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ハッピーエンドのその先は
実家に帰らせていただきます 3
「ぜひご実家に行かれるべきかと」
棗はすごく真面目な顔をして、朋志が実家に帰ることをすすめた。
両親は朋志を心配しているし、なにより朋志に両親を安心させたいという気持ちがある。
元気な姿を見せた方がいい。
棗に言われ、やっぱり連絡をしたほうが良いと気持ちは決まったが、まだ…。
不安があるなら近くまででも一緒に行きましょうかと棗は言ってくれたが、朋志はそれを断った。
両親はわかろうとしてくれているが、ダイナミクスについてあまりわかっていない。
棗が来てくれたら心強いし、できたら棗を紹介したい。
でも、棗まで病人扱いされたらと思うと、紹介には踏み切れない。
やっぱり今のままでいいのかもしれない…、と気弱になってしまう。
「棗さん、俺…すみません…」
「…」
「棗さんを紹介する勇気がなくて」
パートナーだと思っているのに、堂々とできない。
朋志が元気になったのも棗のおかげだと、本当は両親に言いたいのに…。
「僕のことはいいんですよ」
肩を抱かれ、朋志は棗の頬にすり寄った。
「ご両親を安心させたいのでしょう」
「はい」
「きっと喜んでくれますよ」
背中を撫でてくれる優しい手。
「はい、ありがとうございます」
こんなに優しくしてくれる人に、不義理をしてしまっている。
棗は朋志を気づかってくれるが、この気遣いを甘受するだけでいいのか…。
「…棗さんも言いたいことがあったんじゃないですか」
「ええそうですね…」
「?」
棗はしばらく考えていたが、言葉にすることはなかった。
「僕の話はまた今度にしましょう」
そう言って、朋志の好きなプレイをして満たしてくれた。
歯切れの悪い棗は珍しくて気になったが、棗から受けるケアが気持ちよくて、そのことはすっかり忘れてしまった。
次の日。
自由な時間が多いうちに…と、意を決してスマホの画面をタップする。
数回のコールが途切れ、「もしもし」と懐かしい声が聞こえた。
「もしもし…、あの、うん。…久しぶり…うん」
久しぶりに聞く母の声は懐かしく、やはり朋志をずっと気にしてくれていた。
顔が見たいと言われ、父もいる週末に帰ることになった。
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