【R-18】トラウマ持ちのSubは縛られたい 〜Dom/Subユニバース

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蜜月かもしれません

棗理人(25)の所見 3





 「”Goodboy”よくできましたね」
 
 痩身を抱きしめ、震える唇を啄む。徐々に力が抜けていくのを感じた。
 唇だけでは足りずに、頬にこめかみまで。
 首筋に吸い付くと艶やかな声が聞こえ、つい熱が入る。
 「棗さ…」
 「朋志さん…」
 
 
 棗が唇を離す。朋志は、ふうと息を整えながらどこかうっとりしている。
 「お仕置きが効きすぎましたか」
 「俺、いつも棗さんにして欲しいことを思うだけでしてもらえて、すごく贅沢をしていたんだと気づきました…」
 「僕が好きでしていることです、いつもありがとうございます」
 

 見つめ合うと、どちらともなく笑い合う。
 「腕は痛くないですか」
 「大丈夫です」
 「もう少しだけこのままでいいですか」
 「はい」
 「ありがとうございます」





 「”Look”と”Stop”です。大丈夫ですか」
 「はい」
 コマンドで…。
 視線を縛り、動きを縛り、体を縛る…。
 酷い独占欲に笑ってしまいそうになるが、朋志はなにも気づかず、棗のコマンドを守ろうと目を開いて、動かないようにしている。 

 

 
 拘束され、複雑な形で固定された体を、辿るように撫でていく。
 朋志は、吐息混じりの艶やかな声で棗を誘う。
 コマンドがあるので、反応する場所を触っても動けず、声を上げるだけ。
 目を瞑りたいのか、反らしたいのか、揺れる目で必死に棗を見ている。
 少しも動けない程に縛られて、うっとりしている。



 棗のSubは、健気でかわいい。
 すべてを棗に預けてくれる。




 
 「服が邪魔ですね」
 「え…」
 「今の朋志さんを見ていると、直に触りたくなりますよ」
 「…ぅ」
 「驚きましたか、すみません」
 「いえ…」
 
 「朋志さんは見えていないかもしれませんが、今のあなたすごくそそりますよ」

 棗の愛撫と視線を、逃げ場もなく受け止めて、首筋まで赤く染めている。
 その下も見たいと思うのは当然だった。
 きっと全身を染めているに違いない。


 棗のあけすけな言葉に、朋志が目を閉じる。
 労いを込めて愛しい人を抱きしめる。
 「ありがとうございます、素敵でしたよ」








 「痛みはありませんか」
 「ないです」
 縛っていたところにも跡はなく、ほっとする。
 朋志もプレイが終わり先ほどまであった、ふるいつきたいくらいの艶は成りを潜め、ケロッとしている。


 そんな朋志を一言で表すなら”素朴”だ。
 素朴で純粋。そしてどちらも純度が高い。
 
 棗が愛して止まない朋志の美徳だ。


 



 先日、朋志が実家からすっきりできないものを抱えて帰ってきた。
 普段どおりに振る舞っているが、表情に影を落とすことがあることはわかっている。
 親子関係は特別で複雑だ。気軽に立ち入れるものではない。
 棗ができることは、自分のSubを可愛がることだけ。

 朋志をこのまま囲い込みたいという欲がある棗にとって、今の埋められない溝がある親子関係は、朋志のことを思うと心が痛むが、しかし、悪くない。

 醜い独占欲である。

 また、朋志が棗に向ける信頼の情は大きい、その優越感。



 次はどうして可愛がろうか考える時間も樂しい。
 「朋志さん」
 「はい」
 
 「二人で旅行にでも行きたいのですが、どうですか」
 仕事が本格的に始まったら、今までのようにゆっくり会うことは難しい。
 近場でいいのでゆっくりできるところをと提案すると、見る間に嬉しそうな表情になる。
 「はい、俺も行きたいです」






 
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