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3章 ガルディア帝国 マルコ遺跡編
ゾンビハウス攻略-3 階段の罠
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子供部屋を出て、一旦玄関に戻ってきた。すると、使用人ゾンビが1体いたため、イリスに討伐させた。始めは怖がっていたけど、覚悟を決め、最後は短剣でゾンビを斬り伏せた。ゾンビは聖属性が込められているからか、弱点の頭を狙わなくても3回斬られただけで浄化された。
さて、この屋敷の1階中央玄関に戻ってきたけど、中央に階段があってその奥にも部屋がある。現状、脱出するための手掛かりは、2つの鍵くらいか。
「中央の奥の部屋に行ってみましょう。」
案の定、南京錠で閉じれらていたが、持っていた鍵で開けれた。中に入ると、広さからいって、会議をするような場所かな。上を見ると、天井に張り付いている3体のゾンビと目が合った。格好からして、忍者ゾンビかな。
「フィン、イリス、わかっているわね。躊躇せず討伐しなさい。」
「「はい!」」
3体の忍者ゾンビが一斉に飛びかかってきた。
忍者だけあって、かなり素早い。でも、僅かながら殺気が漏れてる。これなら、フィンやイリスでも対応出来そうだ。私は難なく斬り伏せたが、イリスの方はどうかな?イリスを見ると、自分の能力が一番低いことを理解しているためか、動かず忍者の剣戟を受けてばかりいる。そして、僅かなスキを見つけ、そこに魔力を集中させた短剣で斬り込むことで討伐出来たようだ。次に、フィンを見ると少し手こずっていた。相手の早さに慣れてくると冷静さを取り戻し、カウンターで忍者を斬り伏せた。まずまずの出来ね。
「2人とも大丈夫そうね。」
「師匠、この広い部屋には何もなさそうですね。」
「そうでもないわ。今の格好した者を忍者というのだけど、忍者がいる場合、隠し通路がある可能性が高い。」
「ふぇ、隠し通路ですか?」
「そうよ。レーデンブルクにもあるはずよ。城に邪族が攻めてきた場合も考えて、非常用の隠し通路がね。」
「確かにありますね。」
「凄腕の忍者になるとね、相手から完全に気配や殺気を隠し、隠し通路を使って誰にも悟られないように相手を暗殺することも出来るの。この屋敷に忍者がいるということは、必ず隠し通路があるはずよ。定番だと、そこの掛け軸の裏とかにあるわね。」
「あ、お姉様、ありましたけど、南京錠で閉じれられています。」
《ガク》 本当に、そんな定番な所に作らないでよ。
この鍵じゃあ、無理か。他の出入口は、さっきの庭園に繋がっているものと、反対側にもあるけど、南京錠で閉じれられており、鍵も合わなかった。これ以上ここにいても意味がないので、玄関に戻り2階に行くか、それとも右側の廊下を進むか思案していると、
「あ、お姉様、階段の途中に鞠があります。取ってきますね。」
鞠?さっきまで、そんなものはなかったはず。不味い、罠だ!
