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間章1 勇者達の旅立ち
束の間の休息
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時系列的にみると、サーシャがスフィアートに向けて旅立ってからのお話です。
○○○ 桜木春人 視点
今、俺達は冒険者ギルドに来ている。冒険者登録をする場合、本来なら模擬戦を行うらしいが、マーカスさんの基準でクラスメイト全員にランクを付けてもらった。俺を含め、殆どがCクラススタートとなった。本来なら、俺と島崎はBクラスの力量があるらしいが、規則もあってCクラスからとなった。まあ、俺としては早く出発したいから、BでもCでもどちらでも構わない。ちなみに、今日は久しぶりの休暇だ。昨日まで、Cクラスダンジョンに行っていたから、身体を休めろて事らしい。特に俺は念を押された。島崎にも、
「強くなりたい気持ちもわかるけど、身体を休める事も大事だよ」
と注意されたな。確かに、ここ最近は頑張りすぎたか。たまには、こういうのも良いかもな。登録が終了し、王都を散策しようと思ったんだが、ギルド長であるクロードさんに俺だけが呼ばれたので、一旦みんなと別れ部屋に入った。
「休みなのにすまんな」
「いえ、構いませんよ」
「勇者である君に、先に伝えておこうと思ってな。スフィアートにいる聖女アイリス様が昨日から行方不明になった。礼拝堂でお祈りをしている時に、突然消えたそうだ」
聖女アイリスが行方不明!確か、11歳と小さい女の子だったはず大丈夫なのか?
「それで、手掛かりはあるんですか?」
「いや、今のところ、全くない。邪族が絡んでいるのは、まず間違いないだろう。
「聖女という事は、島崎も突然消える可能性があるという事ですか?」
「いや、美香は大丈夫だろう。アイリスの場合、恐らく転移が使われた可能性が高い」
転移だって!
「転移は、失われた魔法ですよね?」
「ああ、邪族以外はな」
なるほど、邪族も邪法で使えるのか。
「そうなると、どこに転移されたかですか?」
「ああ、転移に関する資料は殆ど残っていないから、さすがに場所の特定は不可能だ。あまり言いたくないが、生存の可能性は薄いだろう。ただ-----」
当然だな。邪族にとっても、生かしておく理由もないしな。ただ、何だろうか?
「ただ、何です?」
「サーシャなら見つけてくれるかもしれん。希望的観測だがな」
「サーシャ?」
「昨日、スフィアートに向けて出発した女性冒険者だ。年は君達と同じくらいだろう。冒険者登録をして、翌日にブラックリスト上位に位置するガルム一味を倒し、半年程前に行方不明となったレーデンブルク王国のフィン王女を発見救出したんだ」
おいおい、ガルム一味はかなり強い盗賊団と聞いてるぞ。1人で倒したのか?
「何者なんですか?」
「わからん。本人はただの冒険者と抜かしていたが、強さは俺やマーカスを軽く超えている。なんせ威圧されただけで、死にそうになったからな」
嘘だろ!クロードさんもマーカスさんもSクラスだぞ。それを威圧しただけで屈服させたのか。
「どう考えても、怪しいんですが」
「まあ、普通そう思うな。だが、実際に会って話をすると、俺もマーカスも、彼女は信頼出来ると思ったんだ。救出されたフィン王女も、彼女の事を師匠と呼んでいたからな」
おいおい、3人とも洗脳されてるんじゃないか?なんにせよ、今のところは、こちらの味方ということか。
「そのサーシャという女性に、いつか会ってみたいですよ」
「かなりの美人だから、惚れないようにな。さて、邪族達が大きく動き出したのは間違いないだろう。お前達も、気をつけろよ。奴らは進出鬼没だ。現状、王都には侵入していないが、油断するな」
「わかりました」
サーシャか、覚えておこう。邪族達も、ついに動き出したか。俺もうかうかしていられないな。あと1回ダンジョンに行って、あの力を試してから旅に出よう。
○○○
今は、街を散策中。こういうのも、気分転換でいいな。
そろそろ昼時か。なんか美味しそうな匂いがするな。----この店からか。なんか懐かしい匂いだ。
「おーい、桜木、一緒に昼飯食べようぜ」
振り向くと、竜崎と久保がいた。
「ああ、食べよう。この店なんかどうだ?なんか、懐かしい匂いがするんだよ」
「この匂い、確かになんか懐かしいな」
竜崎もわかったみたいだな。うん、久保がメニュー見て震えてるぞ。
「おい、久保、どうしたんだ?」
「2人とも、この看板の新作メニューを見てみるんだ」
どれどれ!は!唐揚げ定食、オークカツ定食、コロッケ定食だと!なんで異世界にあるんだ!
