【R-18】トラウマ持ちのSubは縛られたい 〜Dom/Subユニバース

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トラウマSubは溺愛Domに縛られたい

トラウマSubは溺愛Domに縛られたい 4



 
 木曜日。
 朋志は週三日、午前中の勤務なので、週の半ば過ぎの木曜は本来休みだが、この日は、子どもが急に発熱したので通院してから来るという従業員の代わりに、午前中だけ勤務することになった。

 仕事が終わり、メールアプリを開くと、棗からメッセージが入っていた。
 開くと、文字はなく写真だけがアップされている。
 プロテインバー、牛乳、サラダ。
 これが昼食らしい。量は少ない気がするが、タンパク質にこだわりがある棗らしいメニューだった。
 --- 忙しそうだ
 
 『お仕事お疲れ様です。今日は定時で帰られそうですか』
 『帰るつもりです』
 『夕食は俺の家でどうですか』
 『定時で終わらせます』



 忙しい棗には申し訳ないが、朋志はのんびりしたものだ。
 ゆっくり公園の遊歩道を歩いて、近くのスーパーで夕食の材料を買う。
 棗と付き合うようになってから、壊滅的な料理テクニックは多少改善された。
 とはいえ、まだまだ残暑厳しいこの時期に豆乳鍋を思いつくあたり、まだまだ季節感や風流には程遠いのだが。


 夕食の用意をしていると、棗がやって来た。

 「こんばんは」
 「お疲れ様です」
 夏物のスーツにネクタイを締めて、長めの前髪を後ろに流している棗は、ぼうっとするくらい格好よかった。
 気づいた棗が、苦笑しながら抱きしめてくれる。
 「エプロン姿、かわいいですね」
 「え、そうですか」
 棗の感性がわからないときがある朋志だ。
 「いい匂いがしますね」
 「豆乳鍋です」
 はっとして鍋の火加減を見に行く。
 棗もゆっくりついて来る。

 
 ご飯を食べ、片付けも済ませた。
 明日は二人とも仕事がある。
 朋志の家は単身向けで狭い。客用の布団もなく、棗を見送る。
 「忙しいのに来てもらってありがとうございました」
 「こちらこそごちそうさまでした」 
 「…」
 もう少し一緒にいたい。
 棗はどうだろう。かといって泊まることはできない。


 「丸目さん、一つだけコマンドを聞いてください」
 「あ、はい」
 「さっきのエプロン姿もう一度見たいです。…Present.」

 部屋着の上からエプロンを着けてまた玄関へ。

 「これでいいですか」
 「ええ、後ろを向いてください」
 言われるまま棗に背中を向ける。


 棗は、しばらく朋志の後ろ姿とエプロンの隙間を堪能してから、腹に手を回して引き寄せ、


 「Goodboy. 明日もがんばれます。ありがとうございました」
 颯爽と帰っていった。


 玄関でエプロン姿のまま立ち尽くした朋志は、狐につままれたような気分だ。


 どこにでもあるシンプルなエプロン。
 朋志にはよくわからない次元で満足していった棗。きっと話を聞いても理解できないだろう。



 でも、棗が喜んでくれるなら。




 「これからもセーフワードは言えないだろうなぁ」





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