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甘やかしたいDomの献身と…
甘やかしたいDomの献身と… 3
ダイナミクスバー『フィー』。
あまり良い思い出はないが、やむにやまれず来てしまった。
あれから棗とは、相変わらずメッセージアプリでのやり取りはしているが、いざ会おうとなると、”仕事が忙しい"と言われてしまう。
やんわりと確実に拒絶されているこの状況。
拒絶されるとわかっていて、知らぬ顔で棗の家に行く勇気もなく。
このまま、フェードアウトしてしまうのでは…という危機感から、ダイナミクス性を抱えた者同士が、情報交換できる場所である『フィー』へ来たのだ。
Domからの信頼を回復させるにはどうしたらいいのか、なにかヒントになる話が聞きたい。
棗さんともう一度話をする機会を作る。
いざっ…と、決意を込めて足を踏み入れたはいいが…。
「キミ、Subだよね」
「これから一緒にプレイしない」
「いろんなDomに命令されたくない?」
「こんなSubを跪かせたかったんだよね」
「お、俺はプレイ相手を探しに来たわけじゃなくて」
「Domの気持ちが知りたくて」
と、真面目に答えても、
「Domの考えなんか身を以て知ってるだろ」
「キミみたいなSubにならいくらでも教えるけど」
気を抜くと、プレイ部屋に連れて行かれそうになってしまう。
以前店に来たときに遭遇した、あのDom客ほど悪質な人はいないが、情報交換というよりは、その場の欲求を満たすプレイ目的の人たちばかりだ。
朋志のスキルでは、全く太刀打ちできず、何一つ情報を得られなかった。
諦めて、もう一度棗に会ってほしいと言おうか。直接なにがだめだったのか聞いたほうが良いのかも知れない。
--- 会ってくれたら、だけど…
もう、帰ろう。
オーダー表をレジに持っていこうとすると、後ろから声がかかる。
「ねえ、さっき聞いてたんだけど、プレイをしにきたわけじゃ無いなんて、ここでは珍しいね」
「そうなんですか。俺はパートナーがいるのでプレイはちょっと…」
「ふーん。でも、ここにいるってことは、今のパートナーに不満があるんじゃないの」
「違います」
「そうなの? どんな話が聞きたいの」
人の良さそうな、若いサラリーマンっぽい人だった。
この人になら、話が聞けるかも。
「Domへの信頼を回復するにはどうしたらいいのか知りたくて」
「うーん…、喧嘩でもしたの、そのDomと」
「いえ、俺が一方的に怒らせてしまって」
「そうかぁ、キミみたいなかわいいSubになら、目の前で脱いでプレイしてくれたら、すぐに許せそうだけど?」
「えっ、あっ」
その人が腕をを握ってきて、びっくりしている間に、太股も触られてしまう。
「や、止めてください」
「パートナーには黙っていたらわからないから大丈夫」
腕は強く握られ、上手く逃げられない。不躾に太股を撫でて遠慮がない手。
「やっ、だめ」
こわい。
--- 棗さん
「こいつは、俺のSubなの。変なちょっかいかけるのやめてくれない」
「なっ」
掴まれていた反対側から手が伸び、不躾な手を遠ざけた。
「だったら鎖ででも繋いどけ!」
何事かとざわつく店内に気づいて、まずいと思ったのか、そのまま店を出ていった。
その人が出ていったことで、店内もまた落ち着いていく。
「あ、顕さん」
「お前、どうしていつもそう絡まれるんだ」
目を見合わせたと同時に喋っていた。
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