「竜崎、おい、これ」
「嘘だろ!とにかく入って食べてみようぜ」
店に入ると、辛うじてテーブル1席だけ空いていた。良かった~。早速、女性店員が来てくれた。
「ご注文は何になさいますか?」
「唐揚げ定食、オークカツ定食、コロッケ定食を1つずつお願いします」
定食が届くと、俺達はしばらくの間動けなかった。もう絶対に食べられないものとばかり思っていた揚げ物があったんだから。そして、一口食べた瞬間、ああこの味だと思った。若干味付けが違う気もするが、そん些細なもの関係なく夢中に食べ続けた。気付けば、空になっていた。
「竜崎、久保、なんだろう?今、凄い満ち足りた気分なんだ」
「「俺もだ」」
そうだ、店員に聞いてみよう。
「すいません、この新作メニュー、凄く美味しかったです。誰が考えたんですか?」
「そうですよね!美味しいですよね。これを考案したのは、サーシャという冒険者の方なんです。元々、ひょっとこ屋のゲイルさんに教えていたものなんですが、宿泊している冒険者の方々が、王都全域に広めて欲しいとお願いしたら、なんとサーシャさん、レシピを無料で公開してくれたんです。ゲイルさん達と相談して、少しずつ広めていく事になって、その第1弾がこのお店なんです」
「ああ、丁寧に教えて頂きありがとうございます」
「いえいえ」
あの店員、余程、新作料理が好きなんだな。それにしても、考案した人がサーシャとはね。彼女は何者なんだ?清水さんではないのは確かだ。彼女なら、マーカスさんが何か俺達に言ってくるはずだ。その時、久保がある一言を言った。
「転生者」
「久保、転生者て言ったのか?」
「ああ、そうだ。異世界から召喚されたのは俺達だけだから、残る可能性は----」
「なるほど、転生者か」
それなら納得出来る。ネット小説とかでも、召喚者同様、転生者が強力なスキルを持つ場合もあったからな。納得したところで、竜崎が質問してきた。
「桜木、久保、サーシャて人に会ったことはあるか?」
「俺はないな。ただ、噂話で聞いたことがある。年齢は16ぐらい、凄い美人、料理も得意、性格も最高らしい」
「久保の言ってる事、大体合ってるぞ。ついさっき、クロードさんからサーシャの話を聞いたところなんだ」
クロードさんから聞いた内容を2人に話してやった。どうやら竜崎がサーシャに興味を持ったみたいだな。
「是非、会ってみたいな!美人で料理も美味くて、その上クロードさんやマーカスさんより強いときた。これは会って見るべきだろう。今すぐ、スフィアートに行きたい気分だぜ」
竜崎は本当に美人に弱いな。そう思ったからか、久保から注意が入ったか。
「竜崎、俺達は女に構っている暇はないぞ。サーシャなら、多分、会えると思う」
「おい久保、そんな簡単に言っていいのか?」
「ああ、クロードさんとマーカスさん以上の強さなら、必ず邪族との戦いに協力してくれるはずだ。いつか会えるだろうさ」
「おおー、確かにな!早く会ってみたいぜ!桜木も久保もそう思うだろ」
「まあ、興味はあるね」
久保もか!一応、俺も返答しておくか。
「まあ、会える可能性が高いなら楽しみにしておくよ。それより、問題はスフィアートだ。聖女がいなくなった事で、かなり混乱しているらしい。近いうちに戦争が起こるかもしれない」
「とうとう邪族が本格的に動き出した---か。こちらも、早く旅立たないといけないな」
久保の言う通りだ。Cランクダンジョンで力試しをした後、早々に旅立とう。
俺達が店を出た後、街を散策し充分な休息をとって王宮に戻った。すると、島崎と吹山が溜息を付いていた。吹山は、清水の数少ない友達の1人と聞いている。髪は、比較的長く、顔立ちも可愛いいんだが影の薄い女の子だ。
「島崎、吹山、どうしたんだ?」
「ああ、桜木おかえり。みんなから揚げ物を始めた店があるて聞いてね。お昼食べた後だったけど、急いで行ったのよ。そしたら凄い行列になっていて、それでも食べたいから夕実と一緒に並んだわ。やっと私達の順番が来たと思ったら売り切れになったのよ。本当信じられないわ!最悪よ!あー、揚げ物~~!」
