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トラウマSubは溺愛Domに縛られたい
トラウマSubは溺愛Domに縛られたい 2
「丸目さん、プレイで道具を使ったことがありますか」
ありませんけど…、と答える。
「一度、使ってみませんか」
ダイナミクスプレイで、道具…。
何をどう使うのかわからないが、ダイナミクスプレイ専用の道具があるとか。いや、聞いたことがない。
理解が追いつかず渋る朋志に、棗は50センチほどの紐を見せる。手芸で使う、なんの変哲もない紐に見える。
「…?」
「この紐を使います」
「どうするんですか」
「手のひらを合わせてください」
言われたとおりにするが、頭の中は”?”マークが飛んでいた。
「小指…、いえ、親指にします」
「棗さん?」
「丸目さんの親指をこの紐で縛ります」
「しばる…」
「ええ、そのままコマンドを言いますね」
「えっ」
体を拘束された状態で、コマンドに従う。
どんなコマンドにしたって難易度が高いと思う。
お仕置き目的?
--- 棗さん、お仕置きはあまりしないって言ってたけど…
「この紐で親指を縛って、コマンドに応えるだけです、不安ですか」
「いいえ」
棗が朋志の不利になることはしないと知っている。
棗は言葉通り、二重にした紐で、合わせた手のひらの親指を縛った。
手のひらを自由に開くことはできなくなったが、縛り自体は少し余裕があって、少し強く手を振れば外れそうだ。
ほうっと一息つく。それを見ていた棗が「やっぱり不安でしたか」と苦笑する。腰を引き寄せ、親指の紐に触れ、耳元で「大丈夫ですよ」と囁いてくれる。
「これ、丸目さんには、お守になると思いますから」
「いいですか、僕が、丸目さんを縛りました」
「はい」
「丸目さんは、僕が見えないときはこの紐を見てください」
「はい」
「この紐を見て、僕が近くにいると思ってください」
言われているうちに、抵抗感はなくなった。
「僕は、今からコンビニで飲み物を買ってきます。丸目さんは、留守電していてください」
「”Stay”」
棗はコマンドを残して買い物に行ってしまった。
広い家。
棗がいないので、一人で帰りを待っている。
何も言われなかったから、家の中で好きにしていい。
掃除をしてもいいし、本を読んでも、ただ待つだけでもいい。
--- 待つくらい、できる
でも、寂しい。顔が見たい。
早く帰ってきてほしい。
頑張っているところを見ていて欲しいのに…。
心臓が濡れたように感じて、不安で、胸に手をあてようとしたときに、親指を縛られていた事に気
づいた。
そうだ。
この紐は、棗さんだ。
--- 棗さんが、俺のために縛ってくれたんだ
すぅっと不安は消えた。
「ただいま」
「おかえりなさい」
棗は、キッチンに立っている朋志を見つけて満足そうに近づく。
「何をしているんですか」
「戻って来たら、喉が乾いているかと思って。買ってきたのを飲みますか」
「ええ」
棗がトレーに置いてあるコップに気づく。
「これは丸目さんが用意したのですか」
頷くと、朋志は棗に思いきり抱きしめられた。
「Goodboy. 最高です」
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