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第三章 水面下で蠢く者たち
37話 ルーテ、精霊の友達をGETする
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「ルーテ様は、光の帝異精霊です」
誰もいない校舎屋上での事情聴取、開口一番、闇精霊イルカから聞かされた言葉は、私の心にとても響く者でした。
え…私が第二位の帝異精霊?
位はフューイ様よりも上!?
アルテイシア様から聞いた限り、《特異》以上の高位精霊の数は全世界においても非常に少なく、《精霊王》が各属性に一体、《帝異》は各属性に十体前後、《特異》は各属性に五十体前後と言われています。
まさかとは思いましたが、私の位は《帝異》になるのですね。
精霊になって以降出会ったのはイルカとフューイ様のみ、基準がわからなかったこともあり尋ねたのですが、まさか帝異とは思いもしませんでしたわ、
「あの…精霊の場合…属性に関係なく同族であれば、本能ですぐに察知するはず…なの…ですが…」
本能ですか。
だから、私を見て怯えながら、失礼を承知の上で、今の言葉を紡いでいるのね。
「そんなに怯えなくても大丈夫よ。《精霊の理》に関しては子供レベルの知識しかありませんが、《人の理》があるおかげで、今の私の精神年齢は十八歳前後と思われます。ですから、愚かな行為に走ったりなどしません」
この言い方で理解してくれたのか、私への警戒心がかなり薄れたようですね。
「《精霊の理》をより深く知る上で、どうしても精霊仲間が欲しいと思っていたんです。私の協力者になっていただけませんか?」
「闇精霊の私がですか?」
首を横に傾げる仕草が、とても可愛ですわ。
こう、ぎゅっと抱きしめたくなりますわね。
「属性など関係ありませんわ。私の《協力者》兼《友達》になってほしいの」
「と…友達!?」
友達という言葉が心に響いたのか、とても顔を赤くし両手をほっぺに当ててモジモジしています。う~ん、本当に抱きしめたい気持ちに駆られますわ。
「わかりました!! よろしくお願いします!!」
やりましたわ!!
精霊になって、初めての同族のお友達ができました!!
私の事情に関しては、まだ全てをお話ししていませんが、今はこの程度にしておきましょう。次は、イルカの事情を聞いて、事件の詳細を把握しましょう!!
○○○
イルカから暴走寸前に至った経緯を聞いたのですが、はっきり言って私でも腹が立ちましたわ。あの三人を八つ裂きにしてやろうかとついポロッと口に出してしまったことで、イルカが涙目になって私に抱きつき、『もうお仕置きしましたので、それだけはご勘弁を』とウルウルした泣きそうなお顔で訴えてきたので、怒りも消失しました。
話によると、アレンの言葉がイルカに突如聞こえてきたため、とても驚きはしたものの、彼の魔力はとても心地よく自分に安らぎを与えてくれることを理解したため、彼女は召喚に応じ、召喚された訓練場にて主従契約を結んだとのこと。
ここまでは良かったのですが、突如あの三人組が乱入してきて、新たな主人となったアレンの悪口をこれでもかというくらい言い放ち、そのうちの一人が【そんな奴よりも私こそが君の主人に相応しい。私と契約を結び直さないか?】と言ったところで、堪忍袋の尾が切れたようで、アレンを巻き込んだ状態で暴走寸前に陥ってしてしまい、学園の結界やチェルシーの説得(?)もあって、ギリギリのところで踏み止まれたようです。
「お馬鹿さんは、どこにでもいるようですね。おそらく、その三人は最低でも停学処分になりますわ。期間中に自分たちの非を認めないようであれば、退学処分か、最悪貴族籍の剥奪もありえます」
「え、剥奪!? そこまでの処分が課されますか?」
「通常であれば停学処分だけですむでしょうが、時期が悪かったですね。七日前の王族主催の誕生日パーティーにて、何者かが《立志の儀》を邪魔し、犯人もまだ逮捕されていません」
