迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

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⑱リア充への道!?

─雷─⑦

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🐾 🐾 🐾



 迅の家に泊まるの、さすがに毎日はダメだって。年末年始はいいけど、夏みたいにずーっと入り浸るのは迷惑かかるでしょ、と説教されちゃ何も言えねぇ。

 まだバイトも決めてない身分で、とか。迅くんに甘えっぱなしはよくない、とか。

 そんな母さんからのお小言チクチクがすんげぇイヤで、迅に許可取って一時帰宅を余儀なくされた俺。

 でもクリスマスの外泊は、頼み込んで勝ち取った。

 何がなんでも迅とイチャラブしてぇし。

 実家だと好きに喘ぐことも出来ねぇし。

 そうなると迅からの濃厚なチューで俺は酸欠になるし。……って、頭ン中エロいことばっかじゃん。

 いや、そりゃそうだろ。

 プラグさんの登場で、迅との初体験は間近に迫ってる。ベッドを破壊するかも、なんて聞いたらドキワク止まんねぇお年頃だって。





「──ひぇ~! カップルばっか!」


 俺は不自然な内股で電車に揺られ、はるばる迅が働くモールまで満を持してやって来た。

 そう。満を持して、だ!

 カラフルなイルミネーションだらけの街中を、変な歩き方で進む俺をカップル達が颯爽と追い抜いて行った。

 さっきから、周りはマジでカップルばっかりだ。

 クリスマスってもんを外で過ごしたことがない俺にとっては、キラッキラな街並みも異様なくらいイチャつくカップルも全部が新鮮に見える。

 噂には聞いてたけど、ここまでとは思わなかったけどな。

 街全体が浮かれまくってる。

 俺もまぁ人のことは言えねぇけど? ヒヒッ。


「あ、ッ……」


 ニヤついて力んだ拍子に、お尻の穴がギュッと窄んで一人で喘ぐ。

 ダメだ。今は少しの油断も許されねぇ……っつっても、俺は電車の揺れも変な歩行もここまで頑張った。

 迅のバイトが終わるまで先輩の店で客のフリして待ってようとしたけど、モールの中はさらに熱々カップルでいっぱいだ。おまけにクリスマスプレゼントにはしゃぐ子どももわんさか居る。

 なんか急に恥ずかしくなってきた。

 今日もしかして初エッチ記念日になるかも!?♡ と浮かれた俺のお尻には、なんと一時間かけて自分でハメたプラグさんが突き刺さっている。


「あ……ッ♡」


 陽気な音楽と賑やかな人波のなか、立ち止まった俺の足元にトンとぶつかってきた何か。

 振り返ると、自分の体くらい大きな紙袋を抱えた男のちびっ子が、「ごめんなしゃい」と謝ってきた。そのすぐあと、ちびっ子のママからも謝られてしまう。


「だいじょぶだよー! 転ばなくて良かったな! それ重そうだしママに持ってもらえば?」
「ボクのゲームだからボクがもつんだ!」


 プイッて……そっすか。

 通り過ぎながら何回も会釈してくるママに笑顔を返して、まるで紙袋が歩いてるみたいな小さい背中を見送ってると、お尻がキュンとして急に冷静になってきた。

 ……無邪気なちびっ子よ……ここにこんな破廉恥お兄さんが居るなんて思いもしねぇよな。

 妙な形のエッチなオモチャが突き刺さってて、しかもパンツはローションが漏れちまってぬるぬるなんだぜ。

 コート脱いだらズボンのお尻に染みが出来てるかもしれないなんて、普通に生きてたらまずしなくていい心配を俺は一時間前からしてるんだぜ。


「……やっぱ抜こう……」


 今さら羞恥心ってやつに押しつぶされた俺は、呟いて激狭な歩幅でトイレを目指す。

 初エッチ絶賛待機中だった自分がめちゃめちゃめちゃ恥ずいぜ……。

 こんなの迅に見つかったら失笑もんだ。もしくは〝また浮気か〟ってキレられるか。

 ただでさえプラグさんに妬いてたしな、迅。


「う、ッ♡」


 もうップラグさんったら……歩いてるだけでたまにイイとこ押しやがるから困る。

 こんな調子で五回は立ち止まって喘いだぞ。

 ……てかトイレどこだ? 一階はあんまり回ったこと無えからなかなか見つかんねぇよ。

 エスカレーターとエレベーターから離れちまって、辺りをキョロキョロ見回してみてもそれらしき目印的なものも見つけきれなかった。


「仕方ねぇ……先輩んとこ行くか」


 ヨチヨチ歩きで来た道を引き返す。

 こんな事なら、段差と揺れにビビってねぇでサクッとエスカレーターに乗っちまえば良かった。
 
 先輩の店がある二階ならトイレの場所も分かるし、そこですぐさま恥ずかしいブツを取り出そう。ついでにプラグさんをゴミ箱にポイして、証拠隠滅を図るんだ。

 一人破廉恥プレイしながら来たの、迅にバレたらそれこそ恥ずか死ぬもんな。


「……ひゃぅッ♡」


 動く階段に狭い一歩を踏み出そうとしたその時、ズボンのポケットが振動した。

 猫背で公開喘ぎをかました俺を、通りすがりのカップルが「大丈夫ですか?」と心配してきてついに恥ずか死んだ。

 「大丈夫っす……」とカッスカスの声と愛想笑いだけ返して、そそくさとエスカレーターから離れる。

 くそぉ……ッ。

 誰だよ。こんな振動に弱いブツをお尻に突っ込んでる時に、電話なんか寄越しやがったヤツは!


「……ん? 誰だ、この番号……」


 よろめいた壁に背中をついてスマホを取り出すも、プラグさんにイタズラした着信相手は未登録で番号しか表示されてない。

 そういや、最近一匹狼を卒業した迅のせいで、やたらと一組の連中と番号交換したんだよなぁ……。

 出る義理は無いと思いつつ、社交的で通ってる俺は無視が出来ねぇプリチーボーイ(プラグさん挿入中)。


「もしもし?」
『あ、オレオレ! オレだ!』



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