邪神を喰った少女は異世界を救済します

犬社護

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2章 テルミア王国 スフィアート編

アイリス自信喪失?

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いよいよ、切り札を話す時がきた。アイリスを見て、お互い頷き、アイリスが話し出した。

「皆さん。これから最も重要な事をお話しします。対邪族戦の切り札についてです。」

ここで、バーンさんから質問がきた。

「ちょっと待ってくれ。これまでの『魔力纏い』や俺の炎の完成形も充分切り札に値すると思うが、それ以上なのか?」

「はい、この魔法は正真正銘の冒険者全員の切り札となります。お姉様曰く、攻めてくる事がわかっている以上、打てる手は全て打つべきだそうです。」

お姉様と聞いた瞬間、全員一斉にこちらを見た。誰かわかっているんですね。

「すまない、説明を続けてくれ。」

「はい、魔法名は『オールアビリティ・セカンド』、現状の基礎能力値全てを2倍にする力を持っています。」

ここで、冒険者全員が騒ぎ出した。アイリスがオロオロとしていて可愛いわね。

「バーンさん、試しにかけて良いですか?」
「待て、開発したのは誰だ?アイリス嬢じゃないだろ、サーシャか!」

「う、はい、お姉様が開発しました。」

迫力に負けて、暴露しちゃったよ。アイリスが泣きそうな顔になっている。

「私が開発しました。ただ、この魔法は制御が難しいので簡単には使えません。現状使えるのは、アイリスと私だけです。」

「全く、大した奴だ。とんでもない隠し玉を用意してやがった。ああ良いぜ、アイリス嬢、その魔法、俺にかけてくれ!」

ここで、リフィアさんが待ったをかけた。

「ちょっと待って。その魔法、私にもやってちょうだい。」

リフィアさん、そんな凄い目でアイリスを見ないで上げて下さい。怖がってます。


「わ、わかりました。ではいきます!------『オールアビリティ・セカンド』」


バーンさんとリフィアさんが赤白い光に覆われた。

「おいおい、マジかよ。この漲り具合、間違いねえ、力が2倍近く上がってやがる。」

「嘘でしょ。こんな魔法を創れるなんて、サーシャは天才ね。でも、理解したわ。アイリス、あなたも凄いわ。この魔法、発動のためには、相手の身体の中にある魔力の流れを完全に理解し、攻撃力・防御力・素早さを把握しないといけない。そして、全能力が2倍あるというイメージ力も完璧でないと発動は不可能のはず。鑑定に頼らず、己の直感で行う事が成功の秘訣かしら。」

アイリスが驚き、私を見た。
当然、私も驚いている。1回見ただけで、この魔法の真髄を見破るなんて凄すぎる。

「ウィル~~、ちょっと、こっちに来てくれないかな~~。」

突然、リフィアさんが甘い声を出して、ウィルさんを誘惑しだした。ウィルさんは、危険な匂いを感じたんだろう。

「御断りします。」
「あら~、どうして?じゃあ、私の実験に付き合ってくれたら膝枕して、あ、げ、る。」

「わっかりました~~。なんなりと、申しつけて下さい。」

ウィルさんは、猛ダッシュでリフィアさんの所に行った。
アイリスと私は呆然とした。ウィルさん、誘惑に弱すぎる。
この人、本当にAクラスなの?

ロイさんを見ると、「あの馬鹿!後で、ミアにどやされるぞ!」と小声で言っていた。

「この際だし、ロイも来てくれないかな~~。付き合ってくれたら、あなたも膝、枕!」
「はい~~!なんなりと申しつけて下さい。」

冒険者達は、「俺も俺も俺も~~!」と続出したが打ち切られた。男共~~!桜木君も、こんな誘惑に弱いのだろうか?-----は、何を考えているんだ、私は!

