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甘やかしたいDomの献身と…
甘やかしたいDomの献身と… 2
週末はだいたい一緒に過ごして、ゆっくりプレイをする。棗のマンションに泊まって、朝は、晴れたら朋志は散歩、棗はジョギングをする。
もう少し体力がついたら、一緒に走ってみたい。
シャワーを済ませて、朝食を摂る。
朋志が野菜を洗ってちぎっているあいだに、棗はスクランブルエッグを作る。
いつの間にか、ふわとろをマスターしていた。
そして、棗の淹れてくれる紅茶も美味しい。
「おいしいです」と力いっぱい言っても、「よかったです」となんでもないように言われてしまうだけだが。
美味しい朝食に、美味しい紅茶、目の前には好きな人がいて…と朋志は、以前からでは考えられないしあわせを噛み締めていた。
顕の連絡先を聞くまでは。
「伝言なら伝えます」
「はい、でも、俺、顕さんに謝って、」
お礼を言って…。
でも、棗が言うなら伝言でもいいのかな…。
棗の取り付く島もないようすをみて、顕には会わないほうがいいのかも知れない、急ぐ用事ではないのだ。伝言にしてもらおう…と思いはじめたころ。
「そんなに許斐さんと会いたいですか」
「え、…あの」
棗が溜め息を吐いて、メモに何かを書きとめる。ビッと切り離して朋志に渡す。
「これでいいですか」
十一桁の数字の羅列。顕の携帯番号だろう。
「許斐さんには、あなたから連絡がくることを言っておきます」
「あ、ありがとうございます…」
「いいえ」
求めたものは、手にした。
でも、素直に喜べない。
--- 本当にこれでいいのかな
棗は、朋志が戸惑っているのをしばらく見ていたが、かける言葉はなく。
「すみません。少し頭を冷やしてきます」
「棗さんっ」
出ていってしまった。
広い部屋に一人残され、何をするでもなく、先ほどのやり取りを思い出していた。
朋志が、顕と会うことを快く思っていないことは伝わってきた。
むしろ怒っていた。
棗が怒るところを初めてみた朋志は、ただただ圧倒されていた。
食器を片付け終わっても、棗は帰って来なかった。
棗が帰って来たときに、朋志がいたら、せっかく頭を冷やしても怒りが再燃するかもしれない。
Domは感情が高ぶるとグレアが出る。さっきは自制していのか、グレアは出ていなかったみたいだが、次はわからない。
怒りのグレアを浴びてしまったら、プレイ中でなくても、サブドロップしやすい朋志はひとたまりもないだろう。
そんな状況で、冷静に話をすることは難しい。
今日のところは帰ろう。
『おじゃましました。また連絡しますね』
なによりはじめて棗が”こわい”と思ってしまい、朋志もどうしたらいいのかわからなくなっていた。
顕の連絡先を知ることはできたが、棗のことを思うと、連絡を取る気にはなれなかった。
いくら朋志に疚しいことはないと言っても、前のパートナーと連絡を取りたいから、仲介してほしいと言ったようなものだ。棗にしたら面白くないだろう。
Domとしてのプライドを傷つける行為だったのだ。
朋志は、棗の気持ちを考えずに言ってしまったことを反省していた。
棗に謝ろう。
そう思い、連絡するが、”すみません、しばらく仕事が忙しくて”と言われてしまえば、どうしようもない。
電話で謝罪は受け入れてくれたのだが…。
しばらくっていつくらいだろうか。
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