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トラウマ持ちのSubが幸せになる方法
トラウマ持ちのSubが幸せになる方法 4
たっぷりお湯をはった浴槽に肩まで浸かる。
最近は朋志から誘うほうが多かったので、棗からプレイに誘われるのは久しぶりだった。
ーーー 縛りたいって言ってた。
もともとプレイの”縛り”は、朋志の不安を取り除くためのアイテムだった。
あの頃は、なにもかもがこわくて不安だった。Subの自分も、顕以外のDomも。棗は最初から優しかったが、Domの彼を信用していたわけではない。でも今となっては、あれだけ執着していた顕とプレイが出来たとしても、サブドロップすることがこわくて、プレイが成立していたとは思えない。
棗は、朋志の不安をわかってくれた。
全ての不安を”縛る”ことに集約させて、可視化して「大丈夫」と言ってくれた。「大丈夫」にしてくれた。
朋志にとっても、縛ることは特別だ。
棗は、拘束することで朋志の体にかかる負担を気にしてあまり複雑な縛りはしない。安心して体を預けられる。
ほんとうを言うと、棗がしたいなら少しくらい無理をしてもいい。不自由な格好が少しくらい負担でも、棗のためだと思えるなら嬉しくて気持ちいいだろう。
棗に「素敵ですよ」と言われ、熱を湛えた目に体中愛でもらうのを想像して茹だってしまいそうなほど熱が上がった気がして、慌てて浴槽から上がった。
パジャマ替わりに着ているのは、膝小僧がちょうど隠れるくらいの半パンとTシャツだ。
棗からは、縛ってプレイする以外なにも聞かされていない。縛ってプレイする時は、その時まで何をするのかわからない緊張と、少しの期待がある。
ーーー どんなプレイになるだろう…。
そんなことを考えていたらまた熱が上がりそうだ。
リビングには棗がいた。ソファに座って雑誌を読んで寛いでいたが、朋志に気がつき、雑誌を閉じてテーブルに置く。
「こちらへ来てください」
「はい」
棗の隣に座る。
「温まりましたか」
「はい、遅くなってすみません」
「気にしないでください。朋志さん、僕の足に足を乗せてください」
「はい」
ーーー 始まる。
どきどきする胸を抑えながら、おそるおそる棗の足の上に片方の足を乗せる。
「触りますよ」
「は、はい…わ」
「すみません」
「いえ…」
反対の足も、棗の膝の上に乗せる。膝の上で足の爪を切ってもらうような体勢になった。
「これですか」
「はい、ありがとうございます。綺麗な足です」
裸足の足の裏と甲を包むように触られる。
じんわりと熱が伝わって擽ったいような気持ちがいいような、なにより照れてしまう。
「そんなこと…」
こんなことを言うのは棗だけだ。
「朋志さん、今日はここを縛りますよ」
棗は朋志の足の親指を触る。
「足を…」
「ええ。コマンドは、”Please”です」
「はい」
「して欲しいことは全部僕に”お願い”してください」
「はい」
「では始めましょうか」
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