迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

文字の大きさ
20 / 223
②迅が不機嫌なんですけど

─雷─10※

しおりを挟む



「ンンッ───!」
「は? ウソだろ、お前……。 俺握っただけだぞ」
「……はぁ、はぁ……っ」


 あーそうですよっ。

 迅のあったかーい手のひらで直にぎゅむっと握られた瞬間、頭ん中にキラキラが飛び散りましたよっ。

 誤解を招いたらヤだから、盛大に否定しておきたい。

 俺、普段はこんなに早くねぇ。

 どんなトリック使ったのか知らねぇけど、いたいけな俺の分身に、テクニシャンな迅が一瞬で何か仕掛けやがったんだ。 絶対そうだ。


「……うぅぅ~~!! 恥ずい! 死にてぇ!」
「いや待て。 まだ萎えてねぇからもう一回くらい出せそう」
「迅がまだ握ってるからだろ!」
「雷にゃん声抑えろ。 さっきからデケェ声で色々言ってるけど、親父は下で寝てんだからな?」
「ハッ……!」


 ここが迅の実家だって事、すっかり忘れてた。

 慌てて口を塞いだ俺の股間は、ちなみにまだ迅の手中にある。

 ほんとにイった?ってくらい自分でも呆気なくTシャツを汚した性器が、あんまり萎えてない。

 だからって? イった直後の敏感な男のシンボルをふにふに弄ぶのはよくないんじゃねぇか、迅様?


「一回目だから量多かったな。 しかも結構飛んでる。 やるじゃん」
「んっ……ん、ッ……迅……っ、お前……ッ」
「なんだよ。 童貞男子」
「うるっせぇ……! あっ……ヤバ、ッ……!」
「もう? スパン早えな。 これで萎えなかったら童貞絶倫認定してやるよ」
「ふ、不名誉……ッッ! あ……っ♡」


 全然離す気配がない迅は、「扱きにくい」って言いながら俺の背中をグイッと抱いて、密着するよう無言で求めてきた。

 サラッとそんな事をする迅には、もう貰い過ぎてるかもしんねぇけどヤリチン認定してやる。

 背中もアソコも、迅と触れ合ってるとこぜんぶが熱いんだけどどうしたらいい?

 ふにふにすんのやめろって、言いたいのに言えない。

 気持ちいいから。 やめてほしいくないから。

 自分でするのとは全然違うんだ。

 迅の手のひらは大きいから、握ったらすっぽり収まっちまう俺のお粗末なナニが喜んでんだ。

 しかも何?

 耳に吐息を吹きかけて、誰かさんみたいにかぷっと甘噛みして、しまいにはぺろっと舐めてきやがった。


「ふっ……っ……んっ……んっ♡」
「マジで耳弱えな、雷にゃん」
「弱く、ない……ッ! ちゃんと、聞こえて、る……!」
「意味が違ぇよ」


 キラキラが近い。

 テクニシャンな迅の手のひらが動く度に、AVの中でしか聞いた事がないようなくちゅくちゅって音がする。

 恥ずかしいのに……これ一体全体どういう状況?って疑問でいっぱいなのに……童貞男子は初めての刺激に弱い。

 とにかく、めちゃめちゃ気持ちいい。

 どこに置いてたらいいか分かんなかった両手が、自然と迅のTシャツを掴んで引き寄せちまってもしょうがねぇと思う。


「雷にゃん、……イきそ?」


 だから耳元で囁くのやめろっつーの!!

 イケメンな迅は声までもれなくイケボなんだ! 自覚してくれ!

 ……心の中だけは威勢が良かった。

 実際俺の口からはハートマーク付きの吐息しか漏らせなくて、迅のシャツがしわくちゃになるくらい握って、こんなとこ見せたくないのに情けなく項垂れて……。


「うん、うん……っ、もう、出る、っ……出る……っ! 迅~~……ッ」


 聞こえてくる "くちゅくちゅ"が "ぐちゅぐちゅ" に変わった時にはもう、腹の下に集まった熱っぽさは止められなかった。

 扱く手付きも力加減も絶妙で、人差し指で亀頭をぷちゅっと潰されて精液を搾られたら、降参しか無いだろ。


「はぁ……、はぁ……、……」


 さっきよりたくさん、頭ん中でチカチカが光ってる。

 目が開けられない。

 力が入んねぇから迅の胸を借りて、いっぱい深呼吸してみる。

 ティッシュでサササッと後始末した迅が、ずっと俺の背中擦ってくれてるから文句は言ってやらなかった。


「なんで最後、俺の名前呼んだの」
「…………分かんねぇ。 俺はどうせ童貞男子だから……ヤリチンなお前には理解不能な生き物なんだ」
「そう自分を下げてやんなよ。 二回もイけて良かったじゃん。 さすがに萎えてるけどな」
「ふぇぇ……うぅぅ……っ」
「は? ちょ、っ……泣くなよ雷にゃん。 何の涙なんだよ。 そんなイヤだった?」


 なんの涙だぁぁ!? 分かれよ鈍感ヤリチンバカ!

