必然ラヴァーズ

須藤慎弥

文字の大きさ
104 / 541
22❥

22❥※

しおりを挟む



 葉璃の細い腰を掴み、グッと自身を根元まで挿れてしまうと、聖南は屈んで白く清らかな項に強く吸い付いた。

 チリッとした痛みが走ったはずなのだが、壁に手を付いて必死で立っている葉璃は文句など言わない。

 それに気を良くした聖南は、ちぎられそうなほどに締め付けてくる内側に慣れるまで、ひたすら赤い証を葉璃の背中にいくつも残していった。


「……んっ、あ……、聖南、さんっ、痛いってばっ」


 だがさすがに吸い付き過ぎたようで、葉璃が壁に凭れたまま振り返って怒りの瞳を向けてきた。


「ごめんごめん」
「むっ……ん、んっんっ……ふっ……ふぁっ……」


 すかさずキスを仕掛けてやると、蕩けた葉璃の力が抜けてしまい転びそうになった。

 しかし大事な部分がガッチリと繋がったままなので、上体を抱き留めて震える体を支えると今更ながらに感動が湧き起こる。

 初めての時と同じく慣れるまでは動かないでいてやろうとするも、真っ白な背中と華奢過ぎる腰、時折窺うように聖南を見てくる葉璃の瞳を前にすると、どうも理性が言う事を聞かない。

 バックからの方が受ける側の負担が少ないかと思ったが、立ちバックは例外だったかと葉璃を見ていて思った。

 思えばあれから一ヶ月も経っている。

 聖南はもちろん、結論を急いでくれた葉璃も、この大き過ぎる快感に狼狽えているはずだった。


「葉璃、動いて平気? ツライならベッドいく?」


 今ですら葉璃の膝に力が入っていないので、あんまり激しく動くとそれこそ転んでしまいそうだと案じたが、葉璃は首を振って少しだけ聖南を振り返る。


「大丈夫、ダメだと思ったら……さっきの、抱っこして……」
「…………ッッ」


『~~っこの子はなんでこんなに殺し文句がうまいわけ!? 怖え……!』


 思いがけない葉璃の可愛いおねだりに、聖南の欲望は理性を軽く飛び越えた。

 我慢できずに背後からキツく抱き締めてやり、それを合図にゆっくり律動を開始する。


「……や……んっ、んっ、あっっ、……んっ……ぁんっ……」
「はぁ……ヤバ……こんな気持ち良かったっけ……」


 初めて葉璃とした時も同じ事を思った気がする。

 まだセックスというものに不慣れな、葉璃の哀愁の漂った喘ぎ声にもたまらなく興奮するし、大丈夫と言い張って頑張って地に足を付けているいじらしさも興奮するし、壁についた小さな手のひらがずり落ちていく様も興奮するし、何もかもが聖南にとっては興奮材料でしかない。