「フィン、階段から離れなさい。イリスは戻って来なさい。」
イリスは階段の真ん中に置いてある鞠を取ったところだった。その瞬間、階段の凹凸がなくなり、私のいる階段の1段目のところに大きな落とし穴が現れた。これは不味い!なんとか、出っ張りがあった所に手を掛けたが、ナイスタイミングでイリスが滑り落ちて来た。仕方ない。
「いや~~~~!」
「フィン、イリスをそっちに投げるわ。私は地下から攻略するから、貴方達はジンとリッカと合流してから1階と2階を攻略しなさい。イリスを任せたわよ。フィン、受け取って~~~」
落とし穴が閉じる瞬間にイリスをフィンに向けて投げた。そして、落とし穴は閉じられ、私は下へと闇の中に落ちて行った。
○○○ イリス視点
お姉様が、私の所為で落とし穴に落ちてしまった。私が不用意に2階に上がらなければ、うう。
「イリス、聞こえてる?イリス!」
「は、はい!」
「落ち込んでる暇はないよ。師匠は大丈夫。まず邪神だから死なないだろしね。起こったことを後悔してもしょうがないよ。これから気をつければいい。私達は、ジンさんとリッカと合流して4人で攻略していきましょう。」
「は、い、そうですね、切り替えていきます。」
そうだ、この失敗を次に活かそう。
「集合時間まで、あと30分。それまで玄関から右側の廊下を調べてみよう。」
フィン姉と一緒に右側の廊下を恐る恐る歩いて行くと、1つの部屋と外に出るドアがあった。その部屋は、普通に入ることが出来た。なんというか、よくわからない服が数多くあった。さっきの侍ゾンビが着ていた服と似ているけど、どこか違う感じがする。ここは、更衣室なのかな?部屋に入って色々と物色したけど、アイテムらしき物は見当たらなかった。
「フィン姉、この服とかどうする?どう見ても、いらないと思うけど?」
「う~ん、何かに役立つかもしれないから、一応全部もらっておこう。」
この屋敷は、いつからここにあるのだろうか?お姉様の話では、元いた世界のお姉様が生きている時代から500年くらい前のものらしい。500年前、こちらに引き込まれたのかもしれないと言っていた。出来れば、全員浄化して上げたい。外に出るドアを開けると、道が続いていて、奥に大きな家があった。さっき、屋敷の門から見えていた家だ。お姉様は道場と言っていた。あそこに何かあるのかな?
《ぎゃあ~~~!》
「え、叫び声、ゾンビとは違いますよね?」
「イリス、行ってみよう。」
道場に入ると、そこには侍ゾンビのような人達が15人程正座していた。------そして、3人の冒険者が息絶えていた。え、何これ?
「ゾンビに殺されたんですよね?」
「そうだと思うけど、何か雰囲気が----え、冒険者3人が動き出した。」
うわ、気持ち悪い。左肩から右太腿まで斬られた人?、首が半分とれかかってる人?、左胸を刺し貫かれた人?が変な声を出しながら、こっちにゆっくり歩いて来てる。
「フィン姉、もしかして狙われてる?」
「うん、狙われてるね。」
「う~~あ~~」「あ~~~」「う~~~~う~~」
フィン姉が動き出したので、私も動いた。
「イリスは前方のゾンビ1体、私は奥2体をやるわ。」
「はい!」
私は、冒険者ゾンビの所に行くと、剣で攻撃してきた。あれ?でも、遅い。このダンジョンはAクラスだから、この冒険者もAクラスのはずだけど、なんで?何度攻撃されても遅い。これなら、
「遅いです!そこ!」
大きな隙が出来た右側から首に短剣を刺し込みました。冒険者ゾンビは浄化され崩れ落ちました。なんか、呆気ないです。フィン姉も、すんなり浄化出来たんで呆然としています。もしかして、死んだばかりだから、完全にゾンビとなっていなかったのかもしれませんね?
私達が考えている間に、肩まで髪があり、口髭を生やしたお爺ちゃんゾンビがこっちに来た。うわ、全然気付かなかった。そうだ、ここには15人の侍ゾンビがいるんだ!
