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どこにでもある話と思ったら、まさか?
しおりを挟む蒸し暑い夜だった。
たしか、ニュースでイケメンキャスターが、ストロベリームーンがどうのこうのとか言っていたような…。
不況の煽りをくらい、本日、リストラ対象だとわかってさ…。
まあ、なんとなくわかっていたことだったけどさ…。
両親は、俺が幼いときに離婚し、女手ひとつで育ててくれた母も他界し、頼れるとこもないしな…。
身軽だからかな、仕事は、まあまあできるほうだったんだがな…リストラ対象に一番に上がっても仕方ないよな。
現実逃避したくて、居酒屋に寄り、かなり呑んだかな?いやいや、そんなに呑んでないかな?
なにも考えられず、ただフラフラと、酔い冷ましがてら、空を眺めながら歩いていると
突然、足元がフワリとしたカンジになり、
「あっ……。」
そのまま暗闇に落ちたと思う間もなく、吸いこまれてしまった。
ここは何処?と、周囲を見渡してみると、
どうも、森の湖畔みたいだが…。
たいして飲んでないハズ?と、ありきたりな方法だが、自分の頬を抓ってみた…うん、痛いや。
世の中にある、今流行っているような、ライトノベルスみたいだなあ~~なんて思うと、
なぜだか笑いがこみ上げてきた。
やっぱり、酔ってるのだろうか。
しかしさ、夢にしては、本当にリアルだなあ~。
さて~と、夢だとしても、こういうのは、楽しまなくちゃな!
いつなんどきも、愉しむをモットーに、生きなさいって、
母さんに言われて育ってきたからなっ。
まあ、育った割には、平均身長並っていうところは、まあ
愛嬌で!!
年齢的というかな、人間としての育ちかただな!これは!
月明かりぐらいしかないとこで、一人だと、淋しいし、怖いし…
ひとりボケ・ツッコミしても許されるよな?
まあ、こんなときに、女子としたら、白馬に乗った王子様が現れるっていうのがお約束だろうがな~~。
残念ながら、俺、男なんだよな…。
寂しさのあまりに、延々とひとりボケ・ツッコミしそうだったが、何やら軽快な馬らしき足音が…?
まてよ、ここって、JR○ですかっ?
良い子の皆さん、J○Aは、公営ギャンブルだから、大人になってからですよ!
自分でも、酔っぱらいの戯言だとわかってるが、
ひとりボケ・ツッコミが止まらない。
そんなこんなでいると、目の前には、白馬ならず芦毛(灰色)の馬だった。
う、う~ん、ビミョー?ここは、白馬っしょ?
酔っぱらいのアホな頭で、馬の毛色が、白馬でなく、芦毛?
惜しい!とか考えていると、
馬上から「そこのキミ、こちらに光る玉が降ってきたが、何か見かけなかったかな?」
おおっ~!!
白馬は惜しかったが、月明かりでもわかるイケメンぶりっ!
白に近い長いブロンドを肩のあたりで、紐で縛ってあるのもなかなか似合うね~。
ん?
なぜに、いかにもヨーロッパ系のイケメンが、バリバリ日本語?
オモロイ!
スゴイぜっ、オレの夢。
そんな脳内のひとりツッコミをしていたが…。
ブロンドイケメンの横から、
黒っぽい青鹿毛に乗っていた、全身黒ずくめのうえ、黒い髪の男が、これまた嫌味な程のイケメンが出てきて、なにやら話しかけてきた…って、
「オイッ、お前、聞こえていたなら、殿下に返事くらいしてみたら、どうだっ?その耳はお飾りかっ?」
こんの!2人ともの顔面偏差値高めって!
イケメンばかり嫌がらせですかっ?
ここは、美女がよかったんですけど?
それにしても、うわっ~~ないわ~。
同じイケメンでも、ブロンドイケメンは、穏やかな話し方だけど、この黒髪イケメンの横柄な態度~~~!
いくらイケメンでもモテないと思いませんか~?
ねえ、そこのお嬢さん?
だからさ、俺、ついつい言い返しちゃってさ。
「はっ?誰だよオマエ? ヒト様に尋ねるときの態度がなってねえって、母ちゃんから教わんなかったんかいっ?って、光る玉って知らないしっ!」
あ~~っ、やっちゃったよ…売られたケンカどころか、棚にしまってあるケンカまで買っちゃう俺のバカー!!!
一瞬の沈黙のあと、なぜだか、ブロンドイケメンがいきなりの大爆笑…。
ひとしきり笑ったあと、馬からヒラリと降り立ち
「いやあ~、こんなに笑ったのは久しぶりだな。私は、アズーリ国のヘンリーだ。一応、これでも第2王子。よろしく」
ぐはっ、なんだって?
