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GAMEOVER
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「ソフィアー、入るわよー」
ノックもそこそこに部屋の中に入る。そこにはようやく落ち着きを取り戻したソフィアが机に向かって座っていた。
「イザベラ様!」
振り向いたソフィアはヒロインらしいかわいい笑顔をこちらに向けた。
「もう、ソフィアったら。私のことは呼び捨てで良いって言っているのに。それとも、イザベラお姉様の方が良かったかしら?」
「それでは私も「イザベラお姉様」と呼ばせていただきますね。イザベラお姉様!」
「……ユリウス、あなたは別にその名前で呼ばなくてもいいでしょう?」
ここはランドール公爵家の一室である。あのあと色々と相談した結果、ソフィアをランドール公爵家の養子として迎えることにしたのだ。
いくらソフィアの本来の意思ではなかったとは言え、問題を起こしてしまったのは事実。ソフィアから抜け出た黒い影を目撃した人は多かったが、それは王立学園の生徒に限った話だ。さすがに世間体では許されることではなかった。
このままではソフィアに何らかのおとがめがあることは必至。そこでそうならないようにするために、ソフィアの面倒をうちで見ることにしたのだ。公爵家に文句を言ってくるような輩は王族くらいだろう。
それからもう一つ。八歳のソフィアを教育する必要があるのだ。見た目は十七歳、中身は八歳。その差はすぐには埋まらないだろう。
どうやらお母様は、私の教育のついでにソフィアも鍛えようという算段のようである。大きなお世話だ。私は裏口で来年Aクラスに入るからそんなもの必要ないのに。
「本当にイザベラ様とユリウス様は仲良しなんですね。うらやましいですわ」
「何言ってるのよ。ソフィアも仲良しでしょう?」
私は椅子に座るソフィアに抱きついた。
「そうなると、やっぱりソフィアは妹と言うことになりますわよね、イザベラお姉様?」
「あくまでもその呼び方で通すわけね……」
あきれたように言ったのに、二人は仲良く笑った。ゲームのシナリオは再起不能になってしまったけど、これからどうなるのかしら?
でも、これからどうなろうと私がみんなを守らなきゃね。そのための力が今のイザベラにはあるわ。
****
ここは天界。普通の人は何人たりとも入ってこられない領域。そこに黒い影が舞い戻っていた。
「まったく忌ま忌ましいやつらだ! どうしてこうも私の思い通りにいかないかね? まあ、いいや。リセットしてやり直すとしよう。あーあ、あそこまで育てるのに結構苦労したんだけどなー」
そう言うと、少女は目の前に浮かぶ丸い球体へと近づいた。
「ずいぶんと面白そうなことをしていますね」
だれもいないと思っていた空間から突如聞こえた言葉に、驚いて振り返る。
「あ、天照!」
「私だけではありませんよ」
天照と呼ばれた人物の後ろから、湧き出るように何人もの人物が現れる。
「あなた、知っていますか? 世界の創造者は、自分の世界に干渉してはいけないということを」
天照の隣に豊かな髭を蓄えた人物が立つ。
「その通りじゃ。我ら創造者のできることは、創造と破壊のみ。それ以外は観測者として世界の様子を見守るだけじゃ」
「ゼウスッ……!」
少女の声がかすれた。明らかに分が悪いことを読み取ったのだろう。
「それに違反したらどうなるか、あなたも創造者の端くれならば、知っているでしょ~う?」
「ビーナス! 待って、これには深い事情が……」
床まで伸びる、長い黄金の髪をなびかせながら、ビーナスと呼ばれた人物が手をかざしながら少女に近づいた。
「深い事情ですか。私の大事な子供たちをさらっておいて、今さら何を」
「ま、まっ……」
少女が言葉を言い終わる前に、その姿はきれいさっぱり消えうせた。広い空間の中には丸い球体だけが残されている。
「さて、これをどうするかのう、天照?」
ゼウスは問いかける。天照はニッコリと笑った。
「もちろん、このまま放置するだけですよ。我々は創造者からの依頼がない限り、その世界には手を出すことができませんからね」
その答えにその場にいた全員がうなずくと、いずこかに去って行った。
こうして世界は創造者の手から離れた。
今ある世界が崩壊すれば、二度と再生することはない。
しかし世界が崩壊するまでには、何億年もの時間が残されている。
たとえそれが創造者たちにとって、まばたき一つの時間であったとしても。
****
もうすぐ新学期が始まる、という段階になって、フランツに呼び出しをくらった。
一体何の用だろうか? まさか、勉強しろ、とか今さら言ってこないわよね? お父様からもお兄様からも言われたことないのにー!
