【R-18】トラウマ持ちのSubは縛られたい 〜Dom/Subユニバース

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ハッピーエンドのその先は

変化を受け入れるには 3



 「楽しそうでしたね」


 部屋に戻り、寝支度をする。
 夕食を食べながら、桜己や吉継とワイワイ騒いでいたのをしっかり見られていたらしい。
 棗たちも旧知の仲で、さらに親睦を深めていたように見えた。

 「うるさかったですか」
 「いいえ、楽しそうだというのはわかりましたが、なにを話しているのかはわからないくらいでした。仲良くなれたようですね」

 「はい、二人ともいい人たちでした」

 桜己は、溌剌としていて、見ていて気持ちがよかった。
 吉継は、思慮深くて穏やかだ。
 
 そして…。

 二人とも、プレイとセックスを一緒にすることを知っていた。



 朋志は、ダイナミクスを持っている人はみんな、第一性である、男女特有の性欲は無いものだと思っていた。朋志がそうだからである。


 --- でも違った…
 

 ダイナミクスを持つ人たちには二種類の性欲があるらしい。多い少ないの個人差がありながら、二つのバランスを保っている。
 



 ということは、棗もそうなのだろうか。


  


 あのあと。

 「朋志、ごめん!俺、絶対まずいこと言っちゃったよぅ」

 「でももう言ってしまいました。今度は隠す方がおかしくなります」
 「だよなぁ…、でも違う問題も生まれた気がするんだよなぁ」
 よくわからないけど、本来ならここでなにかしらの感情が動く場面らしい。
 「あのな、」
 と言いながら、桜己が朋志に近づいて内緒話をするようにこそっと教えてくれたところによると。



 「あっちって、セックスのことだよ」







 --- あっちってセッ…、


 「わぁっ」
 「だからごめんって!」
 
 それからは、もう。
 謝る桜己と二人、わいわい言い合って収集がつかなくなりそうな空気を、吉継が収めてくれた。
 

 「ダイナミクス性からくる性欲と、生の役割である子孫繁栄のための性欲は別物だけど、俺たちの場合は共存できるんです」

  
 そうなんだ…?


 ぽかんと開いた口が今にも地につきそうな朋志の様子を見て、二人とも目を見合わせた。

 「ここでゆっくり話すのは難しいし、帰ったら会おーよ。な、吉継も」
 吉継も頷いて、「俺もそう思っていました」と言いながら、朋志の手を握る。

 「棗さんを疑わないでくださいね」

 





 「おやすみなさい」
 「おやすみなさい」

 明日は朋志のリクエストで職場の人に渡すためのお土産を見に行く。その後は、散策や乗馬をする予定だ。棗と二人、ゆっくり景色を楽しんで…。
 一緒に共有できることが増えて喜んで。
 --- それ以外のことなんて考えたことなかった



 棗から聞いた話では、ダイナミクスバー『フィー』では、棗の優しいプレイは受け入れられにくく、そのせいでプレイパートナーがいなくて、抑制剤も服用していた。

 棗は、理解してくれるパートナーを欲しがっていた。

 
 プレイはしなくていいが、夜のお相手としては誘われていた。
 どっちも満足したいが、どっちも満足できないなら、どちらかだけでも…ということらしい。


 主観と客観にいくらか食い違いがあるのは、仕方のないことだ。
 全く棗の話を鵜呑みにして信じていた朋志には、衝撃的な話だった。 



 --- 俺で棗さんは満足してるのかな…
 --- 俺ができることはあるのかな…


 ツインの部屋はベッドが二つ並んでいて、手を伸ばしても届かない。


 「棗さんを疑わないでくださいね」


 吉継の言葉が何度も頭を巡り、いつの間にか眠ってしまっていた。




感想 3

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