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婚約者、現る!
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あれから殿下とお妃様候補はうまくやっているようである。俺のアドバイスもあって、すでに殿下が尻の下に敷かれている状況ではあるが、「あの尻はイイ尻だ」としきりに言っていた。それなら本望だろう。
あの後、すぐに俺はお妃様候補と結託した。秘密結社オズ(王子様をずっと影から操る)の誕生である。すでにお妃様候補は殿下が残念な性格をしていることを知っていた。きっと両親からも教えられていたのだろう。仲間が増えて良かった。
お茶会にも積極的に参加するようになった俺たちは本当に大変だった。二人いたからこそ、制御できたようなものだ。そんな胃が痛くなる日々を過ごし、何とか俺は十歳の誕生日を迎えることができた。
「フェルナンドです。失礼します」
「来たか、フェル」
誕生日会も無事に終わり、ようやく落ち着きを取り戻したころに、伯爵家の執務室に呼び出された。何の用なのかは大体分かる。先日、殿下がお妃様候補を正式に婚約者として発表したところだ。おそらく次は俺だろう。
「トバル公爵から打診があってな。公爵の一人娘をフェルにもらって欲しいらしい。どうする?」
「ありがたく頂戴させていただきます」
俺は頭を下げた。断る理由は何もない。相手は公爵家だ。後ろ盾としてこれほど強力なものはない。これ以上となれば王女様くらいだろう。しかし王女様はまだ三歳。俺はロリコンではない。
それに俺にはヒロインよけとして婚約者が必要だ。婚約者の力が強いに越したことはない。
「そうか、そう言ってくれると思っていたよ。フェルには迷惑をかけるかも知れない」
エウラリア・トバル公爵令嬢か。遠目でしか見たことはないが、確か目がつり上がった、猫みたいなツンツンした女の子だったな。ゴリラではなかった。
お父様が迷惑をかけると言っているところを加味すると、性格はきつそうだな。まあそれでもやるしかない。敗北も撤退も許されない。戦わなければ生き残れない。
俺たちの顔合わせの日程はすぐに決まった。俺はいつも以上に気合いを入れて準備をして、伯爵家の馬車に乗り込んだ。護衛の数も多い。
今や我が伯爵家と王家のつながりはさらに強いものになっていた。それを良くないと思う者も多いだろう。一度毒殺されそうになった身だ。当然守りも堅くなる。
向かっている場所はトバル公爵家。婚約者であるエウラリア公爵令嬢の実家である。つまり、完全アウェーである。ファンからの応援はなさそうである。
「フェル、緊張しているのか? 気分が乗らないならまた今度にしてもいいんだぞ」
正面に座るお父様が片方の眉を器用に上げてからかうように言った。本気でそんなことは思っていないだろう。どうやら俺の緊張をほぐそうとしてくれているらしい。
「大丈夫ですよ。どちらかと言えば、お城で殿下が問題を起こしていないかどうかの方が心配です」
「確かにそれもそうだな。殿下の婚約者殿に頑張ってもらわないといけないな」
ハッハッハとお互いに笑う。何とも不謹慎な親子である。たぶん殿下にバレたら泣かれるな。気をつけよう。殿下、すぐに泣くからな。この間もちょっと無視しただけで泣いたし。
そんな話をしている間に、馬車はトバル公爵家へと到着した。屋敷の前では使用人たちがズラリと並んでいる。なかなか壮観な眺めである。
「トバル公爵、お待たせしてしまいましたかな?」
「ハッハッハ、時間通りだよ、ガジェゴス伯爵。よく来てくれた」
先に馬車から降りたお父様が公爵と握手を交わしている。それを見ながら俺も地面へと降り立った。伯爵家から公爵家までは三十分ほどの距離である。待たせても大したことはないだろう。何せ、どちらのタウンハウスも王都の一等地にあるのだから。
「私のよくできた息子です」
「フェルナンドです。本日はよろしくお願いします」
お父様に紹介されて頭を下げた。それを見た公爵は笑っているようだった。
「そんなにかしこまらないでくれたまえ。フェルナンド殿のウワサは王城でよく耳にするよ。良くもまぁあの暴れ馬を制御していると」
ハッハッハと声を出して笑う公爵。どうやら不謹慎なのは俺たちだけではないようである。大丈夫か、この関係。クーデターを企んでるとか思われない?