あれ?そういえば、さっきから襲ってくる気配が全くしません。
「うあ~~~~、お前らも試合を望むか?5人抜きすれば、我が道場に伝わる名刀、小太刀【十六夜】を与えよう。いかに?」
えー、5人抜き、出来るわけないわ。でも、この人達もゾンビハウスに彷徨っているんだよね。
「----あそこに置かれてる小太刀【十六夜】、かなり強力なのがわかる。長さからみて、イリスにぴったりだよ。この勝負受けよう!」
「いくらなんでも無茶です!せめて、ジンさんとリッカさんと合流してから、ここに来ましょう。それなら、対処出来ると思います。」
「そうだね、2人だけじゃ、何かあった時、対応出来ないか。よし、試合は止めておきます。」
「あ~~、なら、ここから去れ!」
フィン姉と一緒にここから離れ、一旦屋敷の玄関に戻ってきた。
「フィン姉、5人抜きなんて無茶だよ。相手のゾンビ達からも、かなり強い邪気が出ていたよ。」
「うん、でも私は戦ってみたい。今の自分がどこまで通用するのかを確かめたい。」
それは無謀だよ。
「せめて、ジンさんに相談してみよう。選択を誤ったら、さっきの冒険者のようになるよ。」
とりあえず、玄関から外に出て、屋敷の門の所でジンさんとリッカさんが来るのを待った。2人は、10分程で戻ってきたので、お姉様がいない事情を説明した。すると、渋い表情をした。
「すいません、私が不用意に階段に上がったから。」
「それはいい。サーシャ様は問題ない。あの方に、万が一はあり得ない。それより、フィン、5人抜きに挑戦するつもりか?死ぬ可能性もあるぞ。」
そっか、みんなお姉様なら、絶対大丈夫と信じているんだ。
「はい、わかっています。でも、今の自分の力量を試してみたいんです。それに成功した時のアイテムがどこかで必要かもしれません。やらして下さい!」
うう、フィン姉、本当にやる気だ。
「---本気か。道場といったか。なるほど、強い邪気を感じるな。今のフィンなら、成功確率は五分五分といったところか。とりあえず、女神像のあった部屋に移動しよう。そこで、昼食だ。」
「ジン、昼食作れるの?」
「前もって、サーシャ様から弁当というものを頂いている。分断されることも考えて、俺に弁当を持たせてくれたんだ。」
「おー、じゃあ早く食べて、その5人抜きの道場というところに行ってみよう。フィンがどこまでやれるか見てみたい。」
リッカさんは相変わらずだな。面白ければいいのだろうか?
「イリス、心配するな。万が一の時は、俺が助ける。そうなった場合、俺もフィンもゾンビハウスを追い出されるだろうがな。フィンが死ぬよりましだろ。」
「はい、お願いします。」
やっぱり、ジンさんは頼りになる。屋敷に入り子供部屋に移動し昼食終了後、ジンさんとリッカさんの進行状況を聞いた。
屋敷周辺のゾンビを討伐する時、当初は聖属性を込めず、普通に斬り伏せていたらしくて、討伐しても無限に出てきたそうだ。そこで、途中から聖属性を込めて討伐していくと、同じゾンビは現れなくなったみたい。やっぱり、全てのゾンビを浄化していけばいいんだ。多分、ゾンビハウスのクリア条件は、任務を全うする以外にも、全てのゾンビを浄化するというのもあるはずだよ。だって、マルコ遺跡のゾンビハウスに、魂が一生囚われの身なのは可哀想だ。絶対全員浄化しよう。あの道場のゾンビ達は、どう考えても私じゃ太刀打ち出来ない。フィン姉に頑張ってもらうしかない。危ない時は反則になるけど、私が魔法で治療すればいい。
「よし、準備は整ったな。道場とやらに行くぞ!」
「ねえねえ、ジン、フィンが終わったら私も5人抜きやっていいよね?」
「あのな、多分無理だ。浄化されたゾンビは、2度と復帰しなかった。」
「あー、そうだった。う~ん、仕方ない。見学しておくよ。」
「ほお、賢くなったじゃないか。リッカの事だから、フィンより先に挑戦すると思ったぞ。」
「ぶー、それをするとフィンにとったら有利になるかもだけど、公平じゃないでしょ。5人抜きをやるんなら、お互い公平じゃないとね。」
おー、リッカさんがなんか賢く見える。あ、ジンさんも頭を撫でてる。
「賢くなったな、その通りだ。」
「ジンに褒められても嬉しくない。サーシャ様に褒めてもらいたいよ。」
「リッカ、師匠と合流したら言ってあげるよ。」
「本当!ありがとう、フィン。頑張ってね。」
道場に到着した。ここを開けると、5人抜きが始まる。
フィン姉、頑張って!
