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甘やかしたいDomの献身と…
甘やかしたいDomの献身と… 4
「お前、本当に変なやつによく絡まれるのな。それより棗は?」
「棗さんは来てません」
「…棗から、朋志に連絡先を教えたって言われたから、連絡が来るかと待っていたんだけど」
「すみません、でも、それはもういいんです」
「はあ…?あいつなにしてんの」
「仕事頑張ってます」
「…こんなやつ一人で放っておくなんて…、あいつ正気か?」
顕に促され、カウンター席に座る。
すぐに食べられる料理を注文し、顕に勧められるまま食べる。
「それより、どうしてこんなところにいるんだ」
「…」
棗との会話を伏せて、『フィー』に来た経緯を話す技術は朋志にはない。でも、顕もDom…。
もしかしたら、棗側の意見が聞けるかも知れない。
「顕さん、俺…」
棗とここで終わりたくない。顕を見上げるが、顕はこちらを見ていない。
「ほら、話はあいつに聞いてもらえ」
「えっ」
背中を軽く叩かれ、視線を誘導される。
「朋志からアポはなかったよ。これはぐーぜん」
「丸目さんに触らないでください」
「いやいや、俺は朋志をセクハラ野郎から守ってやったの。感謝してほしいくらいだけどな?」
「棗さん…どうしてここに」
棗だ。仕事しているはずの棗がいた。
スーツを着たままで、仕事のときはいつも後ろに流している長めの前髪が、少し落ちているのも格好良い。
メッセージのやり取りだけでは満足出来ない。プレイをしたいと思うのは、棗だった。
久しぶりに棗に会えて、ついぼうっと見惚れてしまった。
「俺が、棗を呼んだ」
「え」
「棗、なんで朋志がここにいるのかわからないけど、これだけお前にぼーっとなってるやつが、なにか変なこと考えるか?」
「…………いえ…、すみません」
「丸目さん、帰りましょう」
「あっ」
棗に手を引かれ店を出る。残してしまった顕の方を見ると、早く帰れとでも言うように手をひらひらさせていた。
「僕の家でもいいですか」
はい、と言いはしたが、まだ怒っているのかも…と思うと気が重くなる。
--- 棗さんが嫌なら、顕さんとは会わなくたっていい
--- でも、本当は、他のDomと会いたいって言った俺と会いたくないだけなのかもな…
朋志が連絡しても、忙しいと言われてしまい全然会えなかったのに、顕が連絡したらすぐに来るのかと思えば。
拒絶を感じながらも、棗の仕事が落ち着いたら会えると思っていたときと、朋志以外となら仕事が忙しくても時間が作れるんだということを目の当たりにするのとでは大きく違う。
なんだかショックだった。
「あの、俺、やっぱり帰ります」
棗の家で二人きりになりたくない。棗は、急に言い出した朋志に目を見開いているのが見えたが、踵を返す。
「待ってください」
「や…っ」
棗が朋志を引き止めようとして、手を握ったが、反射的に体がこわばってしまった。慌ててフォローするも、後の祭り。
「違っ、すみません」
「いえ、謝るのは僕のほうです」
棗が手を引っこめる姿を見て、ほっとする。
「…」
「怖がらせるつもりはありませんでした、すみません」
「大丈夫です」
「少しだけ話をさせてください。…おねがいします」
「…はい」
すぐに終わりますと、言われ、棗に案内されたのは、『フィー』の近くにある児童公園のベンチに座る。
人気はないが、住宅が近くにある。
棗を拒否してしまうくらいショックを受けていたことに気づいて、二人きりで車に乗れる自信がなかったので、外で話しができることは、よかった。
となりに座る。朋志が座るのを見てから、棗が話しはじめる。
「丸目さんが許斐さんの連絡先を聞いた時、僕の態度が悪くてあなたを不安にさせました」
すみませんでした、と頭を下げる。
「えっ」
他のDomと会いたいからと、プレイ関係にあるSubに仲介させられて、怒っているのでは?
言葉通り、申し訳無さそうな棗。
「あと、仕事が忙しかったのは本当ですが…」
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