リフィアさんが笑顔で2人に言った。

「ウィル、ロイ、少しの間、じっとしていてね。うーん、うんうん、成る程ねー、よし、『オールアビリティ・セカンド』」

すると、ウィルさんとロイさんにも赤白い光が宿った。嘘でしょ!さっき見てから、5分位しか経ってないわよ。1回見ただけで修得するて、どんなチートよ。

「ウィル、ロイ、どんな感じ?」

「マジかよ!この魔法凄いな。魔力纏いとは違う感じするけど、明らかに2倍近く上がっている。ロイはどうだ?」

「こっちも同じだ。2倍近く上がってやがる。はは、凄いぞ!」

アイリスを見ると、泣きそうな顔になっていた。

「お姉様~~。わたじ、あの魔法習得するまで、4時間近くがかりました~~!リフィアさんは見ただけで、すぐに使えましたー。私は才能ないんでじょうかー!」

あ、大泣きして、抱きついてきた。慰めて上げよう。リフィアさんも悪いと思ったのかフォローを入れてくれた。

「あ、ごめんなさい。アイリスは凄いわよ。この魔法の制御はとても難しいわ。私の場合、エルフで何百年も生きてるから、制御能力には自信があるのよ。あなたはまだ11歳なのに、この魔法を使える。これは、とても将来有望な証拠なのよ。」

「うう、ほんどうですが?」

私もフォローを入れておこう。

「アイリス本当よ。あなたは若干11歳で、この制御能力が難しい魔法を使える、本当に素晴らしい事なのよ。」

その後、慰めて部屋で休んでもらった。訓練所に戻って、急いでリフィアさんに注意した。

「リフィアさん、アイリスが苦労して覚えた魔法を目の前ですぐに使われたら、ショックを受けるに決まってるじゃないですか!もう少しで自信を失くす所でしたよ。」

「サーシャ、ごめんね。アイリスが使った魔法が余りに凄くて、つい夢中になっちゃった。」

バーンさんも謝ってくれた。

「マジですまん。リフィアの悪い癖でな。面白い魔法を見つけると、周りが見えなくなるんだ。」

「次からは、本当に気を付けて下さいね。少なくとも、アイリスの前でやらないで下さい。」

「うん、本当にごめん。気をつけるわ。」

あれ?そういえば、ウィルさんとロイさんはどこにいるのかな?あ、いた!2人とも、なぜかガッツポーズをしている。

「あの2人、妙に喜んでるんですけど、まさか本当に膝枕を?」

「当然、報酬だからね。これがミアやヒミカに知られたら、お仕置がくるわね。」

うん、知らせよう。あの2人には罰が必要だ。

アイリスが正常に戻ったところで、騎士団と合流し、私・アイリス・リフィアさんの3人で全員に『オールアビリティ・セカンド』を唱えた。アイリスが唱えた魔法は、問題なく発動した。良かった、ちょっと心配だったけど、これで大丈夫ね。冒険者達全員、力が増したことに凄い喜んでいる。その中にフィンも混じっている。あの子、完全に王女という身分を忘れているわね。

ウィルさんがこっちに来た。

「サーシャ、君はこれを切り札と言ったね。切り札という事は、当然デメリットもあるんだろう。」

ここで、私がこの魔法の全容を言った。
冒険者全員が、この魔法の凄さとデメリットに驚嘆した。

「ははは、そうか、だから制限時間は30分か。『魔力纏い』による基礎能力値の底上げ、そこに他者から2倍の底上げか、確かに、この魔法は切り札となるね。」

「あとは、皆さんが仲間に『魔力纏い』を教えて頂ければ、準備万端です。」
「ポーション類や武器防具の新たな技術開発、これらも君が絡んでいるんだろう?」

「さあ、何のことでしょうか?」

笑顔ではぐらかしてやった。
その後も、色々とウィルさんから質問?ナンパ?されたけど、全員が納得して帰って行った。

ウィルさんは、帰り際「今後とも宜しくね」と謎の一言を言い去って行った。

そんな光景をフィンとアイリスは、笑顔で私を見ていた。

「師匠、ウィルさんと凄く良い感じでしたね?」
「そうですよ、お姉様、お似合いでしたよ?」

え、そんな風に見えたの?うーん、最後のはナンパに近い感じがあったものね。

「私は、まだ誰ともお付き合いしません。」

「「ええー、勿体無い!」」

その後、戻って来たミアさんとヒミカさんに凄いお礼を言われた。どうやら合体魔法が成功したらしい。こちらも、ウィルさんとロイさんの膝枕の件を伝えると、2人の雰囲気が変わった。

「へ~~、あの2人は、この状況で何をやっているのかな~~。そう思うよね~~ヒミカ?」

「本当ね~。これは、通常の倍のお仕置きをしないとね~~。」

その日の夜、とある宿屋で2人の男のおぞましい悲鳴が聞こえたという。
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