないか。」
「それに関しては大丈夫です。考えがありますので。」
カイルもフィンとのお別れの挨拶は済んだみたいね。
「それじゃあ、ゲイルさん、カイル、短い間でしたがお世話になりました。」
「ああ、サーシャなら大丈夫だろう。とはいえ、気を付けて行けよ。」
「フィン、王都に戻ってきたら、またここに泊まってね。」
「うん、ここは凄く落ち着くもん。王都に戻ってきたら、また来るから、じゃあね。」
さあて、いよいよ王都とお別れね。目指すはスフィアート。
23
あなたにおすすめの小説
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる
まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。
そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜
月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。
※この作品は、カクヨムでも掲載しています。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる