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ハニートラップ②
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こいつ、何をやらかしたんだ。まさか婚約者に対してセクハラしてないよね!? ジッと殿下の顔を観察したが、ほほに紅葉の跡はなさそうだ。すると不意に殿下が目をそらした。そのほほがほのかにピンク色になっている。
……ちょっと待てぃや。俺は本当にそっちの気はないぞ。まさかゲームの裏設定で「実は殿下が女の子でした」なんてことないよね? まずい、そういえば三本目の足を確認してないぞ。お父様が俺と殿下をくっつけようと……いやいや、それはない。だって昨日顔合わせしたのはどこぞの公爵令嬢だったはずだ。良かった、安心した。
「レオン様、何があったのですか?」
「それが、母上みたいな子でな……」
「あー」
察し。王妃殿下は厳しいもんね。でもそれは息子を立派な人に育てたいからであって、決して意地悪や嫌がらせでやっているわけじゃないんだよね。せめてその部分は分かって欲しい。
「あの者は苦手だ……」
めっちゃ嫌がってるー! これはまずい。何とかせねば。考えろ、考えるんだ俺。
まずは殿下と婚約者との関係がうまくいかなかった場合。まあ、当然、新しい候補者がやってくるな。それはもうタケノコのようにぽこじゃかと現れるだろう。この世界に竹があるのかどうかは知らんけど。
もしその候補者が、王妃殿下のような厳しい人物ではなかったら? おそらく殿下の暴走を止められずに国が衰退する。そしてそのすきをついて隣国が戦争を仕掛けてくるだろう。これは良くない。
それではヒロインが殿下を攻略した場合。これはもっと悪い。ヒロインは庶民の出だ。当然、後ろ盾はない。王家の力はますます衰退し、最悪、内戦で滅ぶ。俺がクーデターを起こさなくても、だれかが立ち上がるだろう。断固、阻止しなければならない。
そもそもこの婚約は、弱まりつつある王家の力を取り戻そうという意図があるはずだ。何せ相手が王家寄りの有力公爵家の娘なのだから。それならば、この婚約を何としてでもまとめなければならない。よし、やるか。
「レオン様、その方はどのような容姿なのですか?」
「確か深紅の髪が胸の辺りまで伸びていて、琥珀色の瞳をしていたな」
「なるほど、なるほど。それで……スタイルの方はどうでした?」
「え? そういえば、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んだ……エロ同人雑誌に出てきそうな体つきをしていたな!」
殿下の顔がパアッと明るくなった。よし、食いついたぞ。
「確かレオン様の婚約者様は私たちと同じ八歳でしたよね? 将来が楽しみですな~」
「その通りだ、フェルナンド。実に楽しみだ。彼女は実に素晴らしいレディーだ」
その光景を夢想するかのように目をつぶり、腕を組んでうんうんとうなずく殿下。これでひとまずは何とかなるだろう。その間にうまく殿下を操って、二人の絆を構築せねば。
翌日、お父様から「よくやった。国王陛下も王妃殿下も大層お喜びだ」と言われた。
俺はお父様に真実を告げることができなかった。殿下の婚約者をハニートラップに利用したなど、口が裂けても言えるわけがない。
……ちょっと待てぃや。俺は本当にそっちの気はないぞ。まさかゲームの裏設定で「実は殿下が女の子でした」なんてことないよね? まずい、そういえば三本目の足を確認してないぞ。お父様が俺と殿下をくっつけようと……いやいや、それはない。だって昨日顔合わせしたのはどこぞの公爵令嬢だったはずだ。良かった、安心した。
「レオン様、何があったのですか?」
「それが、母上みたいな子でな……」
「あー」
察し。王妃殿下は厳しいもんね。でもそれは息子を立派な人に育てたいからであって、決して意地悪や嫌がらせでやっているわけじゃないんだよね。せめてその部分は分かって欲しい。
「あの者は苦手だ……」
めっちゃ嫌がってるー! これはまずい。何とかせねば。考えろ、考えるんだ俺。
まずは殿下と婚約者との関係がうまくいかなかった場合。まあ、当然、新しい候補者がやってくるな。それはもうタケノコのようにぽこじゃかと現れるだろう。この世界に竹があるのかどうかは知らんけど。
もしその候補者が、王妃殿下のような厳しい人物ではなかったら? おそらく殿下の暴走を止められずに国が衰退する。そしてそのすきをついて隣国が戦争を仕掛けてくるだろう。これは良くない。
それではヒロインが殿下を攻略した場合。これはもっと悪い。ヒロインは庶民の出だ。当然、後ろ盾はない。王家の力はますます衰退し、最悪、内戦で滅ぶ。俺がクーデターを起こさなくても、だれかが立ち上がるだろう。断固、阻止しなければならない。
そもそもこの婚約は、弱まりつつある王家の力を取り戻そうという意図があるはずだ。何せ相手が王家寄りの有力公爵家の娘なのだから。それならば、この婚約を何としてでもまとめなければならない。よし、やるか。
「レオン様、その方はどのような容姿なのですか?」
「確か深紅の髪が胸の辺りまで伸びていて、琥珀色の瞳をしていたな」
「なるほど、なるほど。それで……スタイルの方はどうでした?」
「え? そういえば、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んだ……エロ同人雑誌に出てきそうな体つきをしていたな!」
殿下の顔がパアッと明るくなった。よし、食いついたぞ。
「確かレオン様の婚約者様は私たちと同じ八歳でしたよね? 将来が楽しみですな~」
「その通りだ、フェルナンド。実に楽しみだ。彼女は実に素晴らしいレディーだ」
その光景を夢想するかのように目をつぶり、腕を組んでうんうんとうなずく殿下。これでひとまずは何とかなるだろう。その間にうまく殿下を操って、二人の絆を構築せねば。
翌日、お父様から「よくやった。国王陛下も王妃殿下も大層お喜びだ」と言われた。
俺はお父様に真実を告げることができなかった。殿下の婚約者をハニートラップに利用したなど、口が裂けても言えるわけがない。
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