その三人のうち主犯格ともいえる男の子はアレンと同じ侯爵令息で、常に彼を落ちこぼれと揶揄し虐めていた。馬鹿な男たち、この時期にそんな事をすれば、自分たちの家も犯人として疑われるかもしれませんのに。大方、闇精霊と契約した彼に嫉妬し、あわよくば自分のものにしようと企んでいたのでしょう。
「うわあ~、あの三人組は大馬鹿者ですね。私的には国外追放を望みます!!」
流石に、それは行き過ぎた行為です。
「気持ちはわかりますが、教師たちに主張してはいけませんよ。精霊は人に敬れているため、下手に発言すると、その提案が通ってしまう可能性があります。今後はアレンにちょっかいをかけてこない限り、無視しておけばいいですわ。もし、何か大きく仕掛けてくるようであれば、その時はあの子たちの心に……一生癒えない恐怖を刻み込めればいい。チェルシーの言った通り、殺せばそれで終わりですから」
「は…はい…そ…そうですね(ひい~~~目が笑ってないよ~~~。チェルシーの言葉は少しずつ私の心に響いたけど、ルーテ様の場合は力の奔流を制御できていないせいもあって、たったあれだけの言葉で、私の障壁を無視してストレートに心に入ってくるよ~~。あの方の負の言葉を聞き過ぎたら、人だけでなく、私たち下級精霊も死んじゃうよ~~~。この方を怒らせたら絶対にダメだ~~~。あの三人組、もう学園に来るな~~~)」
私としては柔かな笑みを浮かべたつもりで言ったのですが、その時の顔が余程怖かったのか、イルカの顔は真っ青になっています。何か言い方を間違えたでしょうか?
「それよりも、身分差交流演習のことをお話ししましょう。今後、イルカやアレンとも長いお付き合いになりますからね」
私がこの制度について説明すると、イルカは目を輝かせ、また《チェルシーと会える!! しかも、一緒に寝れる!! 添い寝してもらおう!!》と大喜びしていました。イルカの外見なら添い寝しても全く問題ないのですが、どうしてあの説教を受けて、そこまで好かれるのかが不思議ですわ。
誰もいない校舎屋上での事情聴取、開口一番、闇精霊イルカから聞かされた言葉は、私の心にとても響く者でした。
え…私が第二位の帝異精霊?
位はフューイ様よりも上!?
アルテイシア様から聞いた限り、《特異》以上の高位精霊の数は全世界においても非常に少なく、《精霊王》が各属性に一体、《帝異》は各属性に十体前後、《特異》は各属性に五十体前後と言われています。
まさかとは思いましたが、私の位は《帝異》になるのですね。
精霊になって以降出会ったのはイルカとフューイ様のみ、基準がわからなかったこともあり尋ねたのですが、まさか帝異とは思いもしませんでしたわ、
「あの…精霊の場合…属性に関係なく同族であれば、本能ですぐに察知するはず…なの…ですが…」
本能ですか。
だから、私を見て怯えながら、失礼を承知の上で、今の言葉を紡いでいるのね。
「そんなに怯えなくても大丈夫よ。《精霊の理》に関しては子供レベルの知識しかありませんが、《人の理》があるおかげで、今の私の精神年齢は十八歳前後と思われます。ですから、愚かな行為に走ったりなどしません」
この言い方で理解してくれたのか、私への警戒心がかなり薄れたようですね。
「《精霊の理》をより深く知る上で、どうしても精霊仲間が欲しいと思っていたんです。私の協力者になっていただけませんか?」
「闇精霊の私がですか?」
首を横に傾げる仕草が、とても可愛ですわ。
こう、ぎゅっと抱きしめたくなりますわね。
「属性など関係ありませんわ。私の《協力者》兼《友達》になってほしいの」
「と…友達!?」
友達という言葉が心に響いたのか、とても顔を赤くし両手をほっぺに当ててモジモジしています。う~ん、本当に抱きしめたい気持ちに駆られますわ。
「わかりました!! よろしくお願いします!!」
やりましたわ!!