 葉璃が小柄で華奢なのも、壊しそうだと思う反面やはり相当にそそる。


『かわいー……やっぱたまんねぇわ……』


 これでもゆっくりと動いているつもりなのだが、挿れる時、引き抜く時、感じた事のないものすごい圧迫感である。

 聖南は葉璃に、早くイけと意図的に締め付けられているのかと思った。


『まだんな事出来ねぇよな……。 この初な子が俺しか知らねぇってマジでヤバイ。 ヤバ過ぎる』


 こんなに可愛い生き者が自分だけのもので、さらに、捨てられそうになったらストーカーをするとまで言い放ったいたいけな子が、まさに今聖南によって乱れている。

 シャワーによる湿気と熱気に包まれた浴室で、鼻血どころの騒ぎではない昂ぶりをまざまざと自覚していた。

 こんなにも容姿端麗で、少々根暗だが真っ直ぐな心を持ち、さらに前向きさまで備わってしまったら、顔付きだけではなくふとした時の何気ない表情にまでそれは表れるだろう。

 そんな魅力的過ぎる対象に近付こうと、まだ見ぬ憎き恋敵達は聖南の鉄壁をも簡単によじ登ってきそうだ。


『絶対に、死んでも、誰にも渡さねぇけど』


 葉璃が告白してくれた一言一句、見上げてくる緊張の面持ち、抱き締めた時の胸の高鳴り……それらは一生忘れられない。

 ここでまた思い出すと鼻の奥がツンとするほど、聖南の脳裏にすべてが焼き付いた。

 内側を探るように腰を振って恍惚としていた聖南は、瞳を閉じて先程の感動のシーンを思い出していると、葉璃が今にも泣きそうな瞳で振り返ってきた。


「あっ、……聖南、さんっ……俺も、う……ムリ、かも……っ」
「ん? 足ツライ?」


 自分でも気持ち悪いほど甘ったるい声が出てしまったが、葉璃しか聞いてないので構わない。

 葉璃の可愛いアレコレを妄想しながら我を忘れ始めていたせいで、いよいよ抱っこの時かと思ったがそうではなかった。


「……やっ、……違、……出そう……、イきそ、う!」
「あぁ……触ってほしい? ほら、イっていいよ」


 一旦動きを止めて葉璃のモノに手をやると、かわいらしく「触って」とねだるようにヌルヌルした液体を出し続けていた。

 孔への挿入をゆっくりめにしてやり、擦り上げるのと同じタイミングで数回扱いてやると、すぐに白濁液がシャワーから放たれる温水で流れていく。


「……はぁ、……はぁ……っ……はぁ……」


 射精の瞬間、ぎゅっと内側を締め付けられ、またもや聖南は自身をひきちぎられそうだと眉を顰める。

 葉璃ロスだったこの一ヶ月の間、入院で仕事を絶たれた時よりも失意の中に居た。

 「見違えた」と伝えて、ほんの少し葉璃に触れられたらそれでいいと引き止めたものの、まさか告白してくれるとは思いもしなかった。

 どれだけ聖南が嬉しかったか、葉璃当人も計れていないはずだ。

 もう待たなくていい───聖南が想うだけでなく、葉璃にも想ってもらえる。

 好きに愛していいとお許しをもらった事で、聖南は我慢をやめた。


「葉璃、おいで」


 息も絶え絶えな葉璃を抱え上げてこちらを向かせると、繋がったままのそこがギュッと締まった。


「くっ……。 こら、いま締めたろ」
「やっ……分かん、っない……っ」
「もう覚えたのか? 悪い子だなぁ」


 きっと葉璃は、抱え上げられた反動で自覚もないままに締めてしまったのだろうが、それどころではない聖南にとってはすぐさま動きを再開しなければならないほど切羽詰まっていた。

 いわゆる駅弁体位での突き上げに、葉璃は落ちないよう聖南の首にしがみついているのがやっとだ。


「はぁ、……あっ……やっ……やぁッ……ん……んーっっ」
「葉璃、舌」
「んんっ……はぁ……んっ、んっ、ん───」


 しがみついてくる強さで葉璃の興奮も伝わってきて、聞こえてるかな、と思いながらキスの催促をすると、なんと聖南の舌を甘噛みしてきた。

 聖南も負けじと葉璃の舌を甘噛みして、上顎を舐め回す。

 舐め上げた上顎のザラッとした質感に腰がぶるりと震え、一際早く打ち付けた後、聖南は葉璃の中で勢い良く達した。



しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ユキ・シオン

那月
BL
人間の姿をした、人間ではないもの。 成長過程で動物から人間に変わってしまう”擬人化種”の白猫青年と、16歳年上のオッサンとのお話。 出会ったのは猫カフェ。白猫従業員としての青年と客としてやってきたオッサン。 次に再会したのは青年が人間として通う大学。オッサンは保健室の先生だった。 青年が金のためにヤバいことをしていて、あるトラブルが起こる。 そこへ見計らったかのようにオッサンが飛び込んで救出したのをきっかけに2人の距離は縮まり…… ※表紙絵は自作。本編は進むにつれてどんどん動物園と化します(笑)

【BL】死んだ俺と、吸血鬼の嫌い!

ばつ森⚡️8/22新刊
BL
天涯孤独のソーマ・オルディスは自分にしか見えない【オカシナモノ】に怯える毎日を送っていた。 ある日、シェラント女帝国警察・特殊警務課(通称サーカス)で働く、華やかな青年、ネル・ハミルトンに声をかけられ、【オカシナモノ】が、吸血鬼に噛まれた人間の慣れ果て【悪霊(ベスィ)】であると教えられる。 意地悪なことばかり言ってくるネルのことを嫌いながらも、ネルの体液が、その能力で、自分の原因不明の頭痛を癒せることを知り、行動を共にするうちに、ネルの優しさに気づいたソーマの気持ちは変化してきて…? 吸血鬼とは?ネルの能力の謎、それらが次第に明らかになっていく中、国を巻き込んだ、永きに渡るネルとソーマの因縁の関係が浮かび上がる。二人の運命の恋の結末はいかに?! 【チャラ(見た目)警務官攻×ツンデレ受】 ケンカップル★バディ ※かっこいいネルとかわいいソーマのイラストは、マグさん(https://twitter.com/honnokansoaka)に頂きました! ※いつもと毛色が違うので、どうかな…と思うのですが、試させて下さい。よろしくお願いします!

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】

晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。 発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。 そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。 第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

お弁当屋さんの僕と強面のあなた

寺蔵
BL
社会人×18歳。 「汚い子」そう言われ続け、育ってきた水無瀬葉月。 高校を卒業してようやく両親から離れ、 お弁当屋さんで仕事をしながら生活を始める。 そのお店に毎朝お弁当を買いに来る強面の男、陸王遼平と徐々に仲良くなって――。 プリンも食べたこと無い、ドリンクバーにも行った事のない葉月が遼平にひたすら甘やかされる話です(*´∀`*) 地味な子が綺麗にしてもらったり幸せになったりします。

アルファな彼とオメガな僕。

スメラギ
BL
  ヒエラルキー最上位である特別なアルファの運命であるオメガとそのアルファのお話。  

愛され少年と嫌われ少年

BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。 顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。 元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。 【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】 ※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。

処理中です...