迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

文字の大きさ
215 / 223
二年目の記念日

─2─

しおりを挟む



 さすが迅! 鋭いな!

 ……なんて、とても言えない雰囲気だ……。

 どうしよう……嘘もバレて、夜な夜な出歩いてる事もバレてんなら、白状した方がいいのか……?


「雷!」
「はい! お呼びでしょうか!」


 あぁっ、迅、めちゃめちゃ怒ってる!

 てかこれはガチギレだ!

 迅の怒声にもっさん達は揃って向こうの部屋に行って、後ろ足で器用に仕切りカーテンまで閉めやがった。

 すんごい賢い、そして空気が読める最強にゃんこ親子……っ。

 俺も……そっちにまぜて……!

 と、往生際悪く思ってた俺をとっ捕まえた迅は、腕をガッシと掴んでギリギリと握ってくる。

 痛い。超痛い。

 お前のどこにそんな力が眠ってるんだってくらい、痛い。

 まぁ迅はケンカすげぇ強いからな。

 しかもモデルみてぇに背も高いし、顔もめっちゃくちゃイケてるし、メンズ服売り場で働く人気店員なだけあって、髪型も服装も今風で激モテそーだし、しなやかな筋肉は俺も憧れる……って、この状況で何で惚気けてんだ、俺っ。


「返事ばっか良くても俺の機嫌がとーっても悪いんで、説明してくれると助かるんだけどなー」
「説明ってそんな……何も……」
「らーいにゃん」
「……はーい♡」
「誤魔化さねぇで言えっつってんだろーが!!」
「ひぃぃんッッ!」


 怖えよぉッ!!

 ガチギレした迅は、俺でさえ震え上がるほど目がイッちゃってて怖い。

 腕を引っ張られてベッドに押し倒されて、慣れた手付きで胸ぐらを掴まれた。

 おいおいッ、愛すべき恋人にこの仕打ちはなくない!?


「ちょ、迅! 早まるな! 恋人ぶん殴るのはマズイと思う!」
「誰が殴るかよ。服脱がせんだよ」
「いやいや、今ちょっとだけグイッてやったじゃん! もう少しで右の拳が炸裂するとこだった!」
「癖なんだからしょうがねぇだろ。胸ぐら=右ストレート」
「また変なイコール結んでるぅぅ!」
「お前がコソコソすっから悪りぃんだろーが。雷にゃんお仕置きだにゃん」
「なんでお仕置きなんだよーーっ! 迅がにゃんとか言ってて最高に恐怖だしーーっ!」


 迅がキレてる。「にゃん」なんて一度も聞いた事ないぞ。

 喚いてる間にも全裸に剥かれて俺はビクビクしてたはずが、「雷にゃん」って呼ぶ迅の怖い笑顔に思わず見惚れた。

 え、俺ってバカなの? デレって笑い返していいとこじゃないよね?

 ……あーぁ、やっぱ怒ってる。

 俺がヘラヘラしたから迅のブチキレメーター振り切った。


「浮気してんの?」


 ……怖いです、迅様。

 その笑顔でその質問は、イエスでもノーでも尋問開始の合図を秘めていて、その笑顔も不敵過ぎてもはや邪悪な笑みです。


「してないです、にゃん」
「ふざけてんのか」
「えぇッ!? ふざけてねぇし! さっき迅がにゃんって言ったから……ッ」
「雷にゃんは誰もが認める単純バカじゃん? 嘘だけは吐かねーから可愛がってやってたのに、ついにウソ吐きやがったな? ん?」
「ウソなんて吐いてねぇってばー!! ……ちょっとしか……」
「やっぱウソ吐いてんじゃねぇか!!」
「わぁぁんッッ! そんな大声出すなよ! お隣さんから苦情来るぞ!」


 あのな、夜な夜な出歩いてるって言っても、ちゃんと理由があるんだよ!

 あんまり言ってやらないけど、俺だって迅の事大好きだから、嘘なんて吐きたくないよ。

 でもしょうがないじゃん!

 喜ばせたくて内緒にしてるんだから!



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

もう一度言って欲しいオレと思わず言ってしまったあいつの話する?

藍音
BL
ある日、親友の壮介はおれたちの友情をぶち壊すようなことを言い出したんだ。 なんで?どうして? そんな二人の出会いから、二人の想いを綴るラブストーリーです。 片想い進行中の方、失恋経験のある方に是非読んでもらいたい、切ないお話です。 勇太と壮介の視点が交互に入れ替わりながら進みます。 お話の重複は可能な限り避けながら、ストーリーは進行していきます。 少しでもお楽しみいただけたら、嬉しいです。 (R4.11.3 全体に手を入れました) 【ちょこっとネタバレ】 番外編にて二人の想いが通じた後日譚を進行中。 BL大賞期間内に番外編も完結予定です。

生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。 「ケイラ…っ!!」 王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。 「グレン……。愛してる。」 「あぁ。俺も愛してるケイラ。」 壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。 ━━━━━━━━━━━━━━━ あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。 なのにー、 運命というのは時に残酷なものだ。 俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。 一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。 ★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!

告白ごっこ

みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。 ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。 更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。 テンプレの罰ゲーム告白ものです。 表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました! ムーンライトノベルズでも同時公開。

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

学校一のイケメンとひとつ屋根の下

おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった! 学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……? キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子 立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。 全年齢

処理中です...