邪神を喰った少女は異世界を救済します

犬社護

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4章 ガルディア帝国 闘技会編

闘技会と裏の陰謀

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さて、昼食といきたいところだけど、シュリに一言言っておかないとね。

「シュリ、昼食だけど、私の世界にある中華料理というものを作ってみたの。この料理を1人分ずつに分けるか、それとも大皿にしてみんなで分けるか、どちらを選択する?」

シュリの選択によって、食事の風景は違ってくるだろう。

「どうして?大皿で良いじゃないか。」

やはり、そちらを選択するか。

「わかったわ。私は、自分用を別に用意してあるから、シュリはみんなと食べてね。」
「サーシャも一緒に食べたらいいのに。」
「巻きこまれたくないのよ。」
「は?」

「師匠は不参加で、シュリさんが参加ですね。それでは、リッチさんとシュリさんは今からライバルです。」

「お姉様が不参加ですね。リッチさん、シュリさん、私を子供だと思って甘く見ない方がいいですよ。」

「くかか、イリスよ、強くなったな。子供だからとて、容赦はせん。」

リッチは、既に臨戦体制ね。

「え、なんだよ?今から戦争でも始まるかのような雰囲気なんだが?」

私は、無言で中華料理を『アイテムボックス』から取り出した。

「なんだ、この香ばしい香りは?これが、中華料理!」

「シュリ、料理名は面倒くさいから省くけど、この料理はこのタレに浸けて食べてね。みんな、このままだとシュリが不利だから一口ずつ食べてもらいましょう。公平に勝負しないとね。さあ、シュリどうぞ。」

全員が頷いた。

シュリはポカンとしながら、各料理を一口ずつ食べていった。すると、顔付きが次第に変わっていった。言葉の意味を理解したようだ。

「さあ、始めようか。」

「それじゃあ、みんな召し上がれ。」

すると、予想通り餃子に群がった。あ、シュリだけは青椒肉絲に手を出した。そして、みんなが餃子を取って隙間が出来た瞬間、そこから4個いっぺんに掬い取った。

「あー、シュリが4個も一気にとった。なら」
「リッカ、手で餃子を取ろうとしたら問答無用でお仕置きだからね。」
「ひ!はい。」

シュリは隙間隙間を見つけて、上手く餃子をGETしてるわ。側から見たら、完全に上級者だ。

「リッカ、その程度なのかい?」
「なにお~。」
「くはは、シュリもやりおるな。」

リッチ、姿と言動が合っていないわよ。

その後、戦争は続き、1番の勝利者は意外にもイリスだった。始めは、イリスも餃子に群がっていたが、途中で餃子だけが中華料理ではないことに気づいたのだろう。要所要所に他の料理にも手を出し、全ての料理をバランス良く食べていた。今回の脱落者はリッカだ。自分の1番の好物ばかりに集中していたせいで、他の料理に殆ど手を出さなかった。気付いた時には手遅れだった。普通に食べていれば、全員に間違いなく行き届く量があるはずなのに。不思議だ。

「あー負けた~。青椒肉絲や酢豚が食べれなかった~。悔しい~。ケフ」
「リッカ、寝転んで動けない状態で言っても、悔しさが伝わってこないわよ。」

全員ダウンしている。

「サーシャ、こんな美味しい料理、生まれてはじめてだ。闘技会が片付いたら、是非、ガルディア帝国に広めてくれないか。」

「ええ、構わないわ。あなたが皇帝に即位したら、広めてあげる。」

「ありがとう。絶対に皇帝になってみせる。」

料理目当てで、皇帝になるのもどうかと思うけど。
こうして、昼食という名の戦争は終わった。


◯◯◯


昼食が終わり、一息付いてから闘技会の話となった。

「現在のガルディア帝国の現状だが、第1皇子である俺を推す派閥と第2皇子スオウを推す派閥がある。本来、王国の場合は王と王妃の血を継ぐ長男が次の王となるのが普通だ。だが、ガルディアは違う。ガルディアが求めるのは力だ。求心力だ。現皇帝は俺と同じで、現状の国を第1とし守ろうとしている保守派だったため、力は五分だった。しかし、俺が行方不明扱いになったため、次期皇帝はスオウとなっている。あいつは、純粋な力、軍事力で世界を征服するつもりだ。影で戦争の準備を着々と進めていた。そして、あいつは邪族と手を組んだ。これは、許せない行為だ。これまでの情報をまとめると、あいつはこの闘技会で邪族達を呼び出し現皇帝を始末し、その後自分の力で邪族達を退け皇帝に即位するつもりだろう。どうあっても、それを避けたい。頼む、力を貸してくれ!」