マジ、本物の王子様かあ~~。
そのきらびやかな王子様が続けて言うには、
「それでこちらは、私の片腕であり、乳兄弟のエドワードだ。」
黒髪イケメンの憮然とした表情…それでもイケメンって?
うへ~~、2人とも、馬から降りて、頼んでもないのに傍に来たが、ひとことでいうとデカイ!!
何食べたら、そこまで大きくなれるんかいな?
平均身長はあるオレより、アタマ一つ分くらいは、大きいぞっ!
そこんとこを詳しくお聞きしたいものだ!
二人とも、軽く2メートル超えてる…。
ふむ。
それにしても、夢オチにしては、なかなかの現実味を帯びてるなあ~。と、惚けてると、
「殿下が、わ・ざ・わ・ざ 名乗ったんだぞ。
で、オマエは何者だ?答え次第では、ただではおかないが。」
やっぱり、コイツ無理~~!と、思ったが、ここは大人の対応をしないとなっ。
ポケットに名刺入れがあったハズ?と、手を入れようとしたら、
いきなり目の前に剣が?
えっ?と、剣の持ち手を見ると、黒髪イケメンこと、エドワードが、抜いた剣をこちらに向けて持ち、睨みつけてきてる。
「あっぶね~な~!! んなもん向けんなよ! 名刺入れを取ろうとしただけじゃん!」
「オマエが怪しい動きをするからだろうがっ!」
「まあまあエドワード。 ところで、めいしいれ?とは?」
「危なくて出せません……」
ちょっと、ビビって涙声になっても許されるよなっ?
「エドワード、剣をしまえ。命令だ。」
イケメン王子の命令には忠実らしく、こちらに向けていた剣を納めた。
あっぶねえヤツだぜ。
「ライフ商事の野山慎之助です」と、いいつつ、懐から名刺入れを出し、名刺を渡した。社畜なオレは、24時間名刺入れを手放さないのさっ。へへへっ。
エドワードに名刺を渡したところ
「こ、これは?」と言いつつ、俺の手を、握りしめてくる…痛いっす。
「いやあ、だから、名刺だって~。野山がファミリーネームで、慎之助が名前だよ。某マンガの主人公とは1字違いだから、覚えやすいでしょ?」愛想笑いをしながら言ってみたが、お国が違うからか、クスリともされなかった。
ここで、営業廻りのとき、大抵は、ウケるんだが?
エドワードは、受け取った名刺をヒラヒラ~と確かめてから、王子に渡している…。
いや、だから、ただの名刺だってばっ!
受け取った名刺を、月明りに照らしながら、眺めてる王子…。
「だ~か~ら、ただの名刺…」
って言いかけた俺の首元に、いつの間にやら、抜いた剣を突きつけてきてるエドワード…なぜに色気たっぷりな視線で持ってコッチを見てる?
やっぱり、コイツの頭って可怪しいって!そう思いませんか?皆さんっ!
色気ダダ漏れ視線と裏腹な、剣を突きつけられてる状況なのにさ、空気を読めなさすぎな王子が口を開く…
「ところで、そなたは、見たところアズーリ国とも、この周辺国の民とも違うっぽいが?」
ヘンリー王子…。お願いです。
俺の首元に剣を突きつけてるこのエドワードさんを、どうにかしてください…。
と、心で念じたせいか、王子の視線一つで、アッサリと、エドワードの剣は、鞘に仕舞い込まれた…が、
ホッとしつつも、なにしてくれんじゃ!このクソイケメン!
爆ぜろっ!って、心の中で悪態をつくくらいは、許されるよなっ?
「日本って国で、昨年の春に大学を卒業してから、東京に住んでおります。」
えっ?なにかマズイこと言ったっけ?
イケメン二人にガン見されてますが??
「ノヤマ…どうも、そなたとは、世界が違うようだな。まあ、ここでは冷えるし、温かい飲み物でもどうかな?」
おっ?さすがは王子!
言われると、なんだか酔いが醒めてきたせいか、肌寒く感じてきたなあ。
無意識に腕を擦っていると、それを見たエドワードがいきなりマントを脱ぎ、俺を包んだと思いきや、そのまま担がれて、気付けば馬上に……。
生まれて初めての乗馬体験が、むくつけきイケメンによって簀巻きにされ、猛スピードで運ばれるなんて思いもしなかったよ。
吐く寸前で、馬から降ろされて周りを見てビックリ!!
いやいや、中世ヨーロッパのお城ってカンジ?
すっげえ…シンデレラ姫とか、出てきそうなお城?
アタマ悪そうな表現しかできなくてスマン!