俺達は、お互いをみた。すでに美味しく頂きましたとは言えない。そこに吹山が鋭いことを言ってきた。
「くんくん、む、揚げ物の匂いがします。あなた達、さては食べましたね。この匂いは唐揚げですか!」
唐揚げて、強烈な匂いあったか?素直に白状した方がいいな。
「あー、昼前に久保と竜崎とあの店の前で合流したんだ。それでメニューを見て、ふら~~と入ってしまい---」
「桜木、もうそれ以上言わない方がいい」
久保が俺に言った後、2人を指差した。あ、これはまずい。
「桜木君、食べたんですね!」
「えーと」
「食べたんですね!」
「はい、3人で唐揚げ、オークカツ、コロッケを美味しく頂きました」
ここで、島崎が切れた。
「ふ~~ん、私達だけが何も食べれなかったのに、3人は3種類とも食べたんだ。羨ましすぎるぞ~~!」
うおー、首を絞められた。それ以上はやめてくれ~~。俺は竜崎と久保に助けを求めたが、すでにいなかった。あいつら見捨てやがった。
「桜木君、揚げもの大好きな私達に自慢してくるとは、いい度胸ですね」
「いや、自慢というわけでは」
仕方がない。夜のお楽しみに取っておいたやつをあげよう。さっきの店以外にも、唐揚げを練習で作っていた店があったから、アドバイスして上げたらお礼としてもらった奴だ。
「ほら、これやるから許してくれ」
「む、美香、これ唐揚げだ!」
「え、あ、本当だ!桜木、これもらっていいの?」
「ああ、あの店のものではないけど、別の店で練習で作っていたものをおすそ分けしてもらったんだ。味は、若干あの店より美味いはずだ。」
「美香、唐揚げだ!唐揚げ!」
「夕実、唐揚げだ!桜木、ありがとう。早速、部屋で食べるよ。行こう、夕実」
もらった後、2人とも満面の笑みで去っていった。
持っていてよかった~~。
まあ、今日は食事の事もあって楽しかったな。
さあ、明日からは、訓練再開だ。
今後は、俺と島崎を除いたメンバー選抜を行い、最後の締めくくりの試験で合格出来れば------いよいよ旅立ちだ。
○○○ 桜木春人 視点
今、俺達は冒険者ギルドに来ている。冒険者登録をする場合、本来なら模擬戦を行うらしいが、マーカスさんの基準でクラスメイト全員にランクを付けてもらった。俺を含め、殆どがCクラススタートとなった。本来なら、俺と島崎はBクラスの力量があるらしいが、規則もあってCクラスからとなった。まあ、俺としては早く出発したいから、BでもCでもどちらでも構わない。ちなみに、今日は久しぶりの休暇だ。昨日まで、Cクラスダンジョンに行っていたから、身体を休めろて事らしい。特に俺は念を押された。島崎にも、
「強くなりたい気持ちもわかるけど、身体を休める事も大事だよ」
と注意されたな。確かに、ここ最近は頑張りすぎたか。たまには、こういうのも良いかもな。登録が終了し、王都を散策しようと思ったんだが、ギルド長であるクロードさんに俺だけが呼ばれたので、一旦みんなと別れ部屋に入った。
「休みなのにすまんな」
「いえ、構いませんよ」
「勇者である君に、先に伝えておこうと思ってな。スフィアートにいる聖女アイリス様が昨日から行方不明になった。礼拝堂でお祈りをしている時に、突然消えたそうだ」
聖女アイリスが行方不明!確か、11歳と小さい女の子だったはず大丈夫なのか?
「それで、手掛かりはあるんですか?」
「いや、今のところ、全くない。邪族が絡んでいるのは、まず間違いないだろう。
「聖女という事は、島崎も突然消える可能性があるという事ですか?」
「いや、美香は大丈夫だろう。アイリスの場合、恐らく転移が使われた可能性が高い」
転移だって!
「転移は、失われた魔法ですよね?」
「ああ、邪族以外はな」
なるほど、邪族も邪法で使えるのか。
「そうなると、どこに転移されたかですか?」
「ああ、転移に関する資料は殆ど残っていないから、さすがに場所の特定は不可能だ。あまり言いたくないが、生存の可能性は薄いだろう。ただ-----」
当然だな。邪族にとっても、生かしておく理由もないしな。ただ、何だろうか?
