【R-18】トラウマ持ちのSubは縛られたい 〜Dom/Subユニバース

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ハッピーエンドのその先は

変化を受け入れるには 8





 ――― こわい

「朋志さんともう少しプレイがしたいです、いいですか」
 「は、はい」


 棗がこわいと思ったのも一瞬で、すぐにいつもどおりの優しげな雰囲気に戻っていた。
 棗は、ベッドの縁に座って朋志を見る。


 「"Kneel"、膝には乗らなくていいですが、…手はおいてください」
 「はい」

 ベッドから降りて、フローリングに正座する。
 目の前にある棗の腿に手を乗せて見上げる。

 朋志の手に手を重ねる棗の手は優しい。
 
 「よくできましたね、可愛いです。…"Roll"」
 「はい」
 棗は優しい。
 でも、さっきまでのふわふわした感じではない。 

 足を崩し、棗に見えやすいようにそのまま後ろに倒れる。
 「待ってください。ベッドで横になってください」
 「はい」
 
 ベッドに座ってからさっきまで寝ていたことろで仰向けになる。今の棗に全身を見てもらうのは少しこわい。
 でも、Subの本能が朋志を動かす。
 
 ――― 棗さんの匂い
 緊張していたものが、棗の匂いを感じてほっとする。棗を見ると、お腹あたりで握っていた手を撫でて、すっと離れていく。
 
 「あ…」 
 「あなたの全部を見せてくれてありがとうございます。もう少し頑張れますか、次で最後にしましょう」
 「はい」
 「”Attract”」
 「…はい」
 返事はしたが、どうすれば今の棗の気を引けるのだろうか。
 棗はじっと見ている。
 目が合うとにっこり笑って、「ゆっくりでいいですよ」と気遣ってくれる。
 でもいつもと違う。
 指を縛って、棗が寝室まで戻って来るのを待つあいだ、早く帰って来て欲しいと焦れる気持ちはあっても、不安はなかった。

 棗に見られて居心地が悪いと思ったのは初めてのことだ。
 棗にセックスパートナーができて、朋志がプレイだけのパートナーになったら、きっとこんな感じになるということだ。

 --- 嫌だ。
 
 棗が他の人とセックスしていいなんて嘘だ。
 じゃあすぐに自分としてほしいとは言えないが、棗に他の人なんて触ってほしくない。

 いかに自分の提案が良くなかったのか、今まで棗が朋志に、どれだけ心を配ってくれていたのかを思い知る。
 
 
 シーツに鼻先を寄せると、棗の匂いがする。さっきから何度も同じことを繰り返してしまう。

 これでは褒めてもらえない。


 ベッドから降りて、棗に向き合う。できるだけゆっくり。
 --- 俺から目を離さないで…

 「棗さん」
 棗の両手を取って、腰に回す。
 ちらりと視線を向けて棗を伺うと、嫌がられているようすは無くて、ほっとした。

 そのまま、棗の膝に乗り上げ、首に腕を回す。
 
 「…これでいいですか」
 「"Goodboy"」
 
 抱きしめて欲しいという催促は伝わったようで、腰の手を背中に回して引き寄せてくれた。
 胸と胸がくっついた感触にやっと力が抜け、全身を預けることができた。




 
 
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