「こっちが私の自慢の娘だよ」
「エウラリアですわ。よろしくお願いいたします」
お辞儀をするエウラリア嬢。腰まであるブロンドの長い縦巻きロールがふわりとおっぱいと共に揺れた。乳でけえ! 父上を見ると、父上もそれをガン見していた。俺と目が合った父上は小さくうなずいた。
あのおっぱいは俺のだぞ。帰ったらお母様に告げ口しておこう。
気を取り直しておっぱいを眺めようとすると、世界樹の葉のような深緑の瞳と目が合った。すごくキレイな瞳だ。まるで俺の心が浄化されるかのようだ。
一方のエウラリア嬢は……俺を見ると顔を赤くしてフリーズしている。口元がはわはわと小さく波打っている。彼女の思考回路が今にもショートしそうだ。
「エウラリア嬢? 大丈夫ですか?」
「はわわ! だ、大丈夫ですわ。何を言っておりますの? 大丈夫に決まってますわ」
ツンツン。なるほど、これがお父様が危惧した「迷惑」か。だがこの程度なら何の問題もない。あの立派な胸部がそれを物語っている。
トバル公爵は「驚愕!」と今にも言い出しそうな大きな目でエウラリア嬢を見ていた。一方のお父様はニヤニヤとこちらを見ている。
「ハッハッハ、エウラリアがこれほど動揺するとは! 初めて見たぞ。この縁談を推し進めて良かった。そうだろう? エウラリア」
「お父様!」
正気に戻ったトバル公爵がうれしそうに笑った。どうやら大事な娘のいつもとは違う一面を見ることができてうれしいらしい。エウラリア嬢の顔がますます赤くなった。今にも爆発しそうである。大丈夫かな?
あの後、すぐに俺はお妃様候補と結託した。秘密結社オズ(王子様をずっと影から操る)の誕生である。すでにお妃様候補は殿下が残念な性格をしていることを知っていた。きっと両親からも教えられていたのだろう。仲間が増えて良かった。
お茶会にも積極的に参加するようになった俺たちは本当に大変だった。二人いたからこそ、制御できたようなものだ。そんな胃が痛くなる日々を過ごし、何とか俺は十歳の誕生日を迎えることができた。
「フェルナンドです。失礼します」
「来たか、フェル」
誕生日会も無事に終わり、ようやく落ち着きを取り戻したころに、伯爵家の執務室に呼び出された。何の用なのかは大体分かる。先日、殿下がお妃様候補を正式に婚約者として発表したところだ。おそらく次は俺だろう。
「トバル公爵から打診があってな。公爵の一人娘をフェルにもらって欲しいらしい。どうする?」
「ありがたく頂戴させていただきます」
俺は頭を下げた。断る理由は何もない。相手は公爵家だ。後ろ盾としてこれほど強力なものはない。これ以上となれば王女様くらいだろう。しかし王女様はまだ三歳。俺はロリコンではない。
それに俺にはヒロインよけとして婚約者が必要だ。婚約者の力が強いに越したことはない。
「そうか、そう言ってくれると思っていたよ。フェルには迷惑をかけるかも知れない」
エウラリア・トバル公爵令嬢か。遠目でしか見たことはないが、確か目がつり上がった、猫みたいなツンツンした女の子だったな。ゴリラではなかった。
お父様が迷惑をかけると言っているところを加味すると、性格はきつそうだな。まあそれでもやるしかない。敗北も撤退も許されない。戦わなければ生き残れない。
俺たちの顔合わせの日程はすぐに決まった。俺はいつも以上に気合いを入れて準備をして、伯爵家の馬車に乗り込んだ。護衛の数も多い。
