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最初の勇気 𝐺𝑜𝑜𝑑 𝑚𝑜𝑟𝑛𝑖𝑛𝑔
今日の夕飯は冷めた味噌汁とパンとご飯。
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「なん…で……なんで……ぇ……!!」
目の前の景色が瞬く間に消えて行く…心臓がバクバクと胸を打つ…呼吸を求めて肺が痛い。
どうして……どうしてこうなってしまったんだ……?
ちゃんとアラームはセットして確実に目が覚める様にしていたはずなのに現時刻は07時10分。
ホームルームまで後20分、自転車をかっ飛ばせば何とかギリギリ間に合うかどうか……
急いで学校に行かないと遅刻確定で放課後反省文を書かされる。
自転車のペダルをこれでもかというくらい強く踏みしめながら水瀬悠真は胸ポケットの中に居る小さな存在に恨み言を上げた。
「お前のせいだぞリリャーカァ!」
「………嘆いても仕方ないでしょうが、さっさと死ぬ気で自転車を漕ぎなさいって。」
「うるっせぇこの野郎!お前が6時30分頃くらいに起こさなかったのが悪いんだろうが!」
すると胸ポッケトがモゾモゾと動き小さな少女が中から顔を出すや否や、見なくても分かる程のの怒気を言葉と共に浴びせかける
「はぁ?!あんた今、「この野郎」って言った?言ったよね?言っとくけどね、夜中の4時までゲームしてグースカ寝過ごしたアンタが悪いってのに私が悪いって言いたい訳?アンタがアラームをセットした7時頃には既に起きて朝ご飯、着替えに10分おきに起こして上げるぜぇぇぇんぶやって上げたんだけど起きなかったアンタが悪いんでしょうが。なぁに?文句がおありで?ぐうの音も出ないでしょ?だったら早く自転車を漕いで朝のホームルームまでに間に合わせなさいよバカが!!言っとくけどアンタの夕飯は今日の残り物に決定だかんね!」
「何度だって言ってやる!バカ!アホ!クソ妖精!」
そしてまたアンタまたクソって言った?言ってねぇ、と売り言葉に買い言葉で言い合いながらも死ぬ気でペダルを踏み込み自転車のスピードを上げる。
リリャーカの溜まりに溜まった不満を聴きながらペダルを踏みしめて坂道を上がると目的地である学校が姿を見せる。
間に合った、そう思ったのも束の間、学校の入口ゲートが重々しく締まり始めた。
あれが閉まってしまうと完全に遅刻だ。
しかも目の前には横断歩道、信号機は赤色で車が行き交っている。
待っていてはゲートは閉まりきって入る事が出来なくなる。
「大体あんたって何時も私に──ちょっうわっうぁぁぁぁ?!」
リリャーカのお説教を無理やり遮る様に自転車のペダルにあらん限りの力を込めて漕ぎ出す。
自転車は瞬く間に横断歩道を瞬く間に突っ切り半分を渡りきった。
行ける。このまま行けば──
トラックが突っ込んで来た。
正確には横断歩道を無視して渡ってる所に通常運転のトラックが飛び込んで来たのだ。
運転手も気が付いたらしく騒々しいクラクションが鳴り響きながら減速を始めるが急には止まらない。
あぁ、死んだ。確実に死んだ。
そうだ死ねば遅刻も反省文ともオサラバ出来るじゃん。よっしゃ死のう!!
一瞬の出来事の中、悠真は走馬灯を見る。
胸ポケットのリリャーカにイビられた事……リリャーカに部屋の掃除をやらされた事……リリャーカに……リリャーカに……
「ロクな思い出がねぇ!!!!!」
こんなクソみたいな走馬灯を見ながら死ぬなんて嫌すぎる。
悠真は死ぬのを諦めて自転車のペダルを改めて踏みしめる。
「死ねねぇぇぇぇ!!!!」
目の前の景色が瞬く間に消えて行く…心臓がバクバクと胸を打つ…呼吸を求めて肺が痛い。
どうして……どうしてこうなってしまったんだ……?
ちゃんとアラームはセットして確実に目が覚める様にしていたはずなのに現時刻は07時10分。
ホームルームまで後20分、自転車をかっ飛ばせば何とかギリギリ間に合うかどうか……
急いで学校に行かないと遅刻確定で放課後反省文を書かされる。
自転車のペダルをこれでもかというくらい強く踏みしめながら水瀬悠真は胸ポケットの中に居る小さな存在に恨み言を上げた。
「お前のせいだぞリリャーカァ!」
「………嘆いても仕方ないでしょうが、さっさと死ぬ気で自転車を漕ぎなさいって。」
「うるっせぇこの野郎!お前が6時30分頃くらいに起こさなかったのが悪いんだろうが!」
すると胸ポッケトがモゾモゾと動き小さな少女が中から顔を出すや否や、見なくても分かる程のの怒気を言葉と共に浴びせかける
「はぁ?!あんた今、「この野郎」って言った?言ったよね?言っとくけどね、夜中の4時までゲームしてグースカ寝過ごしたアンタが悪いってのに私が悪いって言いたい訳?アンタがアラームをセットした7時頃には既に起きて朝ご飯、着替えに10分おきに起こして上げるぜぇぇぇんぶやって上げたんだけど起きなかったアンタが悪いんでしょうが。なぁに?文句がおありで?ぐうの音も出ないでしょ?だったら早く自転車を漕いで朝のホームルームまでに間に合わせなさいよバカが!!言っとくけどアンタの夕飯は今日の残り物に決定だかんね!」
「何度だって言ってやる!バカ!アホ!クソ妖精!」
そしてまたアンタまたクソって言った?言ってねぇ、と売り言葉に買い言葉で言い合いながらも死ぬ気でペダルを踏み込み自転車のスピードを上げる。
リリャーカの溜まりに溜まった不満を聴きながらペダルを踏みしめて坂道を上がると目的地である学校が姿を見せる。
間に合った、そう思ったのも束の間、学校の入口ゲートが重々しく締まり始めた。
あれが閉まってしまうと完全に遅刻だ。
しかも目の前には横断歩道、信号機は赤色で車が行き交っている。
待っていてはゲートは閉まりきって入る事が出来なくなる。
「大体あんたって何時も私に──ちょっうわっうぁぁぁぁ?!」
リリャーカのお説教を無理やり遮る様に自転車のペダルにあらん限りの力を込めて漕ぎ出す。
自転車は瞬く間に横断歩道を瞬く間に突っ切り半分を渡りきった。
行ける。このまま行けば──
トラックが突っ込んで来た。
正確には横断歩道を無視して渡ってる所に通常運転のトラックが飛び込んで来たのだ。
運転手も気が付いたらしく騒々しいクラクションが鳴り響きながら減速を始めるが急には止まらない。
あぁ、死んだ。確実に死んだ。
そうだ死ねば遅刻も反省文ともオサラバ出来るじゃん。よっしゃ死のう!!
一瞬の出来事の中、悠真は走馬灯を見る。
胸ポケットのリリャーカにイビられた事……リリャーカに部屋の掃除をやらされた事……リリャーカに……リリャーカに……
「ロクな思い出がねぇ!!!!!」
こんなクソみたいな走馬灯を見ながら死ぬなんて嫌すぎる。
悠真は死ぬのを諦めて自転車のペダルを改めて踏みしめる。
「死ねねぇぇぇぇ!!!!」
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