さて、この屋敷の1階中央玄関に戻ってきたけど、中央に階段があってその奥にも部屋がある。現状、脱出するための手掛かりは、2つの鍵くらいか。
「中央の奥の部屋に行ってみましょう。」
案の定、南京錠で閉じれらていたが、持っていた鍵で開けれた。中に入ると、広さからいって、会議をするような場所かな。上を見ると、天井に張り付いている3体のゾンビと目が合った。格好からして、忍者ゾンビかな。
「フィン、イリス、わかっているわね。躊躇せず討伐しなさい。」
「「はい!」」
3体の忍者ゾンビが一斉に飛びかかってきた。
忍者だけあって、かなり素早い。でも、僅かながら殺気が漏れてる。これなら、フィンやイリスでも対応出来そうだ。私は難なく斬り伏せたが、イリスの方はどうかな?イリスを見ると、自分の能力が一番低いことを理解しているためか、動かず忍者の剣戟を受けてばかりいる。そして、僅かなスキを見つけ、そこに魔力を集中させた短剣で斬り込むことで討伐出来たようだ。次に、フィンを見ると少し手こずっていた。相手の早さに慣れてくると冷静さを取り戻し、カウンターで忍者を斬り伏せた。まずまずの出来ね。
「2人とも大丈夫そうね。」
「師匠、この広い部屋には何もなさそうですね。」
「そうでもないわ。今の格好した者を忍者というのだけど、忍者がいる場合、隠し通路がある可能性が高い。」
「ふぇ、隠し通路ですか?」
「そうよ。レーデンブルクにもあるはずよ。城に邪族が攻めてきた場合も考えて、非常用の隠し通路がね。」
「確かにありますね。」
「凄腕の忍者になるとね、相手から完全に気配や殺気を隠し、隠し通路を使って誰にも悟られないように相手を暗殺することも出来るの。この屋敷に忍者がいるということは、必ず隠し通路があるはずよ。定番だと、そこの掛け軸の裏とかにあるわね。」
「あ、お姉様、ありましたけど、南京錠で閉じれられています。」
《ガク》 本当に、そんな定番な所に作らないでよ。
この鍵じゃあ、無理か。他の出入口は、さっきの庭園に繋がっているものと、反対側にもあるけど、南京錠で閉じれられており、鍵も合わなかった。これ以上ここにいても意味がないので、玄関に戻り2階に行くか、それとも右側の廊下を進むか思案していると、
「あ、お姉様、階段の途中に鞠があります。取ってきますね。」
鞠?さっきまで、そんなものはなかったはず。不味い、罠だ!