今や我が伯爵家と王家のつながりはさらに強いものになっていた。それを良くないと思う者も多いだろう。一度毒殺されそうになった身だ。当然守りも堅くなる。
向かっている場所はトバル公爵家。婚約者であるエウラリア公爵令嬢の実家である。つまり、完全アウェーである。ファンからの応援はなさそうである。
「フェル、緊張しているのか? 気分が乗らないならまた今度にしてもいいんだぞ」
正面に座るお父様が片方の眉を器用に上げてからかうように言った。本気でそんなことは思っていないだろう。どうやら俺の緊張をほぐそうとしてくれているらしい。
「大丈夫ですよ。どちらかと言えば、お城で殿下が問題を起こしていないかどうかの方が心配です」
「確かにそれもそうだな。殿下の婚約者殿に頑張ってもらわないといけないな」
ハッハッハとお互いに笑う。何とも不謹慎な親子である。たぶん殿下にバレたら泣かれるな。気をつけよう。殿下、すぐに泣くからな。この間もちょっと無視しただけで泣いたし。
そんな話をしている間に、馬車はトバル公爵家へと到着した。屋敷の前では使用人たちがズラリと並んでいる。なかなか壮観な眺めである。
「トバル公爵、お待たせしてしまいましたかな?」
「ハッハッハ、時間通りだよ、ガジェゴス伯爵。よく来てくれた」
先に馬車から降りたお父様が公爵と握手を交わしている。それを見ながら俺も地面へと降り立った。伯爵家から公爵家までは三十分ほどの距離である。待たせても大したことはないだろう。何せ、どちらのタウンハウスも王都の一等地にあるのだから。
「私のよくできた息子です」
「フェルナンドです。本日はよろしくお願いします」
お父様に紹介されて頭を下げた。それを見た公爵は笑っているようだった。
「そんなにかしこまらないでくれたまえ。フェルナンド殿のウワサは王城でよく耳にするよ。良くもまぁあの暴れ馬を制御していると」
ハッハッハと声を出して笑う公爵。どうやら不謹慎なのは俺たちだけではないようである。大丈夫か、この関係。クーデターを企んでるとか思われない?
「こっちが私の自慢の娘だよ」
「エウラリアですわ。よろしくお願いいたします」
お辞儀をするエウラリア嬢。腰まであるブロンドの長い縦巻きロールがふわりとおっぱいと共に揺れた。乳でけえ! 父上を見ると、父上もそれをガン見していた。俺と目が合った父上は小さくうなずいた。
あのおっぱいは俺のだぞ。帰ったらお母様に告げ口しておこう。
気を取り直しておっぱいを眺めようとすると、世界樹の葉のような深緑の瞳と目が合った。すごくキレイな瞳だ。まるで俺の心が浄化されるかのようだ。
一方のエウラリア嬢は……俺を見ると顔を赤くしてフリーズしている。口元がはわはわと小さく波打っている。彼女の思考回路が今にもショートしそうだ。
「エウラリア嬢? 大丈夫ですか?」
「はわわ! だ、大丈夫ですわ。何を言っておりますの? 大丈夫に決まってますわ」
ツンツン。なるほど、これがお父様が危惧した「迷惑」か。だがこの程度なら何の問題もない。あの立派な胸部がそれを物語っている。
トバル公爵は「驚愕!」と今にも言い出しそうな大きな目でエウラリア嬢を見ていた。一方のお父様はニヤニヤとこちらを見ている。
「ハッハッハ、エウラリアがこれほど動揺するとは! 初めて見たぞ。この縁談を推し進めて良かった。そうだろう? エウラリア」
「お父様!」
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