迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

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⑩カレシが出来ました!

─雷─

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『今週末は死んでも空けとけ』


 そう言った迅は、真顔で俺に向かって中指を立てた。

 これが告白大会直後じゃなかったら、タイマン勝負でもやんのか、かかって来いよ!って感じなんだけど……。

 中指を見た俺のほっぺたがポポポポポッと真っ赤になったワケは、一応ちゃんとある。

 こっ恥ずかしい告白大会のあと、フローリングの床に転がった迅にギュッと抱きしめられた俺は、ソレの存在をすっかり忘れてたんだ。


『なぁ、雷にゃん。 アレ何?』
『アレって?』
『ほらアレだよ、ベッドの上にある』
『あッッ!!』


 迅が指差したアレ。

 やらしい液体がなみなみ入った丸いキャップのローションと、ヘンテコな形をしてるどこからどう見ても卑猥なオトナのオモチャ。

 おっしゃる通りベッドの上にソレが無造作に転がっておりますけども、俺のじゃありません!って言ったところで、迅は片眉上げて「へぇ」っつって笑うだろ。

 それが分かってっから俺は誤魔化さなかった。

 ていうか、迅に誤魔化しがきくとは思えねぇし。


『こ、こ、ここここここれは違うんだ!! ちょっと興味ってか、好奇心が抑えきれねぇ雷にゃんのお茶目なとこが出ちゃったっつーか……!』
『さっき……俺が突入する前「痛い」って言ってたよな? もしかして一人でお楽しみ中だった?』
『えッ!? いや楽しんではなかった!! 痛かったし! てかそもそも入りそうになかっ……あッ』


 秒で墓穴を掘った。

 オモチャは遠いところに転がってて、まぁアレは使ってねぇだろって推測されたんだな。

 問題はねっちょりローション。

 ちょっと蓋が開きかけてる。 おまけに、ついさっき使用してました的な転がり方だ。

 俺の墓穴発言と状況証拠を踏まえた上で、冒頭の迅のパワーワードが生まれたってわけ。

 だって中指……ッッ、中指立ててたんだぜ、アイツ……!!

 しかも今週末空けとけって……ッ、それどういう意味ッッ?

 俺……俺……ッ、この週末ついにッ、指一本の初体験しちまうのか……ッ!?

 あの指が……迅のあの指が……俺のアソコに……!!

 キャァァアァ~~ッッ♡♡


「……にゃん、雷にゃん」
「────!!」
「おいシカトか、雷にゃん」


 ハッと我にかえった俺の体が、ふわっと浮いた。

 ここは見慣れた秘密基地の光景。

 窓の外は夕焼け小やけのオレンジ色。

 そして遠くから近くに視線を戻すと、今はとてつもなく心臓に悪い迅のイケメン面がそこにあった。

 ヒィッ、このツラを正面で見てられる自信無かったから、背もたれにしてたのに!

 指一本にムラムラドキドキしてたせいで、今日も墓穴を掘った。

 これじゃあ、〝雷にゃんのツラを見てたい。てか見せろ。こっち向け〟と甘々発言してくる迅の思うツボだ。


「シカトすんのか、雷にゃん?」
「と、とととんでもございませぬ!!」
「ンな肩肘張ってねぇで、近う寄れ」
「い、いえそんなッ、お代官様はお忙しいですでございますでしょ?」
「日本語不自由かよ。 ほら来いっつーの」
「うぁッ!?」


 ほら、甘ぁぁーーい!!

 迅のヤツ、なんのためらいも無くギュッて抱きしめてきた。

 それだけじゃなくて、俺のカッターシャツのボタンを二つ開けて鎖骨を舐めてきた!

 彼ピッピになった迅は、交際三日目でもうエンジン全開。

 向かい合って座るだけじゃ足んねぇんだぜ!

 やたらと触ってくるし、ナデナデしてくるし、隙あらば〝雷にゃん〟って呼んでくるんだぜ! 用も無えのに!


「はぁ。 クラス離れてんのマジ最悪な。 二組で授業受けようとしたらダメだって言われた。 ケチだよな、教師って」
「あのな、俺様迅様でも不可能なことはありまっせ……」
「昼休みは短えし、雷にゃん抱っこ出来んの放課後だけって苦痛過ぎる。 お前毎日ウチ泊まんねぇ?」
「えぇッ!? そ、それはムリでございますお代官様……ワタクシまだ高校生ですので……てかお代官様も高校生のくせにでございますよ……」
「ははっ、それまだ続いてたのか」
「…………ッッ!」


 ほらほら、甘々ぁぁーー!!

 激レアだと思ってた笑顔、そしてセクシーな笑い声を、迅は惜しみなく披露してくれるようになった。

 彼ピッピってすげぇ。

 迅がこの調子だから、俺も心臓のドキドキがヤバくてずっと胃が痛てぇよ。

 いつものおやつ(今日はパイにチョコ挟んである一口サイズのアレ)与えてくれようとしてんだけど、なかなか口開けらんねぇの。

 だって中指が……ッ、中指がどうしても目に入るから……!

 おやつどころじゃねぇんだよぉッ。




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