「フィン、階段から離れなさい。イリスは戻って来なさい。」
イリスは階段の真ん中に置いてある鞠を取ったところだった。その瞬間、階段の凹凸がなくなり、私のいる階段の1段目のところに大きな落とし穴が現れた。これは不味い!なんとか、出っ張りがあった所に手を掛けたが、ナイスタイミングでイリスが滑り落ちて来た。仕方ない。
「いや~~~~!」
「フィン、イリスをそっちに投げるわ。私は地下から攻略するから、貴方達はジンとリッカと合流してから1階と2階を攻略しなさい。イリスを任せたわよ。フィン、受け取って~~~」
落とし穴が閉じる瞬間にイリスをフィンに向けて投げた。そして、落とし穴は閉じられ、私は下へと闇の中に落ちて行った。
○○○ イリス視点
お姉様が、私の所為で落とし穴に落ちてしまった。私が不用意に2階に上がらなければ、うう。
「イリス、聞こえてる?イリス!」
「は、はい!」
「落ち込んでる暇はないよ。師匠は大丈夫。まず邪神だから死なないだろしね。起こったことを後悔してもしょうがないよ。これから気をつければいい。私達は、ジンさんとリッカと合流して4人で攻略していきましょう。」
「は、い、そうですね、切り替えていきます。」
そうだ、この失敗を次に活かそう。
「集合時間まで、あと30分。それまで玄関から右側の廊下を調べてみよう。」
フィン姉と一緒に右側の廊下を恐る恐る歩いて行くと、1つの部屋と外に出るドアがあった。その部屋は、普通に入ることが出来た。なんというか、よくわからない服が数多くあった。さっきの侍ゾンビが着ていた服と似ているけど、どこか違う感じがする。ここは、更衣室なのかな?部屋に入って色々と物色したけど、アイテムらしき物は見当たらなかった。
「フィン姉、この服とかどうする?どう見ても、いらないと思うけど?」
「う~ん、何かに役立つかもしれないから、一応全部もらっておこう。」
この屋敷は、いつからここにあるのだろうか?お姉様の話では、元いた世界のお姉様が生きている時代から500年くらい前のものらしい。500年前、こちらに引き込まれたのかもしれないと言っていた。出来れば、全員浄化して上げたい。外に出るドアを開けると、道が続いていて、奥に大きな家があった。さっき、屋敷の門から見えていた家だ。お姉様は道場と言っていた。あそこに何かあるのかな?
《ぎゃあ~~~!》
「え、叫び声、ゾンビとは違いますよね?」
「イリス、行ってみよう。」
道場に入ると、そこには侍ゾンビのような人達が15人程正座していた。------そして、3人の冒険者が息絶えていた。え、何これ?
「ゾンビに殺されたんですよね?」
「そうだと思うけど、何か雰囲気が----え、冒険者3人が動き出した。」
うわ、気持ち悪い。左肩から右太腿まで斬られた人?、首が半分とれかかってる人?、左胸を刺し貫かれた人?が変な声を出しながら、こっちにゆっくり歩いて来てる。
「フィン姉、もしかして狙われてる?」
「うん、狙われてるね。」
「う~~あ~~」「あ~~~」「う~~~~う~~」
フィン姉が動き出したので、私も動いた。
「イリスは前方のゾンビ1体、私は奥2体をやるわ。」
「はい!」
私は、冒険者ゾンビの所に行くと、剣で攻撃してきた。あれ?でも、遅い。このダンジョンはAクラスだから、この冒険者もAクラスのはずだけど、なんで?何度攻撃されても遅い。これなら、
「遅いです!そこ!」
大きな隙が出来た右側から首に短剣を刺し込みました。冒険者ゾンビは浄化され崩れ落ちました。なんか、呆気ないです。フィン姉も、すんなり浄化出来たんで呆然としています。もしかして、死んだばかりだから、完全にゾンビとなっていなかったのかもしれませんね?
私達が考えている間に、肩まで髪があり、口髭を生やしたお爺ちゃんゾンビがこっちに来た。うわ、全然気付かなかった。そうだ、ここには15人の侍ゾンビがいるんだ!
