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ハッピーエンドのその先は
かわいいSubの愛で方 4
土曜日。
朋志のリクエストで、ボルダリングができるジムに来ていた。
棗の趣味に興味を持ってくれたのは、単純に嬉しかった。
朋志は、インストラクターに教わりつつ体験コースを受ける。
本当は棗が直接教えたい気持ちもあったが、長く続けて欲しいと思い、最初はプロに譲ることにした。
棗は朋志のことになると、ホールドに捕まる朋志の腰をインストラクターが支えていたりしたら、仕方ないとわかっていても、”もう少し離れてもらえませんか”と、横からいろいろ言いたくなってしまう。
一旦は離れたが、やっぱり気になって中途半端な位置から付かず離れず、やきもきしながら登っていた。
「あの…」
声をかけられて振り向くと、二人の女性が立っていた。
「棗さん」
「どうですか」
「楽しいです、ありがとうございます」
体験を終えた朋志が、棗のところまで跳ねてくる。
後ろからインストラクターがやって来た。
「丸目さんは、慎重なタイプですね。どこにホールドするのか良く見えていますね」
「わかりやすく教えてくれてありがとうございました」
「いいえ、筋は良いですよ。ぜひ続けてくださいね」
「はい」
「あ、入会はぜひウチで」
インストラクターはそれ以上の勧誘はせずに去っていく。
朋志は、どこかホワッととしたままインストラクターの背中をみていた。
「かっこいい」
「!」
朋志の”かっこいい”は棗の専売特許ではなかったらしい。
「先生、棗さんが登っているのを見て、すごく褒めてましたよ」
「そうですか…」
「はい!」
朋志の”かっこいい”発言に、地味にショックを受けていることを自覚していたが、これもまた仕方のないことである。
「棗さん、俺の練習の成果を見てください」
「もちろんです」
最初ははしゃいでいた朋志も、疲れたのか段々と口数が減ってきた。
「疲れましたね。今日は帰りましょうか」
「…」
帰りの車でも朋志はほとんど喋らなかった。
かと思えば、じーっと棗を見ている時もあり…。
筋肉痛にでもなってしまったのだろうか。
「戻ったらゆっくりしましょうね」
棗は、筋肉痛じゃなかったら軽くマッサージでもしてあげようと考えていた。
ついでにケアもできるし、と。
リビングの照明を点け、飲み物でも用意しようとキッチンへ向かう。
背中になにかがぶつかった。
と言ってもここには、棗と朋志しかいない。
「棗さん…」
朋志が棗の背中から腕を回している。力いっぱいなのか、抱きついているというより、しがみついているみたいだ。
「朋志さん、どうしました」
「お俺…、棗さんぎゅってしてください」
どうも疲れだけではなさそうだと、気づいた。
言われるまま、朋志と向き合い、正面から抱きしめる。
「は…ぁ、ふぅ…」
背中をゆっくり撫でると、朋志は一層抱きついてくる。
「朋志さん」
「棗さんとプレイしたいです。いっぱい触って欲しいです」
顔をあげた朋志は、どうしたら良いのかわからないといった表情で、でも困っていた。
理由はわからないが、そんな様子のパートナーを放っておけず、棗は、とにかくなんとかしたいと、それだけを思っていた。
「いいですよ」
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