「ただ、何です?」
「サーシャなら見つけてくれるかもしれん。希望的観測だがな」
「サーシャ?」
「昨日、スフィアートに向けて出発した女性冒険者だ。年は君達と同じくらいだろう。冒険者登録をして、翌日にブラックリスト上位に位置するガルム一味を倒し、半年程前に行方不明となったレーデンブルク王国のフィン王女を発見救出したんだ」
おいおい、ガルム一味はかなり強い盗賊団と聞いてるぞ。1人で倒したのか?
「何者なんですか?」
「わからん。本人はただの冒険者と抜かしていたが、強さは俺やマーカスを軽く超えている。なんせ威圧されただけで、死にそうになったからな」
嘘だろ!クロードさんもマーカスさんもSクラスだぞ。それを威圧しただけで屈服させたのか。
「どう考えても、怪しいんですが」
「まあ、普通そう思うな。だが、実際に会って話をすると、俺もマーカスも、彼女は信頼出来ると思ったんだ。救出されたフィン王女も、彼女の事を師匠と呼んでいたからな」
おいおい、3人とも洗脳されてるんじゃないか?なんにせよ、今のところは、こちらの味方ということか。
「そのサーシャという女性に、いつか会ってみたいですよ」
「かなりの美人だから、惚れないようにな。さて、邪族達が大きく動き出したのは間違いないだろう。お前達も、気をつけろよ。奴らは進出鬼没だ。現状、王都には侵入していないが、油断するな」
「わかりました」
サーシャか、覚えておこう。邪族達も、ついに動き出したか。俺もうかうかしていられないな。あと1回ダンジョンに行って、あの力を試してから旅に出よう。
○○○
今は、街を散策中。こういうのも、気分転換でいいな。
そろそろ昼時か。なんか美味しそうな匂いがするな。----この店からか。なんか懐かしい匂いだ。
「おーい、桜木、一緒に昼飯食べようぜ」
振り向くと、竜崎と久保がいた。
「ああ、食べよう。この店なんかどうだ?なんか、懐かしい匂いがするんだよ」
「この匂い、確かになんか懐かしいな」
竜崎もわかったみたいだな。うん、久保がメニュー見て震えてるぞ。
「おい、久保、どうしたんだ?」
「2人とも、この看板の新作メニューを見てみるんだ」
どれどれ!は!唐揚げ定食、オークカツ定食、コロッケ定食だと!なんで異世界にあるんだ!
「竜崎、おい、これ」
「嘘だろ!とにかく入って食べてみようぜ」
店に入ると、辛うじてテーブル1席だけ空いていた。良かった~。早速、女性店員が来てくれた。
「ご注文は何になさいますか?」
「唐揚げ定食、オークカツ定食、コロッケ定食を1つずつお願いします」
定食が届くと、俺達はしばらくの間動けなかった。もう絶対に食べられないものとばかり思っていた揚げ物があったんだから。そして、一口食べた瞬間、ああこの味だと思った。若干味付けが違う気もするが、そん些細なもの関係なく夢中に食べ続けた。気付けば、空になっていた。
「竜崎、久保、なんだろう?今、凄い満ち足りた気分なんだ」
「「俺もだ」」
そうだ、店員に聞いてみよう。
「すいません、この新作メニュー、凄く美味しかったです。誰が考えたんですか?」
「そうですよね!美味しいですよね。これを考案したのは、サーシャという冒険者の方なんです。元々、ひょっとこ屋のゲイルさんに教えていたものなんですが、宿泊している冒険者の方々が、王都全域に広めて欲しいとお願いしたら、なんとサーシャさん、レシピを無料で公開してくれたんです。ゲイルさん達と相談して、少しずつ広めていく事になって、その第1弾がこのお店なんです」
「ああ、丁寧に教えて頂きありがとうございます」
「いえいえ」
あの店員、余程、新作料理が好きなんだな。それにしても、考案した人がサーシャとはね。彼女は何者なんだ?清水さんではないのは確かだ。彼女なら、マーカスさんが何か俺達に言ってくるはずだ。その時、久保がある一言を言った。
「転生者」
「久保、転生者て言ったのか?」
「ああ、そうだ。異世界から召喚されたのは俺達だけだから、残る可能性は----」
「なるほど、転生者か」
それなら納得出来る。ネット小説とかでも、召喚者同様、転生者が強力なスキルを持つ場合もあったからな。納得したところで、竜崎が質問してきた。
「桜木、久保、サーシャて人に会ったことはあるか?」
