迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

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猫記念日

─3─

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 予想通り、迅は目一杯お寿司を買い込んで帰ってきた。

 もっさん達と一緒に走って玄関まで行って、みんなで迅に飛び付く。


「迅ー! おかえりー! お疲れー!」
「お疲れ。てかお前ら重いって」
「んな事言って~! 俺達の盛大な出迎えが嬉しいって顔に書いてるぞー!」


 お兄系のイケてる格好をした照れくさそうな迅の二の腕を、ツンっとしてみる。

 はいはい、なんて言いながら口元笑ってるし。

 クールを気取った迅は照れ屋さんだから、あんまり言うと怒るんだよな。これくらいにしとこう。

 お寿司おあずけ食らうのも痛いしな。


「何だこれ。雷にゃん、こんなもの自分で買ってきたのか?」


 美味しいお寿司に舌鼓を打って、仲良くイチャイチャしながらお風呂に入った俺達はパンツだけ履いた格好でヤる気満々だった。

 会える日が少ない俺達のエッチは、ホテルか、両親不在中の迅の家。

 実家の合鍵預かるくらい、迅の家族からも良くしてもらってるから、たまにとても申し訳無いと思う時がある。

 俺と迅の関係は、どちらかと言うと公には出来ない後ろめたさを含んでるから。


「こんなもの、なんて言うなよ」
「いやでもこれはな、……。まぁいいや。すげぇ使ってみたい。雷にゃんが本物の〝にゃん〟になるって事だろ」
「え~何言ってんだ? あ、しっぽちゃん、この顔面は超イケてるけど昔ヤリチンだった人は迅って言うんだ。新しい飼い主だよー」


 尻尾の真ん中辺りを掴んで、ニヤニヤしてる迅の顔を拝ませる。

 あの店で捨てられる運命だったかもしれないしっぽちゃんを、救出出来て良かったよ。

 ここだったらもっさん達が居るから寂しくないはずだ。


「おい雷にゃん、ツッコミどころ満載で頭痛えよ」
「え、大丈夫? こんな夜中までタナオロシしてるからだぞ。店長代理だからって無理はいけないと思っ……っ、うわっ……!」


 ビックリしたぁ!

 迅にいきなり抱っこされてベッドにぽいってされた俺は、しっぽちゃんを手放してしまった。

 それをすかさず奪った迅は、しっぽちゃんのちょっとやらしい部分を見てニタニタしてる。


「なぁ雷にゃん、これ買うとき店員からジロジロ見られたろ」
「痛いなぁ、もっと優しく運べよ!」
「どうなんだ、ジロジロ見られた?」
「あー……うん。なんで分かんの? 迅、こっそり俺の後ろに居たのか?」
「居ねぇよ。まぁ、……そうだろうな。「これコイツが使うのか?  いや彼女にか?  いやいや、こんなチビに彼女居ないか。て事は自分用に買ったのか?  えっろ」  なんてな」
「何っ? 迅がひとり芝居してる!?」
「そうそう。店員の気持ちを代弁してみた」
「代弁……? だいべん……」
「やっぱ国語のドリル必要そうじゃん」
「それはマジで要らねぇぇぇッ」


 俺の絶叫にゲラゲラ笑いやがった迅の手には、早くもローションのボトルとコンドームが握られていた。

 そして隣の寝床に居るはずのもっさん達は、俺達のイチャイチャが始まったのを察したみたいで、今日もお利口さんに空気を読んだ。

 後ろ足で器用に仕切りカーテンを閉めてたもっさん親子を起こさないようにと思うものの、朝までそれは難しい……かも。



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