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第一章
弟子入り志願②
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ゴードンの妻であるイザベラが出してくれたお茶をすすりながら、今後についての相談を始めた。ダナイは先ほどとは違い、奥さんのイザベラの表情が明るくなっていることに気がついた。
どう言うことかと首を傾げていると、店のドアと叩く音が聞こえた。
「ゴードンさん、いらっしゃいませんかー?」
その声にダナイは聞き覚えがあった。アベルの声である。イザベラが店側へと向かうと、ゴードンに連れられてダナイも店側へと向かった。予想した通り店側にはもう一つの部屋へと続くアーチがあった。あの先が工房になっているのだろう。逸る気持ちを抑えてアベルを出迎えた。
「ゴードンさん! 元気そうで良かったです。最近は店をずっと閉めていたので、何かあったのかと心配していたんですよ。あれ? ダナイさんじゃないですか。こんな場所で会うなんて奇遇ですね」
元気良く入って来たアベルとマリアが店の中に居たダナイに挨拶をした。
「アベルもマリアも元気そうだな。俺は今日からここに弟子入りすることにしたんだよ」
「ゴードンさんの弟子に!? それじゃ俺の剣も、そのうちダナイさんが見てくれるようになるんですね!」
嬉しそうにアベルは言った。まだ物になるかは分からないと言うのに、気が早いことだと内心苦笑しつつも、期待されていることには間違いないので同時に嬉しくも思った。
「本当は店を畳もうかと思っていたんだがな。まあ、そういうことだ」
「そんな! ゴードンさんの作る武器は凄いってみんな言ってますよ」
危ないところだった。もう少し時期が遅れていれば弟子入りすることができないところだった。ギリギリで滑り込めたことに肝を冷やしていると、先ほど見たイザベラの表情は旦那がまだ店を続けることを嬉しく思ったからに違いないと理解した。
ゴードンはアベルが差し出した剣をチラリと見ると、奥の工房へとダナイを連れて行った。そこにはダナイが予想した通り、金床や鎚、火床だけでなく製鉄炉のような物もあった。高まる胸の鼓動を必死に抑えつつ、ゴードンについて行った。
「ダナイはどのくらい鍛冶をやっていたのかね?」
「初めてです」
え? と明らかにゴードンの顔色が変わった。それを敏感に察知したダナイは慌てて付け加えた。
「鍛冶の経験はないですが、彫金や板金の経験はありますよ」
なるほど、とゴードンは安堵の表情を浮かべた。
「そうかそうか。新しい技術を習得しにきたのだな。さすがはドワーフ。物作りに関しては本当に熱心な種族だな。ドワーフは鍛冶だけでなく、彫金も板金も優れていると聞いたことがある。その技術を私も楽しみにしているよ」
何だかゴードンさんとの間に誤解があるような感じをヒシヒシと感じたが、機嫌をそこなうのは良くない。そう判断したダナイはそうだそうだと相槌をうった。
「それではまずは基本の剣の研ぎ方を教えるとしよう。使うのはこの砥石だ。この砥石は特別な砥石でな、なかなか手に入らない代物なのだよ」
「おお、そうなのですね。師匠、もっと良く見せてもらってもいいですか?」
「し、師匠!? あ、ああ、もちろんだよ」
「ゴードンさん、俺の剣をよろしくお願いします!」
「ほら、アベルもマリアも二人の邪魔をしては駄目よ。こっちへいらっしゃい。お茶をご馳走するわ」
「わぁ! ありがとうございます、イザベラさん」
アベル、マリア、イザベラは仲良くティータイムにするようであった。
どう言うことかと首を傾げていると、店のドアと叩く音が聞こえた。
「ゴードンさん、いらっしゃいませんかー?」
その声にダナイは聞き覚えがあった。アベルの声である。イザベラが店側へと向かうと、ゴードンに連れられてダナイも店側へと向かった。予想した通り店側にはもう一つの部屋へと続くアーチがあった。あの先が工房になっているのだろう。逸る気持ちを抑えてアベルを出迎えた。
「ゴードンさん! 元気そうで良かったです。最近は店をずっと閉めていたので、何かあったのかと心配していたんですよ。あれ? ダナイさんじゃないですか。こんな場所で会うなんて奇遇ですね」
元気良く入って来たアベルとマリアが店の中に居たダナイに挨拶をした。
「アベルもマリアも元気そうだな。俺は今日からここに弟子入りすることにしたんだよ」
「ゴードンさんの弟子に!? それじゃ俺の剣も、そのうちダナイさんが見てくれるようになるんですね!」
嬉しそうにアベルは言った。まだ物になるかは分からないと言うのに、気が早いことだと内心苦笑しつつも、期待されていることには間違いないので同時に嬉しくも思った。
「本当は店を畳もうかと思っていたんだがな。まあ、そういうことだ」
「そんな! ゴードンさんの作る武器は凄いってみんな言ってますよ」
危ないところだった。もう少し時期が遅れていれば弟子入りすることができないところだった。ギリギリで滑り込めたことに肝を冷やしていると、先ほど見たイザベラの表情は旦那がまだ店を続けることを嬉しく思ったからに違いないと理解した。
ゴードンはアベルが差し出した剣をチラリと見ると、奥の工房へとダナイを連れて行った。そこにはダナイが予想した通り、金床や鎚、火床だけでなく製鉄炉のような物もあった。高まる胸の鼓動を必死に抑えつつ、ゴードンについて行った。
「ダナイはどのくらい鍛冶をやっていたのかね?」
「初めてです」
え? と明らかにゴードンの顔色が変わった。それを敏感に察知したダナイは慌てて付け加えた。
「鍛冶の経験はないですが、彫金や板金の経験はありますよ」
なるほど、とゴードンは安堵の表情を浮かべた。
「そうかそうか。新しい技術を習得しにきたのだな。さすがはドワーフ。物作りに関しては本当に熱心な種族だな。ドワーフは鍛冶だけでなく、彫金も板金も優れていると聞いたことがある。その技術を私も楽しみにしているよ」
何だかゴードンさんとの間に誤解があるような感じをヒシヒシと感じたが、機嫌をそこなうのは良くない。そう判断したダナイはそうだそうだと相槌をうった。
「それではまずは基本の剣の研ぎ方を教えるとしよう。使うのはこの砥石だ。この砥石は特別な砥石でな、なかなか手に入らない代物なのだよ」
「おお、そうなのですね。師匠、もっと良く見せてもらってもいいですか?」
「し、師匠!? あ、ああ、もちろんだよ」
「ゴードンさん、俺の剣をよろしくお願いします!」
「ほら、アベルもマリアも二人の邪魔をしては駄目よ。こっちへいらっしゃい。お茶をご馳走するわ」
「わぁ! ありがとうございます、イザベラさん」
アベル、マリア、イザベラは仲良くティータイムにするようであった。
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