「俺はないな。ただ、噂話で聞いたことがある。年齢は16ぐらい、凄い美人、料理も得意、性格も最高らしい」
「久保の言ってる事、大体合ってるぞ。ついさっき、クロードさんからサーシャの話を聞いたところなんだ」
クロードさんから聞いた内容を2人に話してやった。どうやら竜崎がサーシャに興味を持ったみたいだな。
「是非、会ってみたいな!美人で料理も美味くて、その上クロードさんやマーカスさんより強いときた。これは会って見るべきだろう。今すぐ、スフィアートに行きたい気分だぜ」
竜崎は本当に美人に弱いな。そう思ったからか、久保から注意が入ったか。
「竜崎、俺達は女に構っている暇はないぞ。サーシャなら、多分、会えると思う」
「おい久保、そんな簡単に言っていいのか?」
「ああ、クロードさんとマーカスさん以上の強さなら、必ず邪族との戦いに協力してくれるはずだ。いつか会えるだろうさ」
「おおー、確かにな!早く会ってみたいぜ!桜木も久保もそう思うだろ」
「まあ、興味はあるね」
久保もか!一応、俺も返答しておくか。
「まあ、会える可能性が高いなら楽しみにしておくよ。それより、問題はスフィアートだ。聖女がいなくなった事で、かなり混乱しているらしい。近いうちに戦争が起こるかもしれない」
「とうとう邪族が本格的に動き出した---か。こちらも、早く旅立たないといけないな」
久保の言う通りだ。Cランクダンジョンで力試しをした後、早々に旅立とう。
俺達が店を出た後、街を散策し充分な休息をとって王宮に戻った。すると、島崎と吹山が溜息を付いていた。吹山は、清水の数少ない友達の1人と聞いている。髪は、比較的長く、顔立ちも可愛いいんだが影の薄い女の子だ。
「島崎、吹山、どうしたんだ?」
「ああ、桜木おかえり。みんなから揚げ物を始めた店があるて聞いてね。お昼食べた後だったけど、急いで行ったのよ。そしたら凄い行列になっていて、それでも食べたいから夕実と一緒に並んだわ。やっと私達の順番が来たと思ったら売り切れになったのよ。本当信じられないわ!最悪よ!あー、揚げ物~~!」
俺達は、お互いをみた。すでに美味しく頂きましたとは言えない。そこに吹山が鋭いことを言ってきた。
「くんくん、む、揚げ物の匂いがします。あなた達、さては食べましたね。この匂いは唐揚げですか!」
唐揚げて、強烈な匂いあったか?素直に白状した方がいいな。
「あー、昼前に久保と竜崎とあの店の前で合流したんだ。それでメニューを見て、ふら~~と入ってしまい---」
「桜木、もうそれ以上言わない方がいい」
久保が俺に言った後、2人を指差した。あ、これはまずい。
「桜木君、食べたんですね!」
「えーと」
「食べたんですね!」
「はい、3人で唐揚げ、オークカツ、コロッケを美味しく頂きました」
ここで、島崎が切れた。
「ふ~~ん、私達だけが何も食べれなかったのに、3人は3種類とも食べたんだ。羨ましすぎるぞ~~!」
うおー、首を絞められた。それ以上はやめてくれ~~。俺は竜崎と久保に助けを求めたが、すでにいなかった。あいつら見捨てやがった。
「桜木君、揚げもの大好きな私達に自慢してくるとは、いい度胸ですね」
「いや、自慢というわけでは」
仕方がない。夜のお楽しみに取っておいたやつをあげよう。さっきの店以外にも、唐揚げを練習で作っていた店があったから、アドバイスして上げたらお礼としてもらった奴だ。
「ほら、これやるから許してくれ」
「む、美香、これ唐揚げだ!」
「え、あ、本当だ!桜木、これもらっていいの?」
「ああ、あの店のものではないけど、別の店で練習で作っていたものをおすそ分けしてもらったんだ。味は、若干あの店より美味いはずだ。」
「美香、唐揚げだ!唐揚げ!」
「夕実、唐揚げだ!桜木、ありがとう。早速、部屋で食べるよ。行こう、夕実」
もらった後、2人とも満面の笑みで去っていった。
持っていてよかった~~。
まあ、今日は食事の事もあって楽しかったな。
さあ、明日からは、訓練再開だ。
今後は、俺と島崎を除いたメンバー選抜を行い、最後の締めくくりの試験で合格出来れば------いよいよ旅立ちだ。
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