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日常系 ※R-18
星の涙、静寂に秘めた光 3
「棗さん…」
ランタンの薄明かりの下でも、棗の頬が赤いことがわかる。
棗の告白は、朋志の中で、今までにないときめきがあった。朋志は、思わずといったふうに、棗に寄り添って肩口に頬を乗せる。テントは二人用だが、二人とも180cm近くあって、コンパクトではない。あまり大きな動きはできないのだが、今はどうでもいいと思った。
いつもは綺麗で格好いい棗が、可愛く感じる。愛しいような。朋志と同じように今夜を楽しみにしていてくれたことが嬉しい。
同時に、日頃から棗が朋志のために我慢をしてくれていることもわかってしまった。こんな小さなテントで一緒に一夜を明かすだけで、こんなに張り切っているなんて。もちろん、朋志も楽しみだったが、きっと棗のような感覚とはまた違うだろうと思う。いつもは棗の部屋ですることが多いプレイだ。どんなプレイだって、棗となら『特別』だが、全てを覚えているわけではない。
でも、こんなところで棗に見られながら、脱いで縛られるような刺激の強いプレイをしてしまったら、きっと一生忘れられなくなる。そんな想像だけで体の芯が熱くなってしまう。胸もきゅうっとしたり、ドキドキしたり忙しい。もう朋志の方も、棗との忘れられない『特別』な思い出が欲しくなっている。
でも、顔を見ながら言うのは恥ずかしいのだ。
「朋志さん」
「棗さん…」
棗がそっと朋志の背中を撫でる。労るようでも慰めるようでもある手つきは、気持ちいいのもだ。
「俺…裸になるのは恥ずかしいです…」
「ええ、びっくりさせてすみません」
「違います。裸になるのは…それは恥ずかしいですけど、棗さんのしたいこと、俺もしてみたいです」
「え…」
「痛くないですか」
「大丈夫です」
膝から下は縛られて動けないが、手は自由なので窮屈感はない。下着とTシャツ一枚だけになって膝から下に縄がかかっている。
「よかった、これでコマンドを出してもいいですか」
「はい」
うっとりしながら朋志の縄がかかっているところを撫でる棗に、勇気を出してよかったと思った。でも、こんな薄いテント、一歩外に出たらキャンプを楽しむ人達がいる中で、普段なら絶対しない格好をしている今の姿は、ひどく倒錯的だ。下着もTシャツに隠れているけれど、とんでもないことをしているのでは…と思い至ってしまえば、いつも以上に体温が上がってきてしまってどうしようもない。
「朋志さん、”Look”」
「はい」
「ありがとうございます。朋志さん、まだですよ」
「あ…ごめんなさい…」
コマンドなのに、まともに棗の方を見れない。
「いいえ、謝らないでください」
棗に見られて、ますます体が熱くなってくる。
「顔が赤い」
頬に触れてくる指が冷たくて気持ちいい。棗の言う通り、赤く熱を持っているに違いない。
「朋志さん」
「はい」
「あなたのその顔、すごく唆られます。どうしてそんな顔をするのでしょうか、教えてください」
耳元に直接、”Say”と吹き込まれる。
今日の棗はちょっと意地悪だ。朋志の気持ちなんて全部わかっているだろうに言わせるなんて。
意地悪だけど楽しそうでもある棗に、もっとこっちを見て、知ってほしいと思っているのは朋志のほうだった。
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