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蜜月かもしれません
構ってちゃんの人たち 5
「理生、恵吾さんを呼んで」
「ああ」
「理人も一旦彼から離れて」
「…っ」
理久に言われ、棗はなんとも言えない心持ちで朋志の手を離す。
朋志は、棗が離れると少しホッとしたようだった。
「棗さん…すみません…俺、棗さんなのに…」
「いいえ、僕の方こそすみません」
震えながら棗に怯えてしまったことを謝られてしまい、棗は優先順位を間違えたことを激しく後悔し、自分の不甲斐なさを恥じた。
…僕のするべきだったことは、理生の挑発に乗ることではなく、不安感の強い朋志さんに付いてあげることだったのに…。
挙句の果てに、朋志の前でグレアまで出してしまった。
程なくして、四十代くらいの男性が部屋に入ってきた。
「恵吾さん、呼び立ててすみません」
「気にしないで、理久さん。…ああ、彼ですね」
恵吾がまだ震えている朋志にそっと近づく。
「…ぁ」
「もう大丈夫ですよ、恐かったですね」
恵吾に最初はびっくりしたようすを見せた朋志も、彼が同じSubだとわかって安心したように肩の力を抜いた。
「あ、あの…、ここはDomの人たちばかりで…」
「ええ、そうですね。落ち着ける場所に移動しましょう。歩けますか」
「はい…」
恵吾に促されて、二人は部屋を出ていった。
「いやぁ恵吾さんがいて、マジで助かったぁ」
「調子に乗りすぎです理生」
「…」
「理人、大丈夫ですか」
「悪かったって理人、別に本気でトモくんをどうこうしようなんて思ってないからさあ」
理生は性懲りもなく朋志を”トモくん”と呼び、全く反省は感じられないが、棗はもう、理生に何かをいう気も起きなかった。
「棗さん…すみません…俺、棗さんなのに…」
そう言って泣きそうになっていた朋志の顔が頭から離れない。パートナーを恐がってしまった事実に、朋志は傷ついていた。きっと自分を責めてしまうだろう。
朋志は悪くないと言いたいが、あれだけ怯えたあとに棗の話を聞いてくれるだろうか…。
大事にしたいと思っていたのに、信頼を無くしてしまった。
パートナー失格である。
恵吾が戻ってきた。
「朋志さんは大丈夫ですか?病院に行ったほうがいいですか」
棗が詰め寄る勢いで恵吾に話しかける。
「彼には客間で休んでもらいました。受け答えもはっきりしているし今はだいぶ落ち着いています、通院の必要はなさそうですけど…」
恵吾の言葉にホッとする。
「ありがとうございます、恵吾さん」
「理人さん、彼が理人さんのパートナーですか」
「…はい」
「あなたに悪いことをしたので謝りたいと気にしていましたよ」
「…いえ、謝るのは僕の方です…朋志さんが回復するまで客間をお借りします」
「もちろん、大丈夫ですよ。理一さんたちにも伝えておきます」
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