そのあと、体が冷え切っていたからって、ここは温泉施設ですかっ?ってカンジの風呂を勧められ、美男美女の方々が傅くように洗ってくれようとしたが、ここは一般人として、丁重にお断りしたぜっ。
ヒト様に、お見せできるほどのブツはもっておりませんし……ブツブツ。
それにしても、美男もだが、美女らも結構背が高い…スーパーモデル軍団かあ?
俺って、平均的より、ちょっとだけ小さいせいか(ちょっとだけですよ)目線が上なんだよな~(遠い目)。
お風呂から出て、案内されたお部屋は、他に比べたらこじんまりとしてるみたいだが、俺のアパートの部屋よりかは、めちゃくちゃ広いがな!
キラキラしすぎず、なんだか落ち着けてるなあ。
綺麗な銀髪をひとまとめにし、優雅にお茶を入れてくれるメイド服の美女…。
名前を聞くと、ヒラリーさんだとか…ん?某国の元大統領のご夫人?ひとりボケながらいたが…。ん?なんとなく誰かに似てるような?
酔いは、完璧に冷めてるはずなのに、お茶を頂きながらニマニマすると、いきなりドアが開き、そこには俺を荷物運びしてくれたエドワードが…。
ヒラリーさんが、エドワードのぶんまでお茶を入れているが…。
んん?髪とかの色こそ違えど、ヒラリーさんと、エドワードって、似てるような?
「どうだ?暖まったか?」
そう言って俺の目の前の席に
明るいとこで見るエドワードの瞳って、ヒラリーさんと一緒のブルーオパールみたいな輝きだあ~。
ブルーオパールって、うちの会社で扱っている宝石の一つなんですわ。
ブルーの中に、いろんな色合いが入ってて、とにかく美しい色でさ、俺の語彙力のなさより、Ya○ooで見てくれたほうが…って、なに言ってんのオレっ!
「あっ、うん。いい湯だったよ。ありがとう」
あれ?御礼を言っただけなのに、なぜかエドワードが耳まで赤くなって顔を反らした。
ん?
「あ、あのさ、エドワードもヒラリーさんも同じ瞳の色なんだな~~ってさ」
「ああ、言ってなかったな。ヒラリーは、妹だ。」
「なるほど、瞳の綺麗な虹彩が同じなのは、兄妹だからか~」
エドワードの瞳を覗き込みながら…
うん、納得。
「オイッ、ヒラリーは、ダメだからなっ!婚約者がいるからなっ! まあ、その、なんだがな、自分には決まった相手はいないんだが……コホン。」
ん?
森の中での対応とは違ってませんか?
キャラ変更ですか?
「兄様、ノヤマ様は、お疲れでしょうし。また、明日以後にでも?」
「あっ、ああ。では、明日。ゆっくりと休みたまえ」
クスクスと微笑むヒラリーさんに促されて、名残惜しそうに出ていった。
なかなかすごい夢だな…。
フカフカなベッドに潜ったとたん、zzz。
目か覚めると…あれれ?
まだ異世界のまま?ここはまだ、夢の中ですか?
お偉い神官長の前に連れられ、100年単位で異世界人が落ちてくるって話しと、魔王とか魔物は現れないから、冒険の旅に出なくていいこととの説明を受けた。
異世界人は、なんの役に立つかっていうと、簡単にいうと異世界人が現れると、天候の不順とか、天災がなくなるそうだ。
喉から手が出るくらい欲しがる国もあるそうで、攫われない為には、王宮内で保護、あるいは、高位貴族のとこで保護。
どちらも望まぬなら、神殿で保護……って、自由がないじゃん!
王宮だと、ヘンリー王子の後宮に入るって?
しかし、隣国の王女様との婚姻が決定してるから、オススメできないって言われても?
俺、見たまんま男なんですが?
えっ?この国、同性婚も有りですか?
神殿って言われても…ここの国の神様、存じ上げないのですが…?
高位貴族の庇護下で、ファイナルアンサーでお願いします!
ファイナルアンサーして数分後、エドワードが慌てた様相で、ブルーオパールの石が入ったバングルを持って現れた。
イケメンだけど、訳わからん男だと思ったが、
何故か、嬉しそうに俺の左手にバングルをはめた。
とたん、いきなり縮んで、腕にフィット~!
すげえや。どんな仕組みですか?
エドワードってさ、マッキンタイラ伯爵って称号らしく、位は公爵や侯爵より低いが代々騎士を輩出し、本人も近衛騎士団の副団長ということで、俺を庇護するのに立候補したとか…。
なんともモノ好きな…いやいやゲフンゲフン。
王宮から伯爵家に移動に、また、簀巻きされて馬上?と、思いきや、乗り心地サイコー!な、馬車でしたっ!