シュリは深々と頭を下げた。
返事は決まってるわ。

「シュリ、頭を上げて。私で良ければ、力を貸すわ。闘技会にはリッカも参加するし、丁度良いでしょう。」

「実は、俺も参加するんだ。本戦で正体を明かすつもりだ。」

なるほど、闘技会の会場で正体を明かし、スオウの陰謀をばらす算段か。

「面白いわね。シュリはスオウの陰謀を暴くことに集中すればいい。私達は、襲ってくる邪族達を殲滅するわ。あと、皇帝には『ディストーションフィールド』をかけておきましょう。」

「げ、あの魔法か。リッチから聞いているよ。どんな手段を用いても破れない魔法だよな。心強いよ。」

闘技会まで、あと3日か。装備を整えておこう。

「シュウの剣を見せてくれない?」
「ああ、このミスリルの剣だ。」

ふむ、なんの工夫もない普通の剣だ。これを改良しよう。

「シュウ、あなたの得意属性と魔法操作のレベルを教えて。」
「空間魔法8、氷魔法8、魔法操作9、魔力循環9、リッチから教えてもらった魔力纏いは7だ。」

上出来だ。

「貴方には、この3日で時空魔法を覚えてもらいます。時空魔法をレベル2にすればグラビティと瞬間移動が自由に使用可能となる。瞬間移動は短距離用の転移だけど、必ず役立つはずよ。そして、もう1つ氷魔法の真髄を教えます。」

「な!時空魔法。氷魔法の真髄!わかった、よろしく頼む。」

「フィンとイリスも、今の自分の強さを知っておきなさい。シュリと模擬戦すれば、良い勉強になるわ。」

「「はい!」」

「それじゃあ、今からゾンビハウスに行きましょう。まだ、やり残したことがあるしね。」

閉鎖しているゾンビハウスに行けば、訓練をしてもばれないでしょう。


○○○


「ここがゾンビハウスか。見たこともない建物がいっぱいあるな。噂のゾンビが出てこないぞ?」

そういえばマルコ遺跡を掌握したことは言ってなかったわね。私は、マルコ遺跡とゾンビハウスを掌握したことをシュリに詳しく話した。

「おいおい、それじゃあ今までのゾンビは異世界から無理矢理召喚された元人間だったのか!その涼見て野郎は許せないな。ところで、ここを掌握したということは、ダンジョン自体を自由に設計出来るのか?」

「ええ、出来るわよ。ただ、今は時間がないから設計は当分このままね。私はやり残したことをやっておくから、皆んなはここで訓練していてね。あと、シュリはこっちのミスリルの剣を使ってね。貴方のは今から改良するから。時空魔法に関しては、リッチに教えてもらいなさい。私も仕事が終わり次第、訓練に付き合うわ。」

「え、改良?ま、まあ俺は訓練をしておくよ。」

皆んなから離れた位置に移動し、早速時空魔法で私の専用空間(宿屋)と精神空間(邪神がいた空間)をこちらに引き寄せ、魔力で繋いだ。これで、ユニークスキル『フリードリーム』が使える。試しに使ってみよう。洋風ゾンビ1体でいいかな?とあるゲームを参考にしてみよう。異様に怖くして、気配遮断レベルMAXが出来るように設定する。基礎能力値は6000くらいかな。

「よし、出てこい洋風ゾンビ!」

地面が光り、大きな魔法陣が現れた。そして、---

『ああ~~~~~』

「やった、成功!うんうん、基礎能力値も6000だし問題ないわね。それに以前の和風ゾンビより怖いし雰囲気も出てる。やはりゾンビハウスというのだから、和風ゾンビと洋風ゾンビ両方出していこう。試しに、訓練中のイリスに襲ってみよう。今から、イリスを襲いなさい。」