「イザベラお嬢様、お待ちしておりました」
「どうしたの? 改まって」
ここは公爵家のサロンの一つ。部屋の中に使用人の姿が見えないのが気にかかる。いつもはだれかしら私についてくるのに。
「イザベラお嬢様に謝らなければなりません」
「何のこと?」
フランツに謝られるようなことをされた覚えはないのだけれど。もしかして、私の魔力を勝手に見たことかしら? だったら一言、物申さないといけないわね。
「実は私、天照なんですよ。まあ正確には、今フランツ君の体を借りている状態なのですけどね。あ、もちろん、フランツ君の許可はちゃんと得ていますよ」
フランツの声色がガラリと変わった。フランツからはそこはかとなく尊きオーラを感じる。
「え? 天照って……天照大神様?」
「そうです。私が天照大神です」
いや、待った。色々と待った。何で前世の世界での神様っぽい人がこんなところにいるの!? しかも何でフランツの体を乗っ取っているの? どういうことなの。
ノックもそこそこに部屋の中に入る。そこにはようやく落ち着きを取り戻したソフィアが机に向かって座っていた。
「イザベラ様!」
振り向いたソフィアはヒロインらしいかわいい笑顔をこちらに向けた。
「もう、ソフィアったら。私のことは呼び捨てで良いって言っているのに。それとも、イザベラお姉様の方が良かったかしら?」
「それでは私も「イザベラお姉様」と呼ばせていただきますね。イザベラお姉様!」
「……ユリウス、あなたは別にその名前で呼ばなくてもいいでしょう?」
ここはランドール公爵家の一室である。あのあと色々と相談した結果、ソフィアをランドール公爵家の養子として迎えることにしたのだ。
いくらソフィアの本来の意思ではなかったとは言え、問題を起こしてしまったのは事実。ソフィアから抜け出た黒い影を目撃した人は多かったが、それは王立学園の生徒に限った話だ。さすがに世間体では許されることではなかった。
このままではソフィアに何らかのおとがめがあることは必至。そこでそうならないようにするために、ソフィアの面倒をうちで見ることにしたのだ。公爵家に文句を言ってくるような輩は王族くらいだろう。
それからもう一つ。八歳のソフィアを教育する必要があるのだ。見た目は十七歳、中身は八歳。その差はすぐには埋まらないだろう。
どうやらお母様は、私の教育のついでにソフィアも鍛えようという算段のようである。大きなお世話だ。私は裏口で来年Aクラスに入るからそんなもの必要ないのに。
「本当にイザベラ様とユリウス様は仲良しなんですね。うらやましいですわ」
「何言ってるのよ。ソフィアも仲良しでしょう?」
私は椅子に座るソフィアに抱きついた。
「そうなると、やっぱりソフィアは妹と言うことになりますわよね、イザベラお姉様?」
「あくまでもその呼び方で通すわけね……」
あきれたように言ったのに、二人は仲良く笑った。ゲームのシナリオは再起不能になってしまったけど、これからどうなるのかしら?
でも、これからどうなろうと私がみんなを守らなきゃね。そのための力が今のイザベラにはあるわ。
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ここは天界。普通の人は何人たりとも入ってこられない領域。そこに黒い影が舞い戻っていた。
「まったく忌ま忌ましいやつらだ! どうしてこうも私の思い通りにいかないかね? まあ、いいや。リセットしてやり直すとしよう。あーあ、あそこまで育てるのに結構苦労したんだけどなー」
そう言うと、少女は目の前に浮かぶ丸い球体へと近づいた。
「ずいぶんと面白そうなことをしていますね」
だれもいないと思っていた空間から突如聞こえた言葉に、驚いて振り返る。
「あ、天照!」
「私だけではありませんよ」
天照と呼ばれた人物の後ろから、湧き出るように何人もの人物が現れる。
「あなた、知っていますか? 世界の創造者は、自分の世界に干渉してはいけないということを」
天照の隣に豊かな髭を蓄えた人物が立つ。
「その通りじゃ。我ら創造者のできることは、創造と破壊のみ。それ以外は観測者として世界の様子を見守るだけじゃ」
「ゼウスッ……!」
少女の声がかすれた。明らかに分が悪いことを読み取ったのだろう。
「それに違反したらどうなるか、あなたも創造者の端くれならば、知っているでしょ~う?」
「ビーナス! 待って、これには深い事情が……」
床まで伸びる、長い黄金の髪をなびかせながら、ビーナスと呼ばれた人物が手をかざしながら少女に近づいた。
「深い事情ですか。私の大事な子供たちをさらっておいて、今さら何を」
「ま、まっ……」
少女が言葉を言い終わる前に、その姿はきれいさっぱり消えうせた。広い空間の中には丸い球体だけが残されている。
「さて、これをどうするかのう、天照?」
ゼウスは問いかける。天照はニッコリと笑った。
「もちろん、このまま放置するだけですよ。我々は創造者からの依頼がない限り、その世界には手を出すことができませんからね」
その答えにその場にいた全員がうなずくと、いずこかに去って行った。
こうして世界は創造者の手から離れた。
今ある世界が崩壊すれば、二度と再生することはない。
しかし世界が崩壊するまでには、何億年もの時間が残されている。
たとえそれが創造者たちにとって、まばたき一つの時間であったとしても。
****
もうすぐ新学期が始まる、という段階になって、フランツに呼び出しをくらった。
一体何の用だろうか? まさか、勉強しろ、とか今さら言ってこないわよね? お父様からもお兄様からも言われたことないのにー!
「イザベラお嬢様、お待ちしておりました」
「どうしたの? 改まって」
ここは公爵家のサロンの一つ。部屋の中に使用人の姿が見えないのが気にかかる。いつもはだれかしら私についてくるのに。
「イザベラお嬢様に謝らなければなりません」
「何のこと?」
フランツに謝られるようなことをされた覚えはないのだけれど。もしかして、私の魔力を勝手に見たことかしら? だったら一言、物申さないといけないわね。
「実は私、天照なんですよ。まあ正確には、今フランツ君の体を借りている状態なのですけどね。あ、もちろん、フランツ君の許可はちゃんと得ていますよ」
フランツの声色がガラリと変わった。フランツからはそこはかとなく尊きオーラを感じる。
「え? 天照って……天照大神様?」
「そうです。私が天照大神です」
いや、待った。色々と待った。何で前世の世界での神様っぽい人がこんなところにいるの!? しかも何でフランツの体を乗っ取っているの? どういうことなの。
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