エドワードと馬車の中で話しをするに、ヒラリーさんは、花嫁修業みたいなもんで、王宮に住み込みでお仕事だそうで。
せっかく仲良くなれそうなのに、ちょっと残念かな。
エドワードの両親は、引退して、王都から、領地に戻ったとか。
近々、伯爵家の領地から王都に来るから会えるとか?
野山はファミリーネームだし、慎之介でいいと言っても、言いにくそうだったから、シンって呼んでくれって言ったら、
エドワードも、エディでいいと…。
綺麗な瞳を輝かせて微笑む。
なにこのクッソイケメン!
森で出会って、剣を突きつけられたのってさ、まだ数日前なのになにこれ?
別人ですかっ?
伯爵家に到着すると、家令を筆頭に、ズラリと使用人総出でお出迎え……うん、くるしゅうない…。
一般ピーポーの俺には、キツイです。
「本日より、家族となったシンだ。私以上の扱いをするように」
エドワードでなかった、エディの一言で、ウェーブのごとく皆さんが頭を垂れる…。
案内された部屋は、エディの隣の部屋。
白髪を引っ詰めたメイド長が、ゾロゾロとメイドさんたちを引き連れて、あれよあれよという間に、引っ剥がされ、続き部屋の浴槽に沈められ…一人で入れるって、抵抗はしたんだよ?
母さん、女って、団体だと怖いです。
って、母も女だったなあ~~スマン。
キレイなメイドさんたちに寄ってたかって、磨き上げられ、仕上げとばかりに、いい香りのオイルでマッサージまでしてもらってさ…。
あまりの気持ちよさに寝てしまいそうになったぜ。
与えられた部屋にあるベッドの素晴らしさ!
我が家の万年布団と大違いだな!
エディの部屋側のドアが開き、風呂から上がったばかり感満載で、俺の手を握り、「一生涯かけて大事にしよう。」
「はいっ?」
えっ?どういうことですか??
ファーストキスこそ、幼稚園のときで、隣の藤組のリリカちゃんだったが、
中学になった頃は、リリカちゃんからは生ゴミを見るような目付きで見られたな…(遠い目)
今思えば、俺のモテ期って、幼稚園だったなあ…。
クッソ、リヤ充爆ぜろ!童貞なめんなよ!!
遠い目をして、思考が飛んでいる間、「はい」に疑問系がついていたハズなのだが、エディは、受諾と受け取ったらしく…。
スラリと細いと思ったら、脱いだら凄くて、ほぇ~、流石は騎士職。マッチョやん~!
無意識に、スゴイですね~と、漏らした途端…。
ええ、ええ、騎士職を舐めてました。
全身舐め回され(この舐めるは、物理的にだよ)
しかも、そこは出すとこで、入れるとこと違うって!ってとこをさ、エディの指でもって、高級感溢れるいい香りのオイルで慣らされてさ。
いやいや、どうやっても、アナタのそんな立派な持ち物は、入んないってっ!涙声で「ムリ、ムリッ!!」って…。
俺は、たしかに言ったんだよ?
まあ、気持ちよかったけどさ。
でもさ、次の朝、腰は痛いわ、ひとに言えないとこは痛いし…。
オマケに喘ぎすぎたせいか、ノドもカスカスっす。
エディってさ、初対面は、サイアクだったのにさ、
あの無表情はなんだったってくらい、甘い表情で、見つめててさ。
俺が目覚めた途端、甘さ全開で甲斐甲斐しく体拭いてくれたり、ベッドの中で朝食も(あらゆるとこが大変でベッドから起き上がれなかった)後ろから抱きしめられながら、エディの手ずからいただきましたよ。ぎゃあああ!!
は、恥ずい。
メイドさんや、侍従の方の見てる前でだよ?
恥ずかしすぎて、チベットスナギツネの表情になってても、おかしくないよなっ?
それにしても、初対面のときから変わり過ぎだろ?って言ってみたらさ、
最初は、怪しい奴って思って警戒したけど、警戒心を忘れるくらいに、俺に一目惚れしたんだそうで…?
「本当に?そうは見えなかったけどなあ?」って言ったらさ、
殿下ばかり俺が見つめていたから、嫉妬のあまり、殺そうかと思ってしまったとか?
もしや、ヤンデレとか?
王宮で、俺が殿下を選んでいたら……ヤバイ…。笑えない…。
エディは、まあ、俺に一目惚れだったみたいだけどさ、
俺はどうだったかというと…なんやかんや絆されてしまったみたいで…。
たとえこの世界が、夢であったとしても、異世界転生だったとしても、なんだろうと構わないから、このままエディの横で生きていこうと思ってはいるんだ。
毎日、煌めくブルーオパールのような瞳を輝かせながら、愛を告げるエディに、いつか「俺も愛してる」って返したいとは思っている。
けど、恥ずかしいから、まだまだ先になりそうだがなっ。
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