『あ~~』

洋風ゾンビはノソノソと歩き出し、訓練中のイリスに近づいた。

「ふぇ、イリス、後ろにゾンビがいるよ!」
「え、きゃあ~~~!なんで、いつの間にゾンビが!」

あ、イリスに不意打ちは出来たものの1発で浄化された。でも、気配遮断は効いてるわ。このスキルは、必ずゾンビに入れておこう。

「お姉様、急に何するんですか!」

「ごめんね、ユニークスキルが使えるか試したのよ。バッチリ使えたわ。これで、新生マルコ遺跡とゾンビハウスを製作出来る。」

「あのゾンビ、今までのどのゾンビより怖かったんですけど。」

「そりゃあ、そう設定したからね。新生ゾンビハウスは、時間は夜だけにして、今のような気配遮断付きゾンビを投入するつもりよ。」

「師匠、あのゾンビの気配に全く気付きませんでした。」

「このマルコ遺跡に限り、スキル『気配遮断』を作ったのよ。ゾンビが持つ『気配遮断』のレベルが、冒険者達の『気配察知』のレベルを下回らない限り、ずっと不意打ちされることになるわ。」

「師匠のユニークスキル、なんでも出来ますね。」
「よし、次は武器の製作だ。さあ、2人とも訓練に戻って。」
「お姉様、もうゾンビはやめて下さいね。」

このユニークスキルが、スフィアタリアの世界でも使えたら良いんだけどね。さすがに現状は出来ない。次は、シュウの武器製作だ。そもそもミスリルは銀が魔力を浴び進化したものだ。そのせいか魔力伝導は良いけど、硬度がイマイチなのよね。仮にミスリルを一段階進化させても、オリハルコンと同等になる。それじゃあ面白くない。シュウの得意属性は氷だから、氷特化型の聖剣を作ろう。それなら面白い物が出来る。

ミスリルの剣+私の魔力(氷・聖属性付き)でいいかな?

ミスリルの剣に限界まで魔力を入れる。後は、1日程待つだけだ。『アイテムボックス』に入れておこう。基本、この魔法の中では時間の流れがストップしているけど、任意で決めれるから便利だ。私の剣の方は、やっと一段階進化した。それでも、まだ未完成だ。こんな時に『フリードリーム』が使えればいいのだけど、このスキルは直接もしくは間接的に関与した物にも影響を与える。例えば、『フリードリーム』で『進化促進』という新スキルを作り、それで先程のミスリルの剣の進化版を作ったとしよう。『フリードリーム』が有効なマルコ遺跡では使えるが、外の世界に出た途端、進化が解除され元のミスリルの剣に戻ってしまうのだ。私の精神世界が関与した部分だけに有効なのだ。不便すぎる。まあ、それは元々わかっていたことだからいいけどね。

次は、フィンの新型武器だ。もう進化は終わっているわね。『アイテムボックス』から取り出すと、私の紫電やジンの叢雲同様、色は漆黒、聖属性が込めらているしいか、刃は白銀だった。ふむふむ、硬度や魔力伝導も問題なしね、中々の逸品だ。この聖爪の名前は、麒麟かな。今のフィンの強さにピッタリ合うだろう。

フィンに渡そうと訓練中の場所の戻ると、フィンが泣いていた。

「ちょっとシュリ、なに女の子を泣かせているのよ!」
「誤解だ!俺じゃない。訓練中にフィンのミスリルの爪が折れてしまったんだ。」

「師匠、治りますか?」

2つのミスリルの爪を見ると、見事に全部折れていた。

「ここまでくると、修復は不可能でしょうね。ゾンビハウスで、かなり酷使していたから限界がきたんでしょう。」

「そんな~~!う、うう、私の武器が~~~。」

「フィン安心しなさい。貴方用の新たな武器が完成したところよ。今日からは、こちらを使えばいいわ。」

そう言って、フィンに2つの聖爪を見せた。

「ふぇ~~!なんですか、この爪は!凄くかっこいい。私が使っていいんですか?」

「ええ、いいわよ。ミスリルの爪にあったアクアマリンを付けて、これで完成よ。その武器の名前は麒麟と名付けたの。フィンの武器に関しては普段一緒にいるし、重心の位置や手首の動かし方ど様々なことを把握しているから、私自らがミスリルの爪を参考に魔力でイメージし、形態を変化させて製作したのよ。使い心地はどうかしら?」

フィンが装着し、動き回っている。

「ふお~~、凄いしっくりきます。これなら大丈夫です。師匠、ありがとうございます。」

うん、問題ないみたいね。
残り3日の間に、イリスの小太刀十六夜も進化させておこう。杖に関しては、現在製作中だ。この調子でいけば、十分間に合う。


闘技会に出場するのはリッカのみだけど、この3日間でみんなを鍛えてやる。現状の強さを覚えてもらおう。
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