【R-18】トラウマ持ちのSubは縛られたい 〜Dom/Subユニバース

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期待をこめて

冬の夢、地下の息吹き 3





 「”Kneel”」
 「はい」

 ゆっくり棗の膝に乗る。
 腰を引き寄せられて、耳元で褒められる。擽ったくて肩を竦めるが、棗は知って止めようとしない。
 「もうやめてください…」
 「ええ、すみません」
 その顔は、笑っている。

 
 ”Hug”と”Stop”
 棗に抱きつく。
 「そのままでいてください」
 「はい」
 
 膝に乗り上げ、棗の頭を胸に抱く。
 熱い息が胸にかかる。
 擽ったいし、ドキドキする。
 ただ、こうしていると、棗が”自分のもの”だと感じられるから好きだ。
 朋志は、棗の匂いも好きだ。若い男性の匂いの中に新緑のような瑞々しい香りがして、うっとりしてしまう。

 背中や脇腹を撫でられたり、耳の裏を擽られたりするので、あまり集中できないが…。
 それも全部、知られていることだ。

 「棗さん…」
 「動かないでください」
 「…ぁっ、もう…」
 「ええ、もう少し」
 「ん…」

 棗の気がすむまで、抱きついたまま過ごした。
 



 ゆったりとしたプレイの充足感にぼんやりしていると、ふわふわしてきた。
 「最近、こういうことが増えましたね」
 「ん」
 棗がなにか言っているが、朋志にはほとんど理解できていない。ただ棗の声を聞いていると、それだけで気持ちがよかった。
 暖かい毛布に包まれているような心地で、どちらが上か下かもはっきりしない。頬に違う熱を感じた気がした。これも気持ちがいい。
 「サブスペースに入っていると思うのですが…」
 もっと声が聞きたい。
 「…っめさん」
 「はい」
 「こえ…もっと」
 「…ええ、朋志さん。僕のプレイでサブスペースに入ってくれる人はあなたしかいません」
 朋志の中が棗の声でいっぱいになり、嬉しくなる。
 「ありがとうございます朋志さん…」
 棗さん、好きです。







 朋志が目を覚ましたのは、真夜中だった。
 真夜中なのに、気持ちの良い目覚め。
 棗の寝室だ。隣では棗が眠っている。
 プレイをしていてそのまま寝てしまったらしい。そんなことが時々ある。
 ふと、”あ、今だ”と思った。
 棗を起こさないように、そおぉっとベッドから抜け出す。

 寝室の隣が朋志の部屋だ。
 机に置いてある封筒。住所はなく、”棗さんへ”とだけ書いてある。
 それを、棗の寝室にある机に置いた。

 棗はまだ寝ている。
 起こさなかったことにほっとして、朋志は布団を被りなおした。
 手紙に気づいた棗の反応を想像しているうちに寝てしまった。
 驚いてくれたらいい…と思いながら。




 次に朋志が目を覚ましたのは、朝だった。
 ブラインドが少しずらされていて、寝室に日の光が差している。ぼんやりと見えていた棗の後ろ姿が、段々とはっきりしてくる。

 「あ…」
 「朋志さん」
 朋志に気づいて、棗が振り返る。
 「おはようございます」 
 いつものように挨拶をして、起き上がる。
 棗の手には、見覚えのある便箋があり、「あっ」と思い出した。
 ――― 読んでくれたんだ。

 「棗さん、その…その手紙…」
 「朋志さん、読ませていただきましたよ」

 ほとんど同時に言い合ってしまい、二人して苦笑する。
 棗が手紙の文字を追い、朋志に視線を移す。
 「いつの間に置いてくれたのでしょうか、寝る前にはなかったように思いますが」
 「はい…驚いてほしくて」
 「驚きました、とても…」
 「ふふ」
 「…ええ、僕もあなたに会えてどれだけ嬉しかったか」
 「俺もです。一緒に住むのはいいタイミングだと思いました」
 「そうですか」 
 「はい」
 
 ベッドが軋む。棗がベッドに座り、朋志を引き寄せた。
 「棗さん、改めて、これからもよろしくおねがいします」
 「ええ、はい。…僕の方こそ…」

 朋志の首に鼻先がくっついている。擦り寄ってくる棗の頭を撫でると嬉しそうに目を細めている。棗が可愛い。
 「俺、棗さんのパートナーになれてしあわせですよ」
 寄り添っているので、囁くくらいがちょうどいい。
 背中に回っていた腕に力が入り、少し息苦しいが、まだ言いたいことがある。


 これからも棗さん好みのSubにしてください…




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