【R-18】トラウマ持ちのSubは縛られたい 〜Dom/Subユニバース

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溺愛Domは甘やかしたい 2

上手な甘え方 3

 棗が仕事終わりに、朋志を家まで迎えに来て、夕食を食べてから、一緒に家に帰ってきた。

 ご飯を食べている間も、”最近元気がないですね”とか、”なにか悩んでいますか”とか、自然に話を振ろうとタイミングを計っていたが、ベストタイミングにこだわり過ぎたのがあだとなって、タイミングを逃しまくっていた。



 いつもは棗が紅茶をいれてくれるが、今日は朋志が「俺に淹れさせてください」とお願いして淹れさせてもらった。
 棗は、茶葉やカップなどの場所を朋志に教えて、「着替えてきます」とキッチンから出ていった。

 本当はお酒の力でも借りられたらいいのかもと思ったが、棗は基本お酒を飲まない。付き合いで飲むことはあるそうだが。
 朋志も、抑制剤の副作用を抑える薬を服用していたこともあり、お酒を控えるよう言われ、ほとんど飲んだことがない。
 


 「おいしいです、と…丸目さん」
 「棗さん、最近お仕事は忙しいですか」
 「山は越えました。しばらくは自分のペースで仕事ができそうです」
 「疲れは出ていませんか」
 「…大丈夫ですが…、丸目さんこそ、どうかされましたか。今日はなんだか…」

 なにか悩みでも?と言いながら心配そうに、カップを置く。

 朋志の顎をすくい覗き込む。

 「体調も…悪くなさそうですが…」

 プレイ不足を心配し始める棗に焦る。

 「あっ、違うんです」

 …逆に心配されている。
 言い出すタイミングを計っていたつもりが、朋志の方が挙動不審になっていたようである。

 「棗さんの方が最近変です…」
 「…僕がですか」
 「はい」
 「いえ、僕は…」

 「俺も、悩みくらいは聞けます」
 心配しているのに、伝わっていないもどかしさのまま、棗の服をぎゅっとつかむ。
 「と…、」
 「俺じゃ頼りないかもしれませんが…」
 また。何かを言いかけてから黙り込む棗に、朋志は不甲斐なさを感じていた。
 ふう、とため息が聞こえ、反射的に肩が上がる。

 「いえ、丸目さんのことを頼りないとか思ったことはありません」

 疑惑の眼差しを向けると、棗が苦笑しながら朋志の腰を引き寄せてきた。
 「あっ」
 「不安にさせてしまいましたか…」
 「いえ、でも…」
 

 「僕は、丸目さんのこと、名前で呼びたくて」
 「え」
 「タイミングを伺っていたのですが…、」
 「………なまえ…」

 「心配させるくらいなら早く言えばよかったです」
 「…それくらい言ってください」
 「すみません」
 悪いことじゃなくてよかった。
 名前くらい、いくらでも呼んでくれたらいいという気持ちで、なつめに身を預ける。
 察しの良い手はすぐに朋志の背中へ。



 「朋志さん」
 「はい」
 耳元で名前を呼ばれると、むずがゆい気がするが、じんわり心地よくもある。


 「できたら、僕の名前も呼んでください」
 「え、俺も…」
 名前を呼ばれるのはいいが、棗を名前で呼ぶ。どうしてか、恥ずかしく感じる。
 
 「ええ」
 棗は、自分で決めたことについては、かなり押しが強い。
 惚れた弱みもあって、朋志はあっさり押しに負けてしまう。

 「…う、り、…りとさん…」
 「はい」
 「…棗さん…」
 すぐに呼び方が戻っても、指摘することなく、背中を撫でてくれる。
 「いつでもいいので、呼んでくださいね」
 「はい…」
 



 「名前を呼ばれてお願いごとをされたら、なんでも聞いてしまいそうです」



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