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二年目の記念日
─3─※
しおりを挟む「さっきからうるせーのはお前だろ」
はい、ごもっともです。
でも叫ばずにはいられないよ、迅様のご機嫌が斜め過ぎて直角なんですもの。
「あ、あのさ、落ち着けよ、迅。俺マジで浮気なんてしてねぇから。分かるだろ? 俺、迅以外に触られたら鳥肌立つんだよ」
メーターを振り切った迅は、目にも止まらぬ早さで全裸になった。
俺と肌を寄せ合って、優しく唇で愛撫をしてくれた…なんてとんでもない。
恐ろしい形相でずっと睨んでくる。
まるで俺がケンカの相手みたいに、恨みがましくギリギリッて。
おかしいな、俺にしては冷静に話してみたつもりなのに。
迅のガチギレメーター、ついに故障した?
「いつ触らせたんだよ」
「…………え……?」
「なんで俺以外に触られたら鳥肌立つって分かんだよ。っつー事は誰かに触らせたわけだよな? は? どゆ事? は? お前正気? は?」
「怖い怖い怖い怖い! 迅、マジでやめろって! 怖いッ!」
「雷のおバカは付ける薬がねぇな。誰に触られた? 俺の知ってる奴? は?」
迅が「は?」を乱用する時は、例のガチギレメーターが完全にイカれた証拠だ。
ケンカを吹っ掛けられたりトラブルに巻き込まれる質の俺は度々ピンチに陥るんだけど、何故かそのとき颯爽と現れるのが迅で。
そのとき迅は一発ずつ相手のどこかしらをぶん殴りながら、イッちゃった目をしてこう言ってる。
『俺のお気に入りに手出すとかマジで命知らずじゃね? どこから殴ってほしい? は? 聞こえねぇよ? は? スネはアイツがやってんだろうから俺は顎でいいよなッ? ああッ!?』
こんな調子で、迅の右ストレートは相手の顎やみぞおちに確実にヒットする。
その勇敢な姿に惚れ惚れしている俺に向かって、迅は「なんでお前は面倒事を引き連れて歩くんだ」と叱ってはくるんだけど。
家ですごーく手厚く手当てしてくれて、その後はすごーく気持ち良い事を俺が泣くまでしてきちゃう困った恋人なんだな……迅ってば。
「ふっふっ……ッ」
「この状況で笑えるかフツー? 雷にゃん、俺がキレてんの分かんねぇの? そこまで鈍い?」
やばーいッ! 完全に頭ん中のキレてない迅にうっとりしてた!
これだから俺は単純バカだって言われるんだよな……!
「あ!? ……むむッ! ちょっ、……やめっ……ッ」
「目隠しとアソコ縛んのどっちがい?」
あたふたした俺の口の中に迅の指が突っ込まれて、唾液を取られた。
それを俺の体にべちゃっと付けて、迅様は恐ろしい笑顔でニヤリと笑っている。
「あぅッ、……何ッ? ……ンなの、どっちも嫌だ!」
「じゃあどっちもやるわ」
「やだぁぁ!! 迅がブチキレたまんまのエッチなんてしたくないよー!」
「キレさせたのはお前だろ、雷にゃん」
「分かった! 白状する! するからぁぁ」
「もう遅い」
そんな殺生なー!
白状するって言ったのに、迅はほんとに俺のアソコをベルトで縛りやがった。
目隠しはしないでいてくれるみたいだけど、そうなるとこのブチキレた迅をずっと見てなきゃいけないって事だから……。
あぁっ……! 目隠ししといてほしいような、ほしくないような……!
「まずは誰に触らせたのか、聞こうじゃねぇか」
「んっ……ッ! んんッ……、んッ……!」
こんな、ベロがくるくる混ざるキスなんてしてたら、喋れるかっての!
そしてこのキスは、俺の思考を簡単に途絶えさせてしまう謎の効力がある。
喋れないどころか、迅の肩に手を置いて俺も必死でベロを追ってしまった。
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