【R-18】トラウマ持ちのSubは縛られたい 〜Dom/Subユニバース

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ハッピーエンドのその先は

かわいいSubの愛で方 5





 「縛ってください」
 朋志が両手を差し出した。
 「わかりました」

 朋志に言われるまま手首を縛る。
 手首にかかった縄を見て、朋志は、体に入っていた力を抜いた。
 「どうしました、なにか嫌なことでもありましたか」
 「…」

 うつむく朋志の腰を抱き、ソファに座るよう促す。
 膝に頭を乗せて頭を撫でる。体を動かし汗をかいたので、髪の根元は温かい。
 少し癖のある柔らかい髪を梳いていると、棗の太腿に頬を擦り寄せて甘えてきたが、なにかを言うことはない。

 コマンドで言葉を引き出すかどうか、迷ったのも一瞬。言いたくなったら言うだろうと切り替えた。
 もともと人混みが好きなタイプではない。静かな場所を好むのだ。
 次からは一瞬にいれば良いと結論づけた。

 「朋志さん、落ち着いたらシャワーにしませんか、汗を流してゆっくりしましょう」
 「…一緒に…」
 「は」
 「一緒に入ってください…」


 棗の心中は複雑だった。
 ”一緒にバスタイム”という大切なイベントは、こう、もう少しムードある雰囲気で来てほしかったのだ。
 棗が朋志を洗ったあとは、「俺も…」と言って朋志が棗の背中を流す。
 いちゃいちゃではなく、介護だった。
 しばらくの間、棗の心にしこりを残す出来事となった。




 服を着させて髪を乾かす。
 改めて抱きよせると、優しく抱き返してくる。
 どれくらいそうしていたのか。

 「棗さん、俺変なんです」
 「朋志さん…」

 向かい合う朋志の表情は幾分すっきりしていた。
 話ができるところまで来ていることに安心する。


 「棗さんは、さっきの女の人たちと知り合いですか」
 「え」
 「先生に教えてもらってるとき、棗さんが女の人たちと話をしていたのを見てしまって…」
 「朋志さん」
 「俺、別に棗さんが誰と話をしてもいいと思っているんです」
 「ええ」
 「でもあの人たちが棗さんの腕や肩を触ってたから俺…」
 「…」
 棗は朋志を待っている間、二人連れの女性に話しかけられた。女性達が言うには、棗をインストラクターと間違えたということだが、その後は食事に誘われたりしたので、そういうことだろう。お断りを入れたときに、引き止めるように女性の一人に触られた。
 しかし、すぐに相手も諦めたので、棗は特に気にしていなかった。
 朋志とインストラクターの距離が近い方が、棗にとっては気がかりだったのだが…。


 「もしかして…朋志さん」
 「…」
 「嫉妬ですか」
 「お、俺…」
 みるみる間に目に涙が溜まり、一粒流れ落ちる。
 堪らず痩身を抱きしめる。
 「ごめんなさい…」
 鼻をぐずつかせながら謝る朋志に、胸が痛んだ。



 朋志は棗から見たら、未熟で幼い。
 でも、何も思わないわけではない。


 棗がするべきは、朋志の頭を撫でてやることでは無く、「女性に話しかけられて困った」と説明をすることだったとわかった。


 
 「僕の方こそすみませんでした」
 朋志は、誤解を解くための弁明をしようとする棗を強く抱き返してきた。
 首を振って棗の肩で涙を拭いたと言って笑う朋志に湧いてきた気持ちそのままに従い、顔中に口をつけていった。






 
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