 しつこいようだけど俺は童貞男子なんだよ!

 強制的にAV観せられておっ勃てて、ダチに二回もイかされたらそりゃ、悲しくもねぇのに涙ポロポロだよ!


「うわぁぁんっっ! 恥ずか死ぬぅぅ……!」
「………………」
「こんなのムリ! 俺にはダチ同士でヌきっこ大会なんか出来ねぇよ!」
「……それ、俺が相手でもイヤって事?」
「当たり前だろ! ダチなんだから!」
「へぇ……」
「な、なんだよっ、なんでそんな睨むんだよ!」
「あのさぁ……考えてもみろよ。 一回見ちまったもんは二回も三回も変わんなくね? 初体験は誰でも恥ずか死ぬもんだ。 その点、俺は雷にゃんのコレ握って、扱いて、イかせたんだぞ。 二回も」


 ま、まぁ……そう言われればそうかもしれないけど……とブツクサ言いながら俺は、一回目の発射で汚しちまったTシャツを脱いだ。

 半裸にクーラーの冷たい風を直接浴びて、ハッと気付く。

 ───ん? ってことは、恥ずかしかったのは俺だけじゃねぇのかな?


「迅も今、……恥ずかしかった?」
「なんで俺が」
「エッチな雰囲気だったじゃん。 だってなんか……迅、俺の耳……舐めてきたし」
「あぁ……」
「一瞬ちゅーされんのかって焦ったんだぞ」
「童貞男子のファーストキスを予告なく奪うはずねぇだろ」
「はぁ? キスならいっぱいした事あるし! なんならついこの間もしたし!」
「あ? 何それ。 誰と?」
「誰って……。 言いたくない」
「…………あっそ」


 失礼な。 俺だってちゅーくらいならたくさんしてるわ。

 それは対人間じゃないけど、そんなこと言ったらこのおっかないツラで絶対俺をバカにする。

 言うもんかと唇を尖らせた俺に、迅は自分が着てるTシャツをペッと投げて、半裸のままさっさとベッドに横たわった。


「迅っ! なんでそんな不機嫌なってんだよ!」
「なってねぇよ」
「なぁなぁ、迅ってば!」
「うるせぇ。 二回も抜いてスッキリしたろーが。 とっとと寝ろ」
「~~~~ッッ」


 つい三分前までのエロエロな雰囲気はどこにいったんだ。

 素っ気ない迅が、俺に背中を向けて嫌味しか言わなくなった。 なんでそんなにすぐ不機嫌になれるのか、俺にはさっぱり分かんねぇ。

 難しい男だ。

 迅が寄越してくれたTシャツを着て、俺も迅と背中合わせに横になる。

 いつの間にか真っ暗になったテレビに、唇を尖らせた俺の顔が映っていた。

 ……はぁ、寝よ寝よ。 確かに二回も出してぐったりだからよく眠れそうだ。

 とにかく、もう、こんな破廉恥エロエロヌきっこ大会なんか二度とゴメンだよ。










しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

もう一度言って欲しいオレと思わず言ってしまったあいつの話する?

藍音
BL
ある日、親友の壮介はおれたちの友情をぶち壊すようなことを言い出したんだ。 なんで?どうして? そんな二人の出会いから、二人の想いを綴るラブストーリーです。 片想い進行中の方、失恋経験のある方に是非読んでもらいたい、切ないお話です。 勇太と壮介の視点が交互に入れ替わりながら進みます。 お話の重複は可能な限り避けながら、ストーリーは進行していきます。 少しでもお楽しみいただけたら、嬉しいです。 (R4.11.3 全体に手を入れました) 【ちょこっとネタバレ】 番外編にて二人の想いが通じた後日譚を進行中。 BL大賞期間内に番外編も完結予定です。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。 「ケイラ…っ!!」 王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。 「グレン……。愛してる。」 「あぁ。俺も愛してるケイラ。」 壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。 ━━━━━━━━━━━━━━━ あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。 なのにー、 運命というのは時に残酷なものだ。 俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。 一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。 ★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

学校一のイケメンとひとつ屋根の下

おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった! 学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……? キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子 立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。 全年齢

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...