あれ?そういえば、さっきから襲ってくる気配が全くしません。
「うあ~~~~、お前らも試合を望むか?5人抜きすれば、我が道場に伝わる名刀、小太刀【十六夜】を与えよう。いかに?」
えー、5人抜き、出来るわけないわ。でも、この人達もゾンビハウスに彷徨っているんだよね。
「----あそこに置かれてる小太刀【十六夜】、かなり強力なのがわかる。長さからみて、イリスにぴったりだよ。この勝負受けよう!」
「いくらなんでも無茶です!せめて、ジンさんとリッカさんと合流してから、ここに来ましょう。それなら、対処出来ると思います。」
「そうだね、2人だけじゃ、何かあった時、対応出来ないか。よし、試合は止めておきます。」
「あ~~、なら、ここから去れ!」
フィン姉と一緒にここから離れ、一旦屋敷の玄関に戻ってきた。
「フィン姉、5人抜きなんて無茶だよ。相手のゾンビ達からも、かなり強い邪気が出ていたよ。」
「うん、でも私は戦ってみたい。今の自分がどこまで通用するのかを確かめたい。」
それは無謀だよ。
「せめて、ジンさんに相談してみよう。選択を誤ったら、さっきの冒険者のようになるよ。」
とりあえず、玄関から外に出て、屋敷の門の所でジンさんとリッカさんが来るのを待った。2人は、10分程で戻ってきたので、お姉様がいない事情を説明した。すると、渋い表情をした。
「すいません、私が不用意に階段に上がったから。」
「それはいい。サーシャ様は問題ない。あの方に、万が一はあり得ない。それより、フィン、5人抜きに挑戦するつもりか?死ぬ可能性もあるぞ。」
そっか、みんなお姉様なら、絶対大丈夫と信じているんだ。
「はい、わかっています。でも、今の自分の力量を試してみたいんです。それに成功した時のアイテムがどこかで必要かもしれません。やらして下さい!」
うう、フィン姉、本当にやる気だ。
「---本気か。道場といったか。なるほど、強い邪気を感じるな。今のフィンなら、成功確率は五分五分といったところか。とりあえず、女神像のあった部屋に移動しよう。そこで、昼食だ。」
「ジン、昼食作れるの?」
「前もって、サーシャ様から弁当というものを頂いている。分断されることも考えて、俺に弁当を持たせてくれたんだ。」
「おー、じゃあ早く食べて、その5人抜きの道場というところに行ってみよう。フィンがどこまでやれるか見てみたい。」
リッカさんは相変わらずだな。面白ければいいのだろうか?
「イリス、心配するな。万が一の時は、俺が助ける。そうなった場合、俺もフィンもゾンビハウスを追い出されるだろうがな。フィンが死ぬよりましだろ。」
「はい、お願いします。」
やっぱり、ジンさんは頼りになる。屋敷に入り子供部屋に移動し昼食終了後、ジンさんとリッカさんの進行状況を聞いた。
屋敷周辺のゾンビを討伐する時、当初は聖属性を込めず、普通に斬り伏せていたらしくて、討伐しても無限に出てきたそうだ。そこで、途中から聖属性を込めて討伐していくと、同じゾンビは現れなくなったみたい。やっぱり、全てのゾンビを浄化していけばいいんだ。多分、ゾンビハウスのクリア条件は、任務を全うする以外にも、全てのゾンビを浄化するというのもあるはずだよ。だって、マルコ遺跡のゾンビハウスに、魂が一生囚われの身なのは可哀想だ。絶対全員浄化しよう。あの道場のゾンビ達は、どう考えても私じゃ太刀打ち出来ない。フィン姉に頑張ってもらうしかない。危ない時は反則になるけど、私が魔法で治療すればいい。
「よし、準備は整ったな。道場とやらに行くぞ!」
「ねえねえ、ジン、フィンが終わったら私も5人抜きやっていいよね?」
「あのな、多分無理だ。浄化されたゾンビは、2度と復帰しなかった。」
「あー、そうだった。う~ん、仕方ない。見学しておくよ。」
「ほお、賢くなったじゃないか。リッカの事だから、フィンより先に挑戦すると思ったぞ。」
「ぶー、それをするとフィンにとったら有利になるかもだけど、公平じゃないでしょ。5人抜きをやるんなら、お互い公平じゃないとね。」
おー、リッカさんがなんか賢く見える。あ、ジンさんも頭を撫でてる。
「賢くなったな、その通りだ。」
「ジンに褒められても嬉しくない。サーシャ様に褒めてもらいたいよ。」
「リッカ、師匠と合流したら言ってあげるよ。」
「本当!ありがとう、フィン。頑張ってね。」
道場に到着した。ここを開けると、5人抜きが始まる。
フィン姉、頑張って!
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