精霊になって、初めての同族のお友達ができました!!
私の事情に関しては、まだ全てをお話ししていませんが、今はこの程度にしておきましょう。次は、イルカの事情を聞いて、事件の詳細を把握しましょう!!
○○○
イルカから暴走寸前に至った経緯を聞いたのですが、はっきり言って私でも腹が立ちましたわ。あの三人を八つ裂きにしてやろうかとついポロッと口に出してしまったことで、イルカが涙目になって私に抱きつき、『もうお仕置きしましたので、それだけはご勘弁を』とウルウルした泣きそうなお顔で訴えてきたので、怒りも消失しました。
話によると、アレンの言葉がイルカに突如聞こえてきたため、とても驚きはしたものの、彼の魔力はとても心地よく自分に安らぎを与えてくれることを理解したため、彼女は召喚に応じ、召喚された訓練場にて主従契約を結んだとのこと。
ここまでは良かったのですが、突如あの三人組が乱入してきて、新たな主人となったアレンの悪口をこれでもかというくらい言い放ち、そのうちの一人が【そんな奴よりも私こそが君の主人に相応しい。私と契約を結び直さないか?】と言ったところで、堪忍袋の尾が切れたようで、アレンを巻き込んだ状態で暴走寸前に陥ってしてしまい、学園の結界やチェルシーの説得(?)もあって、ギリギリのところで踏み止まれたようです。
「お馬鹿さんは、どこにでもいるようですね。おそらく、その三人は最低でも停学処分になりますわ。期間中に自分たちの非を認めないようであれば、退学処分か、最悪貴族籍の剥奪もありえます」
「え、剥奪!? そこまでの処分が課されますか?」
「通常であれば停学処分だけですむでしょうが、時期が悪かったですね。七日前の王族主催の誕生日パーティーにて、何者かが《立志の儀》を邪魔し、犯人もまだ逮捕されていません」
その三人のうち主犯格ともいえる男の子はアレンと同じ侯爵令息で、常に彼を落ちこぼれと揶揄し虐めていた。馬鹿な男たち、この時期にそんな事をすれば、自分たちの家も犯人として疑われるかもしれませんのに。大方、闇精霊と契約した彼に嫉妬し、あわよくば自分のものにしようと企んでいたのでしょう。
「うわあ~、あの三人組は大馬鹿者ですね。私的には国外追放を望みます!!」
流石に、それは行き過ぎた行為です。
「気持ちはわかりますが、教師たちに主張してはいけませんよ。精霊は人に敬れているため、下手に発言すると、その提案が通ってしまう可能性があります。今後はアレンにちょっかいをかけてこない限り、無視しておけばいいですわ。もし、何か大きく仕掛けてくるようであれば、その時はあの子たちの心に……一生癒えない恐怖を刻み込めればいい。チェルシーの言った通り、殺せばそれで終わりですから」
「は…はい…そ…そうですね(ひい~~~目が笑ってないよ~~~。チェルシーの言葉は少しずつ私の心に響いたけど、ルーテ様の場合は力の奔流を制御できていないせいもあって、たったあれだけの言葉で、私の障壁を無視してストレートに心に入ってくるよ~~。あの方の負の言葉を聞き過ぎたら、人だけでなく、私たち下級精霊も死んじゃうよ~~~。この方を怒らせたら絶対にダメだ~~~。あの三人組、もう学園に来るな~~~)」
私としては柔かな笑みを浮かべたつもりで言ったのですが、その時の顔が余程怖かったのか、イルカの顔は真っ青になっています。何か言い方を間違えたでしょうか?
「それよりも、身分差交流演習のことをお話ししましょう。今後、イルカやアレンとも長いお付き合いになりますからね」
私がこの制度について説明すると、イルカは目を輝かせ、また《チェルシーと会える!! しかも、一緒に寝れる!! 添い寝してもらおう!!》と大喜びしていました。イルカの外見なら添い寝しても全く問題ないのですが、どうしてあの説教を受けて、そこまで好かれるのかが不思議ですわ。
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