155 / 195
16
16一5※
しおりを挟む卵型のそれにはコードが付いていて、舌を吸われている最中も、振動しているそれが橘によってゆるゆると動かされているのでまるでキスに集中出来ない。
鼻で呼吸をしようと頑張ってみたいのに、意図しない吐息が漏れてしまう。
だがその我慢できない吐息を漏らすと、余計に橘からの舌攻撃が強まるので、逞しい肩を掴んだ由宇は悶える事しか術が無かった。
「見ろよ、触ってねーのにトロットロ」
「……んんっ……ん、んっ……っ……んっ……」
「これイってんじゃねーの?」
これ以上ないほど楽しそうな橘に、ツン、と性器を触られる。
そのイタズラな手のひらは、中のバイブをほったらかして由宇の性器をゆるやかに扱き始めた。
(ダ、ダメ、先生……っ……触ったら……っ出ちゃうってば……っ!)
二時間我慢しなければ「好き」とは言ってくれない。
けれどこの動きは明らかに射精を促している。
おまけに、滑らかな舌が縦横無尽に由宇の口腔内を犯していて、必死でその動きに付いていこうとするものの手腕に差があり過ぎた。
舌を受け止めながら器用に性器を扱かれ、振動中のあれが内壁をブルブルと蠢いて刺激してくるのに、……我慢なんか出来るはずがない。
橘の大きな手のひらは、絶妙な力加減で由宇の性器を扱き続けた。
自分でも分かるほど先走りが次々と溢れ出ていて、橘の動きを図らずもスムーズにしている事が恥ずかしくて泣けてくる。
震え続ける異物のせいで襞が熱くなり、ぬめぬめした橘の手のひらが、敏感で弱い肌を休みなく擦り……突如、下腹部に力が入った。
……耐えられなかった。
「んんん──っっ!」
頭の中にスパークが散る。
橘の肩を、指先が赤らむほどギュッと持ったがすぐに力尽きてベッドに滑り落ちた。
夢と現実の世界の狭間にいるかのようなふわふわとした浮遊感に苛まれ、数秒もの間、脳内が空っぽになるという経験を初めて体感した。
「……あーぁ、イっちまった」
「……ん、……っ……ふぅ、……」
自身の精液でお腹が汚れてしまった生温かさを感じながら、やっと唇を離してくれた橘に涙を舐め取られた。
目が開けられない。
呼吸も整わない。
射精の余韻で中がうねっても振動が止まってくれる事はなく、由宇のやわらかくなった性器からはしばらく半透明の液体が僅かずつ溢れ落ちていた。
肩で息をしている頭上で悪魔の微笑が待ち構えているとも知らず、由宇は瞳を瞑ったままだ。
「早えな。 もっと我慢しろよ」
「……で、できなっ……できない……! できな、い……もん……!」
「おい目開けろ。 寝るなよ」
「止め、て……おねが、っ……これ、とめて……っ」
「止めんのはいいけどバイブは入れっぱだぞ」
「えぇっ……! 抜いてほし、い……んだけど……」
終始鈍い音を立て、由宇の涙など知らん顔で蠢いているのだから、ひとまずその存在ごと取り除いてほしい。
ベッドの下からスイッチを拾った橘が、残念そうに動きは止めてくれたけれど本当に取り出してはくれなかった。
性器を扱いていた手のひらはいつの間にかバイブのコードに戻っていて、それが動かされる度に襞を擦られては片目を細めて熱っぽさに耐えた。
これだけ恥ずかしい場所をひっきりなしにイジられていては、疲労感を感じていても寝るに寝れない。
中の固形物をなるべく意識しないように呼吸を整えていると、橘がニヤッ、と妖しく笑って由宇の背中に触れた。
(この笑い方……嫌な予感しかしないんだけど……っっ)
「これ抜いたら開発にも拡張にもなんねーじゃん。 ほら、体起こせ。 俺の舐めろ」
「────っ!?」
「お前の口で俺のも抜いて」
無理やり四つん這いにさせられ、逃げられないよう後頭部を持たれた由宇は、橘の立派に起立した巨砲を再び拝まされる。
さっきそれっぽい事をしたばかりなのに、またもや由宇の口をご所望らしいが「出来ない!」と全力で頭を振った。
そんな大それたエッチな事をサラッと言われても、由宇の想像の範疇を有に超えるため必死だ。
「む、無理! 無理無理無理無理!!!」
「無理じゃなくて咥えんだよ。 今日はさすがに喉まで突っ込めとは言わねーから」
「だって、し、し、し、した事ないよ! 俺、初心者だって何回も言ってるだろ!」
「こんな感じかなーみたいな、想像でいい」
「そんなの絶対気持ち良くないと思うよ! やめとこっ、ねっ? 先生っ?」
その想像さえ由宇には出来ないと言っているのだが、橘は三白眼を崩さない。
睨み合うように見詰め合い、由宇はダメ元で「ねっ?ねっ?」と首を傾げてお伺いを立ててみた。
すると橘の目元がスッと細められ、唇の端が上がる。
「ん、今のはちょっと可愛かった。 て事で、はい、どうぞ」
「むむーーっっ!」
「歯立てんなよ」
「…………っっ……」
橘にぶりっ子をしてみても無駄だった。
むしろ由宇の後頭部を押さえる力が強まり、無理やり巨砲を口に含まされる。
限界まで唇を開けてみたが、やはり竿部分までは到底入れられなかった。
(うぅっ……苦しいっ……! 大きい……っ! なんで先生の、こんなデカいの……!?)
0
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる